焦るべからず。じっくり腰を落ち着けて戦国乱世に挑め「信長の野望・革新withパワーアップキット」レビュー(2/3 ページ)

» 2008年03月21日 19時53分 公開
[水野隆志,ITmedia]

「戦国美食道」挑戦記〜其ノ壱「基本戦略」

 チャレンジモードで選んだのは、伊達政宗を主役にした「戦国美食道」。制限時間内に食品系の特産物を一定量集めるという内容で、難易度は★。もっとも簡単なレベルのシナリオである。

シナリオ開始は1603年3月。すでに天下の覇権は徳川家に移っている。対抗馬は豊臣家だがその影響力は畿内周辺に留まり、上杉家や毛利家など往年の大大名も衰退が著しい
そうした状況を見た政宗(このシナリオでは相当なグルメに設定されている)は、これからは食に生き甲斐を見出そうと決意する。ちなみにこだわりの料理はだてまき

 与えられた時間はちょうど2年。この間に米、醤油、塩、酒、茶、魚介の6品をおのおの1000集めなければならない。これらの食材は、ルール上ではすべて城ごとに定められた特産物になっている。政宗の居城である岩出山城では塩しか生産されないので、残り5品をどうやって集めるかが攻略の成否を握るわけだ。

 単純に考えれば、対象となる5品を特産物にしている城を片っ端から攻略していけばいいことになるが、それは時間的に到底不可能。また、実際の問題として岩出山近郊の城を残らず制圧したところで特産品は揃わない。となると方法は1つ。商人との取引だ。幸い、秋田商人との協定が成立している状況からゲームが始まるので、その分の苦労はない。

 以上をまとめるとこうなる。「岩出山城で採れた塩を他の食材と交換し、クリア条件を満たす」。基本戦略はこれでキマリだ。ここで重要なのが施設の1種である「奉行所」。これを建て、臣下を奉行に任命することで特産品の生産量を増やすことができるのだ。取引を考えれば塩はいくらあっても困らない。序盤から積極的な建設に励む必要があるだろう。

奉行所は特産品集めには欠かせないが、それ自体は金銭を生まない。「市」や「商館」もある程度建てておかないと経済的に破綻してしまう
奉行に任命する武将の政治力が高いほど効果は大きい。とはいえ、奉行になると他の内政業務ができなくなるのでそのあたりのバランスも大切

「戦国美食道」挑戦記〜其ノ弐「予想外の戦雲」

 というわけでプレイ開始。予定通りスタート直後から奉行所を建てまくり、内政向きの臣下を奉行にする一方、政宗は人材集めと取引を担当する。なにしろ時間制限が厳しいので頭数が欲しい。召し抱えられる人材は能力度外視で雇用し、多少強引でも仕事を振り分ける。幸いにしてそこそこ優秀な人材も集まり、出だしは順調だ。

一度に取引できる特産品の量は担当武将の政治力による。高い武将に任せれば大量交換が可能だ

 夏頃になると塩がある程度貯まってきたので開発と並行して取引を行う。相場が毎月変わるので、値段を睨みながらなるべく儲かる取引を考える。気分はすっかり財テク。戦闘準備などはそっちのけでひたすら食材集めに邁進する。

 そんなこんなで秋まで過ごしていたが、1603年の冬に徳川家包囲網が結成された。天下泰平かと思っていたら全国規模の戦乱が勃発したのである。正直、これには驚かされた。まさか、最低難易度のシナリオでこんな仕掛けを打ってくるとは。とはいえ、こんなものに関わっていては時間がなくなってしまう。包囲網への参加は断り、食材集めに専念する。

 が、この判断はあまりにも甘すぎた。戦局は徳川家が圧倒的に優勢で、前田、上杉などの反徳川陣営が続々と滅んでいく。翌1604年の夏頃には徳川の大軍と伊達領との間の緩衝勢力が消滅してしまった。

全国が親徳川派(赤色)と反徳川派(黄色)に分裂。周辺では西隣の最上家、南の上杉家が包囲網に参加し、北にいる南部家が徳川派に立っている
炎上する会津若松城。徳川軍の猛攻の前に包囲網はもろくも崩壊していく

 1604年秋、ついに家康自ら率いる約6万の軍が伊達領に攻め込んできた。対する伊達軍は約1万5000。包囲網には参加しなかったのに、とぼやきたくなるが、相手はお構いなし。やむなくこちらも政宗をはじめ、片倉景綱や伊達成実らの精鋭を出馬させて対抗する。緒戦は能力差にモノをいわせて優勢に進めたが、徳川家は途切れることなく増援を送ってくる。こうなってはどうにもならない。陸前一国で天下の半分を領する大家に刃向かう愚を思い知らされ、岩出山城は陥落。政宗は捕らえられて処刑され、初プレイはあえなくゲームオーバーとなった。

「戦国美食道」挑戦記〜其ノ参「振り回されて」

 仕切り直しで第2戦。といっても基本戦略は変わらない。奉行所を建て、人材を補充し、取引を行う。今回は包囲網にも参加。というのも、包囲網参加大名同士は戦争が不可能になるため。どっちにしろ徳川家が攻めてくるのなら、せめて他の家からちょっかいを出される可能性を潰しておいたほうがいいと考えたわけだ。

 徳川軍と反徳川軍の戦況は一進一退。豊臣家が健闘して西日本で優位に立っているが、東日本は徳川が優勢。ついにその先兵が伊達領に姿を現した。しかし、今回は防衛体制を整えているから、さして怖くはない。楽々撃退することに成功した。

一揆軍鎮圧に向かう鈴木隊。上方のマップ、岩出山城(青い光点)の左上に見える赤い軍勢に注目。これが後に南部家と連携して攻めてくる徳川軍

 よしよしと思っていたら、領内で一揆が発生。兵を集めるため、無理をしたのがたたったようだ。面倒な、と鈴木重朝率いる鎮圧部隊を繰り出すと、一揆軍の向こう、北から敵軍の姿が。南部家である。清く正しい火事場泥棒ということらしい。まったくやってくれる。大した敵ではなかったが他の武将が内政で出払っていたので政宗で応戦する。ところが政宗隊が城から離れた隙に徳川家が再来襲。どうも南部家の動きは陽動だったらしい。ということは、それに引っかかって主力を出してしまったのは……うわあ、これはとんでもないヘボ采配。恥ずかしいったらありゃしない。

 北に南と政宗が駆け回ってどうにか敵は撃退したが、そうこうするうちに制限時間が過ぎてゲームオーバー。まさか難易度最低のシナリオで2連敗するとは。これは気合いを入れて攻略策を考えねば。かくして戦いは3戦目に移ることになる。

「戦国美食道」挑戦記〜其ノ四「塩不足は米で補う」

 ところが、それからも2連敗を記録。どうしても勝てない。不意打ちを食らったり、一揆を起こされたりといった間抜けなミスはしなくなったが食材が揃わない。塩が絶対的に足りないのだ。

 最初は奉行所の数が足りないのかと思ったが、どんなに奉行所を建てても一定量を超えると上昇幅が頭打ちになり、大量の増加は見込めない。となると、これは発想を切り換えねばならない。そう思って改めて周囲をよく見てみると、岩出山城に隣接する小高城の特産物が米になっている。しかもここは徳川領で、敵中に孤立した状態になっている。

 ああ、そうか。いまさら気づくのも遅いが、なるほどこれなら徳川家包囲網が結成される本当の意味も分かってくる。つまり、1603年前半で岩出山城の開発を終え、それから包囲網に参加して他大名との戦いを避け、小浜城を落としてそこで米を補填する。小高奪取後にそこでも奉行所を建てれば、米にも余剰分が出てくるだろうから、岩出山の塩と合わせて他の食材と交換するぐらいの量はまかなえる。こういう戦略が建てられるだけの状況が最初から作られていたわけだ。それを見抜けないとは何たる不覚。まったく、抜けているとしかいいようがない。

 かくして満を持しての第5戦。スタート後は今まで通り奉行所を建設。ただし、今回は兵舎も大量に建設する。目標は奉行所8、兵舎10。それ以外に市、商館、畑もバランスよく建てて、やがて起こる遠征に備える。また、塩は毎月少しずつ交換していく。米はいずれ手に入るから他の食材を優先。だんだんと必要分がそろっていく。

 そして徳川家包囲網が結成された直後の1603年冬、小高城攻略作戦を開始する。味方の第一陣は政宗と景綱が率いる主力1万。この部隊は小高城から出撃するであろう敵部隊を蹴散らし、その後で攻城戦に参加しなければならないから守備力の高い足軽隊で編成する。続いて第二陣は鈴木重朝率いる鉄砲隊5000。政宗麾下の主力が敵と抗戦に入ったらそれを側面から援護し、その後攻城戦に加わる。天下に名を轟かせた鉄砲集団、雑賀衆の一員だけに重朝の鉄砲属性は最高ランクのS。兵数は若干少ないが効果は十分だろう。第三陣は成実率いる8000。この部隊は小高城制圧後、手薄になる岩出山城防衛に戻すため、機動力を重視して騎馬隊で編成する。対する小高城の守備兵は約9000。武将の能力に頼った無理攻めだが、このタイミングで落とさないと時間的に間に合わない。兵力のほとんどをつぎ込んで乾坤一擲の勝負を賭ける。

1604年10月時点での食材備蓄量。米と塩以外は必要分を確保している。米と塩はだいぶ少なく見えるが、これらはともに毎月250前後の生産量があるので、1605年2月までにはクリア条件を満たせる

 さすがに入念に準備しただけあって、この作戦は滞りなく進行した。小高城は1603年5月に制圧。すかさず成実を岩出山城に返し、逆に待機していた武将たちを全員小高城に招聘して奉行所建設を開始する。そして小高城の政宗と岩出山城の成実を交互に商人のもとに派遣して、余剰分の米と塩を交換。1604年10月には米、塩以外の食材を揃え終わった。後は毎月生産される米と塩を加えていけばいいだけだ。

 こうしてどうにかこうにか「戦国美食道」をクリアした。しかし、難易度最低でこれとは。最高難易度である★★★★のシナリオなど、どれほどの手応えがあるのだろう。とはいえ、こちらもいろいろ勉強になった。この経験を活かし、今度は「地方統一モード」に挑戦してみよう。

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