12年目の「サクラ大戦」ファンに贈る、歴代ヒロイン総出演の超豪華ドラマを満喫せよ!「ドラマチックダンジョン サクラ大戦 君あるがため」レビュー(1/3 ページ)

久々に姿を現した「サクラ大戦」シリーズ最新作は、これまでとは大きく路線を変更した「ドラマチックダンジョンRPG」。最初は「また安直な……」と警戒心丸出しの筆者だったのだが、実際に遊んでみて、その考えを180度改めるに至った。これまでシリーズを支え続けてきた“ごほうび”として、12年目のシリーズファンにこそ遊んでもらいたい作品だ。

» 2008年03月28日 00時00分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

大きく成長した「サクラ大戦」というシリーズ

 初代「サクラ大戦」がセガサターンで登場してから、今年でもう12年目になる。最初はわずか6人だった華撃団メンバーも、二度のメンバー交代を経て今や総勢18人の大所帯に。活動拠点も帝都、巴里、紐育の三都市へと広がり、世界観も当初とは比べものにならないほど厚みを増した。「継続は力なり」というが、実際に“継続”を“力”へと変えてきた、数少ないシリーズのひとつだろう。

画像 おなじみの面々が、今度はダンジョンを舞台に一大冒険活劇を繰り広げる

 そんな12年目の「サクラ大戦」最新作は、なんと入るたびに形が変わる“ダンジョンRPG”形式。第一報を聞いた時には「とってつけたようなお手軽企画か!?」と身構えたものの、開発はあのネバーランドカンパニー(「風来のシレン外伝 アスカ見参!」などを開発」)と聞き、「シレン」ファンの筆者としてはここで期待度がギュウーンと上昇。そして実際に出来上がってきたものに触れ、その期待が正しかったことをあらためて確信したのだった。

 そこにあったのは、12年目の「サクラ大戦」だから表現できた、新しいダンジョンRPGの形だ。

ダンジョンに降り立った、総勢18人のヒロインたち

 まず「サクラ大戦」ファンにとっての最大の目玉は、やはり帝都・巴里・紐育の三華撃団メンバーが総出演する点だろう。これまでにも「サクラ大戦4」で、帝都・巴里のメンバーが共闘することはあったが、シリーズ5作品すべてのメンバーが一堂に会するのは今回が初めてとなる。基本、別個に動いている三華撃団が、どのような経緯で一ヵ所に集結していくことになるのか? あえて詳しくは触れないが、ストーリーの進行に応じて少しずつメンバーが合流していく展開はかなり“燃える”のでお楽しみに。サターン時代からシリーズを見守ってきた身としては、やはり初代メインヒロインのさくらと、最新作のヒロイン・ジェミニがはじめて出会うシーンには、思わずじんと来るものがあった。

画像 現代によみがえったフランスの聖女、ジャンヌ・ダルクが今回の敵となる
画像 何者であろうと、帝都の平和は守らねばならない。一体、ジャンヌの目的は?
画像 三人娘ももちろん登場。サブキャラクターも含め、登場人物は30人以上

 で、ゲーム中ではこの中から最大3人を選んでダンジョンへ連れていく形となる。「シレン」で例えるなら、常時ペケジ・お竜・ケチの3人ががっちりサポートしてくれている状態だ――って例えがちょっと古いですか。

 当然、隊員たちの性能はそれぞれ異なり、いずれも個性あふれるスキルや必殺攻撃でプレイヤーを援護してくれる。例えばさくらなら強力な近接攻撃でガシガシ敵を倒してくれるし、マリアなら得意の射撃で後方支援、アイリスならスキルで周囲の味方を回復――といった具合。攻撃面以外でも、一定確率で「無礼者!」と反撃するすみれ、ヘビ系モンスターを見ると逃げだしてしまうカンナなど、実に細かいところまでキャラクターの個性づけが行き届いていて感心させられる。しかも、そのすべてがきちんと“ダンジョンRPG”のシステムに落とし込まれているのだからお見事。店のアイテムを勝手に盗んでしまうロベリアなど、最初からダンジョンRPG向けに設定が考えられていたのでは? と思ってしまった。

画像 さくらの必殺攻撃・桜花放神。直線上の敵に貫通ダメージを与える
画像 個性豊かな隊員たちとの連携が、ダンジョン攻略のカギとなる
画像 仲間と同じ敵を攻撃すると、「協力攻撃」が発動することも

 個人的なツボキャラは、やたらドジっ娘スキルが充実しているエリカ。「何もないところでいきなり転んでダメージを受ける」というのはお約束として、なんとこの子は「うっかり味方を撃つ」という恐ろしいスキル(?)まで持っている。デフォルトで三方向射撃可と攻撃面については申し分ないのだが、おかげで隣にいるとビシビシ流れ弾が飛んできて、見る間にHPが削られていってしまう。そのたびに「またやっちゃいました!」と謝ってくれるのだが……ああもう、かわいいやら腹立たしいやら!! なんだかんだで毎回連れていっているあたり、開発者の仕掛けたワナにどっぷりハマっている気がする。

画像 とにかくよく転ぶ転ぶエリカ君。大事なものは持たせないように
画像 三方向同時攻撃は強力だが、あの、こっちにも当たってるんですけど……
画像 インタビューでは「がんばって育てると強くなる」とのことだったが……?

 また、隊員たちは冒険の途中で「ワナ破壊」や「側面支援」といった新しいスキルをひらめくことがあり、これによってワナを見つけて破壊してくれるようになったり、プレイヤーの後ろではなく横に並んで歩くようになったりと、より便利に、賢く成長していくのが面白い。毒攻撃ばかり食らっていると「毒見切り」を覚えるなど、修得条件は仲間の行動や環境に影響されるようなので、どんな条件でどんなスキルを覚えられるのか探してみるのも楽しいだろう。ところで、うちのエリカ君にもいいかげん「仲間越し射撃」くらいは修得してほしいんですが……。

画像 SPの回復量が増える「精神集中」を修得。スキルの種類はかなり豊富
画像 地味に役立つ「ワナ破壊」スキル。1人は使える人がほしいところ
画像 新しいスキルを探して、憶えさせていく作業がけっこう楽しい
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」