今までにない、真の釣りシミュレーションゲームを見せます「スーパーブラックバスオンライン」開発者インタビュー

4月10日から正式サービス開始となる、本格派釣りシミュレーションゲーム「スーパーブラックバスオンライン」。家庭用ゲーム機向けに長年スーパーブラックバスシリーズを手がけてきたメーカーが、オンラインゲーム初参入ということで、その意気込みやゲーム詳細について尋ねてみた。

» 2008年04月10日 18時00分 公開
[聞き手:麻生ちはや,ITmedia]

 4月10日から正式サービス開始となる、本格派釣りシミュレーションゲーム「スーパーブラックバスオンライン」。メダカから鮫まで、ましてやアザラシまで釣竿1本で釣れてしまうような、ぬるい釣りゲーはいらないと言うのは、本タイトルの開発・運営を行うスターフィッシュ・エスディだ。家庭用ゲーム機向けに長年スーパーブラックバスシリーズを手がけてきたメーカーが、オンラインゲーム初参入ということで、その意気込みやゲーム詳細について、スターフィッシュ・エスディ代表取締役社長 高橋輝隆氏、開発業務部部長 勝又展氏、営業部主任 向後貴弘氏、スターフィッシュ・オンラン取締役副社長 渡邉憲男氏に尋ねてみた。

画像 左からスターフィッシュ・エスディ 勝又展氏、高橋輝隆氏、スターフィッシュ・オンライン渡邉憲男氏

「スーパーブラックバス」から30年たってオンラインゲームへ

――4月10日の正式サービスが決定している「スーパーブラックバスオンライン」ですが、準備はもう万端ですか? 公式サイトを拝見しましたが、サービス開始間近にしてはスクリーンショットなども少なく寂しい印象でした。これは操作方法の解説ページなどを、これから用意される予定でしょうか。

勝又展氏(以下、敬称略) 4月10日の正式サービスに向けて内容をガラっと変えていくつもりです。

高橋輝隆氏(以下、敬称略) 「スーパーブラックバス」というタイトルは、元々がコンシューマ向けソフトで、我々もオンラインゲームの経験が非常にとぼしいものですから、公式サイトの充実まで手が回らなかったというのが正直なところです。

 最初に「スーパーブラックバス」を手がけてから約30年が経過して、家庭用ゲーム機の市場ではそれなりに経験と知名度を得てきましたけれど、初のオンラインはどうなるのか全く分からずドキドキしていますよ。

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――ちなみにオンラインゲームに関わってみて、初めて分かった難しい部分、苦労した部分は特にどこでしたか?

渡邉憲男氏(以下、敬称略) とにかくすべてが正反対といった感じですね。要求されるスピードはコンシューマの比ではないし、何よりも「運営し続ける」ということが悩ましい部分でしょう。言わずもがなですけれど、家庭用ゲーム機向けソフトというのはやはり、手離れの良さがあります。厳しいスケジュールの中、もう少しやれることもあったと思うときもありました。ところがオンラインゲームはそうはいかない。

――やればやるほど、手をかけねばならない部分が増えていくのがオンラインゲームですね。

渡邉 作るのは最初の1歩で、その次にあるスムーズな運営こそが本命ですね。とにかく、いつまでたっても気が抜けないということを知りました。ただその分、育てがいはあります。

――逆に今まで積み重ねてきたノウハウがオンラインでも活きた、という部分はありましたか。

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渡邉 手前味噌な話になってしまうかもしれませんが、オンラインゲームの開発・運営で成功しているメーカーには、若く柔軟な発想を持った若いスタッフが多く、活気があります。けれども、物づくりそしてコンテンツの作り込みに関しては、ウチはよそに引けをとらない力があると自信を持ちました。コンシューマを長く手がけていれば失敗も数多くありました。その経験はオンラインゲームでも間違いなく活用されているでしょう。

――オンラインゲーム業界はそれ自体がまだ若いですから。

渡邉 まだ10年もたってないですしね。オンラインゲームに注目が集まった時期だけで言えば、ここ4、5年でしょう。

コンシューマーは縦構造、オンラインは横展開

――次に、ゲーム内容の詳細についてもお話をうかがいたいですね。従来のコンシューマ版とオンライン版の相違点、オンライン版ならではの魅力を教えて下さい。

勝又 まず釣りゲームの構造から簡単に説明しますと、コンシューマの作り方というのは、プレイヤーに「最初にこれをやってください」「次にこれを目標に釣り上げてください」という指示と目標を与えてクリアさせていく、縦の構造になっています。目標という名前のエサを直線的において、プレイヤーはそれを順番に拾っていく感じですね。逆にこういう作り方をしないとプレイのモチベーションが続かないわけです。

 ところがオンライン版の場合、横に並べていく構造になっています。つまり既存の釣りシステムを踏襲しつつ、釣れる魚やシナリオ、あるいは新しい湖や川などマップのバリエーションを用意して、コンテンツを横並びに広げていく予定です。また、現在の「スーパーブラックバスオンライン」はショックウェーブで制作されていますが、今後は全く別システムで作ったコンテンツを、シリーズという形で提供していくつもりです。今まで一直線に作っていたコンテンツが、真横にも前後にも広がりを見せると考えて下さい。

――オンラインゲームの場合でも、プレイし続けるモチベーションは必要になると思います。「スーパーブラックバスオンライン」ではどういった形で、ユーザーに目標を与えるのでしょう。

勝又 既存の製品にもありました、次のステップに進むためのクリア条件、あるいはトーナメントに勝ち残ると景品がもらえるなどのシステムは、オンライン版でも設定しています。

――クリア条件というのは一種のクエストのようなものですか? 正式サービスの時点ではいくつ実装される予定ですか。

勝又 そうですね、クエストをイメージしていただければ大丈夫です。準備中のものも含めて、全部で30個ぐらいです。3人そろわないと挑戦すらできない、といったパーティプレイ必須のクエストもあって、そういった部分でユーザー同士、横のつながりが生まれてくれることも期待しています。

――オンラインゲームはとにかく集中的にやりこむタイプのユーザーが多いですから、30個というのは少なく感じますね。

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勝又 30個という数だけ見ると少なく思えるかもしれませんが、どんなにやり込んでも数日で消化できるものではありません。1つのクエストのクリアに最低でも2日はかかるでしょう。「スーパーブラックバス」共通の特徴として、リアルの釣りに近い環境やヒット条件の再現があります。ですからプレイヤーはまず、魚をヒットさせるための場所(マップ)とルアーと時間など、条件のマッチングから始めなければなりません。

 とりあえず30個のクエストの制作内容が決まっている段階です。今後どんどん拡大していく方向で考えております。

 最も高難易度のクエストなどは、確率的にほとんど釣れない“幻の魚”ですから。釣れないわけじゃないんですが、例えば最初に釣れた魚を仕掛けに使わないと目標の魚が釣れないといった、仕掛けもあるんですよ。

――そういったクエスト攻略のヒントは、実際の釣りを知っていた方が有利になるのでしょうか。

勝又 有利になるものもあれば、不利になるものもあります。「スーパーブラックバスオンライン」は既存のオンライン釣りゲームのカテゴリーからは、少し逸脱するシステムも盛り込んでいます。例えば湖沼マップは最初から表示されず、ルアーを投げ込むことで少しずつ完成するといった内容です。

 長年バスフィッシングをテーマにゲームを造ってきましたが、コンシューマでは造れなかったものを新たにオンラインというフィールドで造っていきたいと思っています。

――オープンβサービスで見られるものとは、まったく違うゲームになりそうですね。

勝又 ええ、順次開発中ですから楽しみにしていてください。

「エコポイント」で環境問題も考える、リアルな釣りゲームを

――今お話された湖沼マップの完成など、本格的な釣りシステムが売りということで、ターゲットは比較的高い年齢層の男性ですか?

勝又 ちょっとだけ、気軽に遊べるコンテンツも用意していますので、男性のヘビーユーザーだけに限定はしていません。

渡邉 釣りゲームは意外なまでに年齢層が幅広いんですよ。下は小学生から上は40代、50代までに遊んでもらえるタイトルです。確かに男性よりにはなってしまうでしょうが。

向後 釣りは好きだけれど最近行ってない、子供と一緒に行きたいけれどチャンスがない人など、幅広いユーザーに楽しんで欲しいと思ってます。今後は女性が遊べるコンテンツも追加実装していく予定です。

――釣りゲームで女性が好きなコンテンツというと、アバター要素以外、ちょっと思い浮かびませんね……。

向後 これからさまざまなアイディアを投入しなければなりませんが、空き缶を拾って「エコポイント」をためるというシステムは、逆にゲームだけのメーカーさんには思いつかないアイディアでしょう。弊社は釣りゲーム製作に長く関わってくる中で、釣具メーカーさんとのタイアップを通じて、釣り人のマナー向上が必要だといった意見を耳にしたからこそ、エコポイントという発想が生まれました。

渡邉 ゲームとは直接関係ありませんが、釣り人のマナー問題、これは釣具業界が抱えてる悩みなんです。海釣りですと進入禁止区域と書いてあるのに、いい年をした人が堂々とその柵を乗越えていく。生餌を捨てていくから悪臭がするなどルール違反、マナー違反をする人が必ずいるでしょう。特にバスフィッシングは世間からの風当たりも強いですし、我々もこういったゲームを通じて釣り人にマナーを守ることを呼びかけると同時に、釣具メーカーさんをサポートする意味も含めています。

――そこまで深い意味があるとは知りませんでした。ところでもう少し細かいゲーム内容を伺いたいのですが、この「プライベートポンド」システムについて教えて下さい。いわゆるハウスカスタマイズに近いものなのでしょうか。

勝又 そうですね、まず湖の基本地形を購入します。その湖に自分が釣った魚を放流して飼育できるんです。飼育環境を整えて繁殖させられる他、ユーザーはそのプライベートポンドで実際に釣りをして、釣れやすいポイントや時間帯といった条件をそこで学べるわけです。1つはそういった研究用の目的ですね。

 また、流れ込みを作って酸素量を増やすとサイズが大きくなりますし、特定の魚を複数飼育することで「突然変異」が生まれることもありますよ。

――それはまた、すごくリアルですね。

勝又 まだまだあります。湖が成長して海への流れ出しを作れるようになると、一部の魚は一定期間海へ行き、成長して戻ってきたりします。プライベートポンドの持ち主はゲーム内通貨を入場料として取って、ほかのユーザーに湖を開放できます。つまりゲーム内の通常マップでは釣れない、そこでしか釣れない魚を育てるメリットも同時にあるわけです。

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――ちなみに一番最初の基礎部分というのは、ゲーム内通貨で購入できますか。

勝又 ゲーム内通貨と課金アイテムの両方になりますが、基礎部分はゲーム内通過で購入できるようになるはずです。

――とても興味深いシステムですが、新システムはすべて4月10日の時点で実装されるのか気になります。アイテム課金も正式サービスと同意に始まりますが、平均価格なども教えて下さい。

勝又 アバター用アイテムと魚種、特殊ルアーや各種釣りアイテム、ランキング形式の大会などは10日に実装されますが、残念ながらプライベートポンドについては少し先になりそうです。とはいえ、正式サービス開始から3カ月も4カ月も先の実装では意味がありませんので、なるべく早く登場できるよう努力します。

渡邉 他のオンラインゲームとさほど差はありませんが、正式サービス開始時の1アイテムの上限は300円を予定しています。下は50円程度でしょうか。基本は1度購入したら永久に使えるもので、30日限定などの期間は設けていません(現段階においてです)。ただ、ルアーは魚に食われちゃう可能性もあるので、そこは補償できません(笑)。魚に食われない保険付きのルアーは、100円ほど高かったりしますが。

――最後に、今までオープンβテストに参加してくれたプレイヤーと、4月10日の正式サービスからのプレイを考えている読者に向けて、メッセージをお願い致します。

勝又 今までになかった釣りゲームだと、自信を持っていえるコンテンツを用意しています。過去の作品で遊んでくださった方には違和感があるかもしれませんが、「スーパーブラックバスオンライン」は今後、どんどん広がりを見せていくタイトルです。中には本当にプロ仕様の高難易度な内容もありますから、初心者から真の上級者まで、必ずあなたに合う遊び方が見つかるはずです。ぜひ一度プレイしてみてください。

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