アクションの中に脈々と息づくシミュレーションの魂「突撃!!ファミコンウォーズVS」レビュー(3/3 ページ)

» 2008年06月06日 00時00分 公開
[水野隆志,ITmedia]
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こんな感じで進めれば勝利は間違いなし

画像 この段階でどのユニットでどの敵と戦うか、あらかじめ見当をつけておきたい

 では、相性に気をつけながら、どんな感じにゲームを進めていけばいいかをご紹介しよう。

 ミッションを選ぶと開始前に敵味方の登場ユニットの一覧が出る。それぞれのユニットが何体いるかまでは分からないが、ここで敵味方の陣容を軽く見ておこう。重戦車、爆撃機、戦艦など、攻撃力の高いユニットが敵にいたら要注意。味方にそれと対抗できるユニットがあるかを確認しておく。敵の切り札を潰すユニットはこちらにとってはまさに虎の子。乱戦に巻き込まれて消耗しないよう、気をつけて指揮したい。

 続いてロードの時間を利用して作戦の目的や注意点などが表示され、その後にミッションスタートとなる。ここで最初にすべきは全体マップの確認。敵の配置を確認してどんな具合に攻めていくかを考えるのだ。なお、各ミッションにはクリアするために絶対満たさなければならない主目的と、ついでクリアしておくと評価ランクがアップするサブ目的がある。サブ目的は単に評価が上がるだけではなく、戦力が補充されることもあるので、なるべく狙っていきたい。

画像 全体マップには敵情報だけでなく、主目的、サブ目的の位置も示される。金の星が主目的、銀の星がサブ目的だ

 作戦の目的、敵の配置状況、進軍ルートについて把握できたら、いよいよ操作開始。プレイヤーが直接操作できるのは味方のうち1ユニットだけ。残るコンピュータ管理のユニットには、「待機」「フォロー」「攻撃」という3つのコマンドが出して大まかな方針を与えていく。この使い分けが肝心だ。

 待機はその場で停止させる命令。相性が悪い敵に近づけたくない場合は、このコマンドを使って後方に控えさせておく。フォローはプレイヤーが操作するユニットの後をついて来させる指示。戦闘が始まると操作ユニットを守るように行動する。攻撃はプレイヤーが定めた目標を全軍で集中攻撃するコマンド。相性のいい敵を一挙に粉砕するのに適している。

 まとめてみよう。まずは全体マップを見て敵がどんなユニットなのかを確認する。その敵に弱いユニットは後方に「待機」させておき、有利なユニットに「フォロー」を命じて前進。敵に近づいたら「攻撃」を指示して打ち破る。これが指揮の基本だ。すべての根底に相性があること、それさえ押させておけばそんなに悩まずに済むことがお分かりいただけたと思う。え? ユニットの種類が多すぎて相性を覚えきれない? ……まあ、ある程度進めれば自然と頭に入ってしまうと思うが、それまではマニュアルを見ながらプレイすればいいだろう。さいわい、ユニットの相性は見開きに見やすくまとまっている。マニュアルを読むのが面倒だという人も、このページだけは開いておいていただきたい。ほんと、便利なページなので。

ゲームに慣れてきたらWi-Fiモードに挑もう

 シミュレーションゲームには「リアルタイムストラテジー」と呼ばれるサブジャンルがある。従来のウォー・シミュレーションゲームはユニットが盤面に固定されていて勝手に動くことがなかった。プレイヤーが指示を出すことで初めて時間軸が進む形になっていたので、戦術を納得いくまで考えることができる。しかし、実際の戦場ではこちらの作戦が決まるまで敵がぼっーっと待っていることなどあり得ない。こちらが考えている間にも敵が勝手に動くことにすれば、熟考型とはまた違ったゲーム性を味わえるのではないか。こういった発想から、文字通りリアルタイムで指示を出さねばならないウォー・シミュレーションゲームが作られたわけだ。このタイプのゲームではプレイヤーはユニットの生産と大まかな指示を担当する。実際の戦闘はユニットが自動で行ってくれるわけだ。

 「突撃!!ファミコンウォーズVS」は、このリアルタイムストラテジーにおける自動戦闘部分をプレイヤーがアクションで行うゲームだと考えれば把握しやすい。生産は一定条件下で加えられる援軍が該当すると考えればいいだろう。こうしたところにも、このゲームのシミュレーションゲーム性が見て取れる。やはりファミコンウォーズはファミコンウォーズ、手軽で遊びやすいシミュレーションとしての本質を失っていないのである。

 さて、ストーリーモードを一通りクリアしたら、Wi-Fiモードにチャレンジしよう。なにしろ、タイトルにもある通り、VS(対人戦)こそが「突撃!!ファミコンウォーズVS」の真の魅力なのだから。他人とのプレイには、プレイヤー同士が連合してミッションクリアを目指す「協力」、攻撃側と防御側に分かれ、拠点の争奪を繰り広げる「攻防」、制限時間内にどれだけ敵を倒せるかを競い合う「合戦」という3タイプのモードが用意されている。選択可能なミッションは、それぞれのモードを遊ぶことによって増えていくので、ガンガン挑戦してみよう。

 最後にちょっと余談を。

 このゲーム、なるべく適度な休息を取りながらプレイすることをオススメしたい。というのも、コントローラをずっと持っていると、疲れからなのか手がぶれてしまい、微妙な操作ができなくなるからだ。ユニットが入り乱れている時など、目標を正確にロックオンできないと、予想外の苦戦を強いられることがある。長時間対人戦をやっていたりすると、最終的には腕力のあるほうが有利になってきたり? ……うーん、ゲームとはいえ、やはり戦争。体力なき者は勝利の美酒を味おうてはならぬ、ということなのかも。

(C)2007-2008 Nintendo


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