連載
» 2008年12月08日 10時49分 公開

くねくねハニィの「世界不況がもたらす影」 くねくねハニィの「最近どうよ?」(その28)(2/3 ページ)

[くねくねハニィ,ITmedia]

どうなんだ? アメリカの景気

 全体的に株価は落ちまくってますが、ではゲームメーカーの株価は? というと、もちろんあおりを受けて軒並み大幅に下げています。そのため、みなし資産が下がって資産価値が大幅に目減りしてしまったのも事実。コレに関してはまた後で触れることにするね。

 記事の最初の方で書いたけど、ハニィが11月末にアメリカに行った時にはショッピングモール中セールだらけでした。年末のホリデーシーズンってのもあって、ブランド店舗が全製品30%引きとか信じられないこともやってたわ。そういうところではかなり人が混雑してたから大丈夫かなと思ってたけど、地元の方に聞いてみたところ、景気は明らかに悪くなっており、その先行き不透明感からか、どうやらみんなのサイフの紐はかなり閉められてるみたい。

 まずはホリデーシーズンであろうとも家族旅行に行かなくなったんだって。家族4人でちょっとした旅行をした場合、交通費(飛行機代とか)+宿泊代だけで最低でも2000ドル(20万円くらい)前後はかかってしまうわけで、そんな一時の快楽を求めず、不安な将来のためにとっておこう、ってのが一般的な感情みたい。

 また、消費が冷え込むんじゃないか? と小売店側が危機感を感じて、やたらとセールを展開してるって話があったりする。こういうセールは毎年タイミングが決まっていたので、お客さんは買い控えしていたみたいね。「どうせセールになる」って思ってるから。でも、今年は不景気の影響もあって小売店の業績がよくないから、セールのタイミングを早めて集客している、ってことらしい。

 それに、車や大きな家電製品などの大物は買い控えしていることは間違いないの。もちろんご存知の通り、不動産に関してはバブルと言われていた西海岸に関しては特に値下がり幅が大きい。

 そういう意味では、ここのところハニィが感じてた「アメリカ人は金持ってるなぁ」って考え方は正しかったみたい。ものすごいバブルだったんです。大きな家を持って、ハイデフのテレビを持ち、高級車に乗り、ホリデーには家族そろって豪華旅行をする、ってのがそこら辺で見えてたからね。ある意味今までが異常だったとも言えるかもね。

冷え込んでるのか? ゲーム市場

 ではゲーム市場は冷えているのか? と言うと、業界関係者もそうは言ってないのだ。2008年の10月のNPDデータを見てみると、現行ハードが安定期に入った前年10月に比べて売上ベースで18%の伸びが見られてるの。すごいよね〜。でも、ここで気をつけなきゃいけないのは、ハードとソフトの伸び率の差。

 ハードの伸びは5%にとどまっていて、ペリフェラルに関しては8%マイナスになっている。その一方でソフトの売上は35%の伸び。つまり、ゲーム市場はソフトウェアが牽引しているの。つまり、「新規でゲーム機を買う人は増えていないけど、ゲーム機を持ってる人はソフトを積極的に買っている」ってことなのだね。もちろん現行機がひと通り出回ったって考え方もできるけど、景気の悪い時に高価なハードがバンバン売れるってのも考えにくいよね〜。

 ってことで、ゲーム市場は相変わらず伸びているのだ。特にソフトウェアはますます堅調に。では、なぜ景気が悪いのにソフトは売れるんだろう? と考えてみると、旅行に20万円かけるよりは安いし、それでいて家族で楽しめるし、持っているハードは有効に使えるし、ってことなんだろうね。ハードでは、Wiiがダントツに売れている、と言う状況を鑑みると、ファミリーや友人たちと家で楽しめるパーティゲーム用のハードが好調って意味ではうなずけるよね。

 映画に家族4人で出かけたとしても結構なお金になるでしょ? ゲームの方が購入金額(ゲームソフトは高くても1本6000円くらい)と楽しめる時間を考えるとコストパフォーマンス的には高いわけで、日本でもバブルがはじけたときにゲーム市場は打撃が少なかったと言われているのね。外出せずに、お金を大きく使わず、家の中でコンパクトに娯楽を楽しむことができる、ってことでむしろ歓迎されているエンターテインメントなのかもしれません。ズバリ、市場は冷え込んでいませんよ〜。

ゲーム業界はどうなんだ?

 ところが、業界では不穏な空気が漂っているのだ。何でだ? 市場も伸びていて不況もどこ吹く風なのでは? な〜んて思いがちですけど、実はゲーム業界をとりまくいろいろな問題がなんとなく閉塞感を発しているのは間違いないのだ。

(1)リテイラーの買い控え

 リテイラーとはつまり販売する小売店のこと。ゲーム業界で言うと、Target、WalmartなどのGMS(大型スーパー)、Best Buy、Fry'sなどの家電量販店、GameStop(だいぶ前に同業のEBと合併)などのゲーム専門店に分けられるのね。GMS→家電量販店→ゲーム専門店、後ろに行くにしたがってゲーム専門性が高くなるので、品揃えなどで大きな差が出ますけどね。

 どんなゲームタイトルもひと通りあるといわれるFry's。日本で言うとソフマップみたいな感じかしら? ものすごく広いです。奥行きが伝えられないのが残念。

 同じような家電量販店でBestBuyというのがあるんですが、ここはFry'sほど品揃えはよくありません。あくまでも家電屋さんなので、かなりピックアップされたものしか置いてませんの。


 世の中の不況を受けて、各リテイラーのバイヤーは在庫リスクを避けたいという単純なアイデアで「売れそうもないものは仕入れない」という方向に走っている様子。このバイヤーさんたち、必ずしもゲームソフトマーケティングのプロフェッショナルとは限らない(特にGMSや家電量販店ではね)ので、アンパイのみってことも多くて、せっかくユーザーが買いに来ても限られたタイトルしか置いてないってこともよくあるの。

 せっかく市場は盛り上がってるのに、中堅以下のタイトルだと棚にさえ置いてもらえない、という悲劇的な状況がさらに加速している(もともとその傾向はあったのでね〜)。特に年末商戦に向けて200タイトルを超えると言われているニンテンドーDSタイトルなんぞ、棚の争奪戦は必至(必死でもある)でしょうなぁ。

 これって、ユーザー向いてないっていうか……。これだけユーザーはタイトル購買意欲があるのに、店に行ったら「あれ、売ってない」って状況を作るわけで、市場がせっかく大きくなってるのに台無しではないか。そんなこんなでメーカーも市場が伸びているからって安心できない状況が続いているわけですね。

(2)開発費高騰と資産価値低下

 現行機に移行するときからそもそもの問題点として、開発費が高騰している(旧世代の数倍〜数十倍)のに、ソフト単価はそれほど上げることはできないってジレンマの下、メーカーは販売強化に加えて、プロジェクト横断ができるツールやエンジンを駆使して何とか1タイトル当たりの開発費を下げていく努力をしてきているのね。ただ、そうそう簡単に高騰した開発費を抑えることは難しく、大きなタイトルにしかお金と人員を避けないというハリウッド化が進んでいるってのはだいぶ前にお伝えした通り。

 さらに前述したように、株価の急激な下落によって各メーカーのみなし資産が目減りしてしまって、投資が資本・資産に対して大きな負担になっているように見えてしまうのだ。ちょっと難しいかなぁ。例えば、1株100円の会社が500株を発行していたとして資本の価値は5万円だけど、株価が50円になってしまうと2万5000円の価値に目減りしてしまうってこと。また、固定資産として持っていた不動産価値が500円だったのに、250円に値下がりしてしまったら、この会社の財産価値が下落したってことでしょ? これが含み資産の目減り。いずれにしても、会社としては何も変わってなくても(実はキャッシュフローは円滑だったりする)、何となくイケてない感じになるのだ。

 メーカーとしての経営では、これら資本や資産に対しての投資額ってのが検討されることになるんだけど、ゲーム開発はまさにこの「投資」になるわけで、資産が減っているなら投資も控える、って流れになるのだ。

 実際にTHQが11月の頭に傘下のゲーム開発会社5社(Paradigm Entertainment、Mass Media、Helixe、Locomotive Games、そしてSandblast Games)を一斉に閉め、Rainbow StudiosとJuice Gamesの2社に関しては大幅なリストラ(解雇)をしたの。

 また、EAがワールドワイドで6%の人員削減を行うと10月末に発表したの。世界各国でEAで働く9000人の6%ってことなので約540人ってことなんでしょうけど、一時、1株60ドルを超えていたEAの株価は現在27ドル前後まで落ちたことを考えると、やむを得ない決断だったと言う人もいるくらい。

 ま、EAもTHQもタイトル自体の調子が良くないのもあるんだけどね。それにしても、これらのリストラの風潮が続くのか、それとも市場が押し上げてゲーム業界に活気をもたらすのか。希望的には後者ですけどね……。

 でも、経営上のみなし資産が減ったからと言って、キャッシュフローが悪いわけではないはずで、使える現ナマ(お金)は潤沢にあるのだ。ぜひ、これを投資に回して欲しいもんだけどなぁ。残念なことに投資に失敗して株主に怒られるくらいなら、銀行に寝かして金利をつけたほうがいいかもしれないってことみたい。うぬぬぬぬ、つまんないことになってるなぁ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/06/news020.jpg 柴犬「友達〜!!!」 お母さんの寝坊で散歩が遅れた柴犬、ワン友に会えず……→怒りMAXの拒否柴発動に母「スマン……」
  2. /nl/articles/2311/06/news041.jpg 素潜りでイソマグロを突いたら海に引きずり込まれ…… 水深25メートルの激闘が100万再生「怖い」「磯のダンプカー」
  3. /nl/articles/2311/05/news045.jpg カナダ留学中の光浦靖子、得意の手芸でまたしても力作を生み出す 「クオリティ高すぎ」「もープロですね」
  4. /nl/articles/2308/06/news018.jpg 柴犬がプールからあがろうとした瞬間……! 「何回見ても爆笑」「好きすぎる」コントのようなずっこけハプニングが発生
  5. /nl/articles/2311/06/news047.jpg 隣家にいった飼い主、ふと視線を感じると柴犬たちが……? じーっと監視するワンコきょうだいの圧に爆笑
  6. /nl/articles/2311/06/news117.jpg 「スト6」フランス大会決勝、モニターにペンキで中断 環境団体乱入で
  7. /nl/articles/2311/06/news068.jpg 村重杏奈の“最強遺伝子”な弟、7歳バースデーお祝いに黄色い声 姉とうり二つな姿に「幼さが抜けて更にイケメン」「可愛いしカッコイイ」
  8. /nl/articles/2311/04/news008.jpg 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. /nl/articles/2311/04/news016.jpg 突然現れた痩せて汚れた野良猫、「ごはんくだちゃい」と訴えてきて…… 距離が縮まっていく姿に「涙が出ます」と100万再生
  10. /nl/articles/2311/05/news052.jpg 「ここはあんたが座る席じゃないよ」 末期すい臓がんの叶井俊太郎、優先席に座るも高齢者から非難 妻・倉田真由美が明かす
先週の総合アクセスTOP10
  1. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  2. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  3. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!
  4. 「BreakingDown」出場の元プロボクサー、5人から一方的に暴行される 顔面数針縫うも「私は1発も攻撃してません」
  5. 「頭が大きい」「普通ではない」 パリス・ヒルトン、9カ月長男の受診勧めるコメントにぴしゃり「世の中には病んでる人がいるみたい」
  6. 「最期の最期まで闘って」 元「妄想キャリブレーション」水城夢子さん、27歳で病死 2年前には“しばらく療養が必要な病状”で休止
  7. 3児の母・杏、異次元スタイルのパンツスーツ姿が衝撃的 目を疑う脚の長さに「身長の半分股下」「えっ! 本当!? っと思っちゃうくらい」
  8. 志穂美悦子、68歳バースデーに鍛えられた筋肉バキバキの肉体美披露 「いろいろやりたいことがある」「まだ見ぬ自分へ」
  9. 柴犬と父のやりとりに「20分これ見て爆笑してます」「気持ちよすぎるいい返事」 お笑いコンビを超える関係性が100万再生
  10. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!