お隣の国のゲーム市場を覗き見る――TAIPEI GAME SHOW 2009リポート前編:TAIPEI GAME SHOW 2009(2/2 ページ)
続いてWayi International Digital Entertainment(華義)ブースでは、同社開発のMMORPG「81Keys Online」ほか、日本でもサービス中である「熱血江湖Online」や、台湾海兵隊コスチュームが追加されたFPSの「SPECIAL FORCE」など他社開発のパブリッシングタイトルが併せて展示されていた。いずれも数台のデモ機が用意されていたが、午後4時を過ぎてもほとんど空席がなく、いつも誰かが試遊を楽しんでいるという盛況ぶりが目立った。
IGSがムービーとアイテム配布、ステージイベントのみでPRしていた中国ファンタジーモチーフのMMORPG「預言Online」は、上海のデベロッパ暴雨信息科技(STORM Entertainmen)の作品で、大陸中国では2008年5月にオープンβテストが実施され、8月には正式サービスに漕ぎ着けている。台湾では4月中にオープンβテストまで進む予定とのことだ。タイトルにある「預言」とは、作品のストーリーが、神様の預言に沿って進むという趣向の産物らしい。ゲーム内には5か所の城が設定され、ギルドによる攻城戦がウリの一つになるそうだが、Realm(国、民族、種族など)の設定はなく、あくまでギルドを最大の単位とするコンテンツのようだ。
目立ったブースと作品の最後に、ぜひお伝えしたいのがiPlayer(愛玩家)のMMORPG「殺Online」だ。英語名でもそのままKill Onlineと、何だかえらい物騒な名前である。その一方で、会場内で配られているノベルティカレンダーや、ブースに飾られたのぼりには、胸の谷間もあらわなセーラー服やナース服を着た女性の写真がアップで使われている。キャッチコピーは「殺しまくれ! 殺すのに銭はいらぬ」といった意味の煽り文句だ。お色気たっぷりのプロモーションと人目を引くタイトルに、「もしやこれは脱衣PvPなどという新しいジャンルでは!?」とあらぬ想像をして試遊台に乗り込んでみたのだが……蓋を開けてみれば、殺Onlineはごくごく普通の三国志をテーマとしたMMORPGであった。専用エリアを利用したPvPシステムもあるらしいが、今回はゲームショウ用の特別βバージョンゆえにPvPは体験できなかった。
そのようなゲーム内容に対して「なんでセクシーなプロモーションを?」と問うてみたところ、PvPや攻城戦などのコンテンツを楽しむのは男性プレイヤーがほとんどであり、そういったプレイヤー層を対象としたアイキャッチが目的という、ある種実もフタもないお答え。「殺」の字を書いた布袋を顔にかぶって会場を練り歩いていたスタッフの姿も含め、分かりやすいんだか分かりにくいんだかさっぱり分からない、ステキPRであった。
以上、ごく一部の例外を除き、会場で注目すべき作品について、まずはリポートをお届けした。台湾ゲーム市場の分析は、主として次の記事でお届けしよう。
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