“宇宙最強”のゲーミングノートPC「Alienware M17x」を試す:OC×SLI×SSD RAIDも可(1/2 ページ)
ただのPCには興味ありません。この中に宇宙人のPCを持っている人がいたらわたしのところに来なさい、以上。というわけで再び編集部に飛来した「M17x」、今度は光るぞッ。
Alienwareが日本へ侵攻
ゲームに特化した高性能PCの多くは、基本的に大型のデスクトップ筐体を採用している。最新の3Dゲームを本格的に楽しめるだけの処理性能を求めると、発熱量の大きなCPUやGPUを搭載しやすく、かつ柔軟な排熱設計をとれる大型筐体はいわば必然の選択だ。しかし、そんな“地球人の常識”にとらわれず、あえて冷却性能と実装面積に制限があるノートPCで最高峰のゲーミングPCを追求した製品も存在する。それがAlienwareのブランド名を冠する“宇宙最強のゲーミングマシン”――「Alienware M17x」だ。
欧米のトップゲーマーたちから支持を集めるAlienwareの製品は、2006年に同社がデルに買収された後も、デルの製品ラインアップには組み込まれず、独立した別系統のブランドとしてリリースされてきた。これまで米国を中心とする6カ国で販売されるにとどまっていたのは、競合するゲーミングPCブランドとしてデルがすでに「XPS」シリーズを展開していたことも理由の1つだろう。しかし2009年6月、ついにAlienwareブランドは雌伏の時を終え、日本を含む世界35カ国へ向けて侵攻を開始した。このAlienware M17xはその第1弾であると同時に、デルとAlienwareの開発部隊が共同でリリースした初の製品でもある。
前回紹介したM17xの試作機は、残念ながらイルミネーション機能が動作せず、その魅力を十分に伝えることはできなかったが、今回は完動する量産試作機を入手することができた。早速その使い勝手や性能を検証していこう。
攻撃的な雰囲気をまとうボディとSF映画を思わせるイルミネーションの演出
M17xには2種類のカラーリングが用意されている。前回取り上げた「ソーサー・シルバー」は、外装を銀、液晶ディスプレイとキーボードを黒で塗り分けた宇宙船(というよりは宇宙戦艦か)のようなデザインだったが、今回の機体は漆黒の「スペース・ブラック」だ。ただし、外装すべてが同じ黒で統一されているのではなく、アルマイト加工を施したツヤ消しのブラックを基調に、液晶ヒンジ部付近は蜂の巣状に凹凸をつけたラバー、ボディ前面の両脇に搭載されるスピーカー回りは光沢感のあるブラックが採用されている。一見すると質実剛健な印象のあるM17xだが、吸気口のある底面奥と排気口のある背面に金属製メッシュをはめこむなど、細かく見れば各部に意匠が凝らされており、攻撃的かつ近未来的なデザインだ。
その独創的な外観を最も象徴しているのがイルミネーション機能だろう。M17xはボディ各部にLEDが埋め込まれており、光の色をユーザーがカスタマイズできる。発光するのは天板のロゴ、液晶ヒンジ部のALIENWAREネーム、電源ボタン、メディアコントロールボタン、キーボード、タッチパッド、スピーカーの7つで、キーボードは4つに分けられたゾーンごとに別の色を指定可能だ。さらに天板ロゴと電源ボタンとして埋め込まれたエイリアンの顔は、システムの状態によってゆらゆらと光り方を変え、HDDアクセス時には目の部分が発光する。なんとも派手な演出だ。電車の中や喫茶店でM17xを使えば注目の的になるのは間違いない(それこそ宇宙人でも見るような目つきで眺められる可能性が高いが)。
もっとも、M17xのボディサイズは406(幅)×321(奥行き)×51.3〜53.6(高さ)ミリ、重量が約5.3キロと非常に巨大で、携帯しての利用は考慮されていない。小型PCを思わせるACアダプタも重量が約978グラム(ケーブル込み)と重く、本体とあわせると重量は6キロを超えてしまう(ちなみにデルのスリムデスクトップPC「Inspiron 545s」の重量は約7.3キロ)。もちろんノートPCなのでバッテリー駆動も行えるが、LANパーティのような文化になじみが薄い日本では、M17xを持ち歩く機会はまずないだろう。
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