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「MMOを開発してはいけない10の理由」IGDA開催
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2003年4月19日 |
本日(4月19日),東京のデジタルハリウッド本校にて「IGDA 東京・第4回ゲーム開発者セミナー」が開催された。
このセミナーは,International Game Developers Association (国際ゲーム開発者協会) 日本支部が主催する開発者向けのセミナー。4回目となる今回は,今年3月に開催されたGame Developers Conferenceの結果をもとにセミナーが開催されたのだ。
まず,GDCで「海外ゲームを日本でヒットさせる秘策」を講演したSCEJ長谷川亮一氏は,実際に会場で流した映像などを用いてGDCでの講演のポイントを説明。
長谷川氏によると,「日本市場の特異性」「マンガ・アニメの影響」「日本市場向け追加要素」など,説明した数多くのポイントのうち,一番観客から反響が大きかったのは「3D酔いについて」。3Dアクションゲーム「スパイロ・ドラゴン」日米版のカメラワークの違いを例に取り,「日本ではジャンプするときにはカメラを固定する,などの処置をとった」ことを映像で説明,公開したメールアドレスには今でも「アドバイスが欲しい」と書かれたメールが海外から寄せられるとか。
そして新清士氏からは,「GDC2003にみるネットワークゲームの未来」と題された講演が実施。北米のネットワークユーザーがMMORPGで100〜150万人,「メダル・オブ・オナー」など,オプションとして付属したネットワーク機能のユーザーが500万人,コンシューマ機で接続しているユーザーが80万人と「意外に少ない」(新氏)ということが明かされた。
またUOなどに携わってきたゴールデン・ウォルテン氏が導き出した「MMOを開発してはいけない10の理由」も紹介。「あまりに多くの技術に精通する必要がある」「パッケージゲームで通用する経験則がまったく通用しない」「巨大なチームが必要となる」「カスタマーサービスは難しい」など,ネットワークゲーム制作の難しさについても議論が行われたという。
いずれの講演でも共通していたのが,「GDCではゲーム制作のノウハウをオープンに情報交換している」ということ。日本でもゲーム学会が設立されたり,IGDA主催のセミナーが開催されたりと,企業の枠を超えた討論の機会が少しずつ広がり始めているが,「MMOを開発してはいけない10の理由」のようなものを発表・聴講できる場が米国に比べてまだまだ少ないのが実情。今回の報告会を機に,こういう場が日本にも広まることを期待したい。
[SOFTBANK GAMES]
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