ビジネスとエンターテインメントの両立「三國志」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)
シミュレーションゲームはプレー時間が長い。光栄(現・コーエー)の「三國志」を取り上げようと思ったが、プレーしているうちに1日、2日……。原稿を書く時間も少なくなったが、暇を見つけて赤壁まで行ってきた!
孫子の兵法にのっとったシステム
「三國志」には、「三國志II」以降に受け継がれなかったシステムがいくつかある。
例えば、ひと月で1国につき1回しかコマンドを実行できない点(「II」では武将1人につき1回)。
人材登用など、君主しか実行できないコマンドが出しにくく(その国でほかのことができなくなる)、在野武将が順番待ちすることも。
また、火計の効果が「II」以降とは異なる。「II」では火をかけられた部隊は兵士が減るが、「三國志」では兵士は減らない。しかし、次のターンで火から離れないと、部隊まるごと全滅してしまうのだ。
周りを火で囲まれてどこへも進めなくなったら、戦場から退却するしかない。うまく使えば敵軍を一気に減らせるし、守備側にとっては時間稼ぎにもなる。強力な攻撃手段なのだ。
火計という攻撃方法があるのは、孫子の兵法で重視されているからだろうか。孫子では火攻めの利点とその方法が、「火攻篇」(火陳篇)という独立した章になっている。
考えてみれば、“領国経営がおろそかになれば戦争もままならない”というのも、孫子はじめ中国の兵法書にのっとったシステムだ。
三国時代には兵法が重要視されていた。三国志の曹操は、孫子の注釈を書いたことでも知られる(後世に伝わっている孫子は、曹操が注釈を書いた魏武帝註孫子が基になっている)。
「三國志II」では、外交戦略や策略など兵法的な側面が、さらに強くなってくる。次回は「三國志II」と中国の兵法について、書いてみたいと思う。
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