独断と偏見で選ぶ! 2011年、ゲーム業界今年の11大ニュース年末特別コラム(2/5 ページ)

» 2011年12月27日 10時38分 公開
[鴫原盛之,ITmedia]

3:任天堂、SCEが新ハードを発売

 2月26日に任天堂がニンテンドー3DSを、12月17日にはソニー・コンピュータエンタテインメントがPlayStation Vitaの新ハードをそれぞれ発売しました。

 裸眼でも立体映像が気軽に楽しめることをウリとして登場したニンテンドー3DSですが、本体およびソフトの売れ行きは以前のニンテンドーDSほどの勢いはなく、さらには円高による為替差損の影響も重なったことによって、任天堂は2011年度の通期予想で200億円の赤字を見込むことに。

 さらに7月28日には、岩田社長の名前で「ニンテンドー3DSを購入頂いた皆様へ」と題した異例のお詫びのあいさつを全ユーザーへおしらせリスト宛に送信し、8月11日からは本体価格の1万円の値下げを断行しました。同時に、既存のユーザーには「アンバサダー・プログラム」と名づけた無料ダウンロードコンテンツ(バーチャルコンソールにて配信するソフトの提供など)をプレゼントする対応を実施したのも記憶に新しいところです。

 筆者も「無料お詫びコンテンツ」をダウンロードしましたが、これだけで本体の差額1万円分の補てんをしてもらった気分になれたかと言えば、その答えは「NO」であるというのが正直なところです。いただいた個々のソフトが面白いのは確かなのですが、「スーパーマリオブラザーズ」や「アイスクライマー」などのファミコン時代のゲームばかりでは、筆者のように過去さんざん遊んだ経験がある人にとってはまるで新鮮味がありません。

 同じ補てんをするのであれば、思い切ってユーザーに好きなパッケージ版のソフトを1、2本を無料で配るぐらいのサービスをしたほうがずっとよかったのでは、と言ってはちょっとぜい沢過ぎでしょうか? また、「アンバサダー」などと子どもどころか大人にも分かりにくい単語をつけたのも疑問でした。「無料お詫びコンテンツ」などとシンプルに書いたほうが、ユーザーに対してより誠意が伝わったのではないかという気がしてなりません。

 現在は「スーパーマリオ3Dランド」「マリオカート7」「モンスターハンター3G」などの人気ソフトが相次いで登場したことで、本体の売上も伸びて国内出荷台数は現在400万台(エンターブレイン調べ)を突破。2012年以降も、3DSというハードならではの特性を生かした今までにない面白いゲーム、あるいはコンテンツがたくさん登場することを期待したいものです。

 一方のSCE陣営のPS Vitaですが、初週の販売台数は32万5000台(メディアクリエイト調べ)。自社ブランドも含めて多数のローンチタイトルを投入しましたが、こちらも各地で売り切れ続出のフィーバーを起こすまでには至らなかったようです。

 私見ではありますが、3G/Wi-Fiモデルの本体が約3万円、いっしょにソフトも買うと4万円近くの出費になるのは正直「高い」というイメージを多くの人が持ったのではないでしょうか? また、PS Vita本体のWi-Fiモデルと3G/Wi-Fiモデルとでは具体的に何が違うのか、SCEの公式サイトを見ただけではすぐに理解できず買いにくい印象を受けました。さらに3G/Wi-Fiモデルについては事務契約手数料がかかったり、通信料金プランでは毎月いくら払う仕組みになっているのか、あるいは「初回限定版」と「限定版」との違いはいったい何なのかなど、ユーザーから見るとどれを選べばいいのかが非常に分かりにくい気がしてなりません。このような状態では、「そのうちまた本体が値下げするから、そのときまで様子を見よう」などとユーザーに買い控えられてもしかたがないように思えます。

 それから両ハードに言えることなのですが、ローンチタイトルの段階で旧ハードからの続編タイトル(ゲーム)が非常に多いのも筆者としては不満でした。特に資金力のある大手メーカーにおいては、新ハードならではの面白さが体感できるオリジナルタイトルをもっと開発し、とりわけ新規ユーザーの取り込みにチャレンジしていただきたかったです。

4:大手メーカー各社がソーシャルゲームの売上を拡大

 日本オンラインゲーム協会(JOGA)の調査によると、2010年の国内のオンラインゲーム市場規模は1329億円、ソーシャルゲーム市場が1036億円とのこと。いわゆるソーシャルゲームの市場が拡大するにともない、今年は特に大手ゲームメーカーがソーシャルゲームおよびPCや携帯向けのネットワーク対応コンテンツの売上を伸ばしたことも見逃せないでしょう。

 象徴的だったのは、「ドラゴンコレクション」「Jリーグドリームイレブン」「プロ野球ドリームナイン」など立て続けにヒット作を出しているKONAMI。2012年度第1四半期のソーシャルゲームの売上高が78億円、家庭用ゲームソフトが77億円と初めてゲームソフトの売上を上回りました。「100万人」シリーズでおなじみのコーエーテクモゲームス(コーエーテクモホールディングス)も、2012年の第1四半期でオンライン・モバイル事業のセグメント利益が2億8400万円と、ゲームソフト事業の3億1000万円に迫る勢い。売上高はそれぞれ14億400万円、46億3000万円ですから、ソーシャルゲーム系の利益率の高さが際立っている点も見逃せないポイントですね。

 さらにmobageのDeNAはスウェーデンで現地法人の設立やベトナムのゲーム開発会社買収発表し、グリーは全世界で7500万人のユーザーがいるSNS運営会社を買収するなど、来年度はソーシャルゲームの海外展開がさらに加速することが予想されます。近年は家庭用ゲームソフトの海外シェア争いで苦戦が続く感がある日本のゲームメーカーですが、ソーシャルゲームで巻き返しを図ることができるのかにも注目したいところです。このあたりはぜひ、「くねくねハニィ」さんの次回のコラムで取り上げていただきたいところですね。ぜひとも取材よろしこ(あ、パクッちゃった)!

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