ミクゲーの到達点か 「ミクフリック」にセガのミクさん愛を感じた:ナニコレ
お馴染みの人気曲に合わせて、流れてくる歌詞をフリックで入力していく。一風変わった音楽ゲーム「ミクフリック」で遊んでみた。
3月9日の「ミクの日」に配信された、セガのiOS向けアプリ「ミクフリック」が人気だ。3月13日時点で、App Storeの有料ランキング(総合)では第3位、ゲームカテゴリ内では堂々の第1位に輝いている。
筆者も早速ダウンロードして遊んでみた。ジャンルはいわゆる音ゲーで、ミクさんが歌う歌詞に合わせて、タイミングよくフリックで文字を入力していく。全部の歌詞を入力する必要はなくて、要所要所で流れてくる、光っている文字だけでOKだ。
フリックで歌詞を入力するということは、単純に考えてボタンも50音分あるということ。最初は「無理!」と思ったのだが、いざプレイしてみると意外にすんなり遊べたのには驚いた。歌詞が流れてくると同時にボタンが光り、フリックが必要な場合はさらに矢印マークで方向を教えてくれる。フリック入力ができるに越したことはないが、できなくても全然OK。むしろフリック入力をこれから練習したい人にオススメしたいアプリだ。
一方、音ゲーとして見ると、フリック入力のせいで気持ちよさが削がれている部分もちょっとある。フリックというのは「タッチ」「スライド」「離す」という3段階のアクションで構成されているため、判定がどこで行われているのかが分かりにくい。本作の判定はかなり広めに設定されており、プレイに困ることはないが、やはり遊んでいて多少のモヤモヤ感は残る。最近はタッチ操作で遊ぶ音ゲーが増えてきたが、僕が知る限り、この「フリック・モヤモヤ問題」についてちゃんと取り組んでいたのは「リズム天国ゴールド」だけだ。
あくまで「歌詞」を入力させるというのも、他の音ゲーにはない特徴だ。ついでに言うと、PSPの「初音ミク -Project DIVA-」、3DSの「初音ミク and Future Stars Project mirai」も、文字こそ入力しないものの、譜面は基本的に「リズム」ではなく「歌詞」に合わせて作られている。音ゲーの譜面は普通、メロディよりリズムに合わせた方が叩いていて気持ちいいのだが、あえてそうしないのはスタッフのこだわりなのだろう。
歌詞に合わせて音符が出てくるから、曲や歌詞を知らないと、どのタイミングで叩いたらいいかが分かりにくい。しかし何度もリトライを繰り返し、曲や歌詞が頭に入ってくると、自然に叩くタイミングが分かってくる。曲を好きになることがそのままゲームの攻略に直結しており、「ゲームを通じて、ミクや曲を好きになってほしい」というスタッフの思いの現れではないか、と個人的には思っている。
その流れで行くと本作は、ある意味セガが取り組んできたミクゲーのひとつの到達点と言える。今まではメロディさえ覚えれば攻略には充分だったが、本作では「歌詞」まで覚える必要がある。ハードモードを楽々クリアできるようになる頃には、きっと、そらでその曲を歌えるようになっているはずだ。
収録曲は全12曲(+α)。それぞれ3段階の難易度があり、クリアするたびに新たな曲、難易度が開放されていく。曲も背景CGもすべて「初音ミク -Project DIVA-」からの使い回しなのがちょっと残念だが、いずれも「ド定番」の曲ばかりなので安心感はある。1曲100円と考えれば1200円のモトは充分にとれそうだ。
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