ようこそ新たなる狩猟の世界へ――「モンスターハンター4」体験プレイリポート:TGS2012
全国のハンターの皆様、お待たせしました! 東京ゲームショウ2012の目玉と言っても過言ではない「モンスターハンター4」をひと足早くプレイしてきたので、へっぽこプレイとともに新たな狩りの世界がどうなっちゃってんのか? をお伝えいたします。
自称熟練ハンター、幕張メッセに降り立つ
東京ゲームショウ2012カプコンブースでは、注目の新作「モンスターハンター4(以下、MH4)」がプレイできる〜〜〜っ! というわけで、通称“無印”と呼ばれた初代「モンスターハンター」から3DSの「モンスターハンター3G」まで、ずーっと狩りを続けてきた自称熟練ハンター(筆者)が、「新しいモンハンの実力とやらを見せてもらおうかっ」とばかりに、カプコンブースに駆けつけたのだった。
今回のプレイアブルコーナーでプレイできるのは3つのクエスト。初級者向けのドスジャギィ討伐、中級者向けのケチャワチャ討伐、そして上級者向けのティガレックス討伐だ。いずれもフィールドは新フィールドである“遺跡平原”。来場者はシングルプレイ、マルチプレイのいずれかを選択してプレイすることになる。制限時間はシングルプレイ、マルチプレイともに15分。これまでの「モンスターハンター」シリーズの試遊コーナーでは使える武器が限定されるというケースもあったが、今回は新武器“操虫棍”を含む全13種から自分の武器を選ぶことができる。
筆者はまずシングルプレイを試してみることにした。「どうせ1人でやるのなら……新しい敵! 新しい武器! にチャレンジしたい!」というスタンスで、必然的にケチャワチャ討伐を選択。武器はもちろん操虫棍を選択した。
初めて尽くしのドキドキハンティング!
新フィールドに心躍りつつ、操虫棍の操作を模索する筆者。誰もいないエリアで虫を飛ばそうとしてみたが、操虫棍使いが飛ばす“猟虫”は、そういえば大型モンスターから何かエキスをいただくんだったっけ! と気がつき、ケチャワチャの元へと向かうことにした。ちなみにシングルプレイではオトモアイルー2匹を率いてプレイできる。オリバーとサンチョという頼もしい仲間とともに遺跡平原を進んだ。
初めて出会ったケチャワチャは奇猿狐の異名にふさわしい猿とも狐ともとれる不思議な風貌をしていた。極彩色の体と大きな耳が特徴的だ。ケチャワチャとの遭遇だけでなく、操虫棍も遺跡平原も初めて、そして高低差のある立体的な狩りも初めて……何もかも初めて尽くしじゃないか! ってそりゃそうだ、慣れ親しんでいるモンハンとはいえ、今回はナンバリングが改まった新作MH4なのだから。
基本操作に慣れているとはいえ、初めてのプレイは楽しくも緊張するもの。フィールドには細かく段差があるのだが、それらは普通に移動するだけでエイヤッと乗ったり降りたりしてくれる。段差を使ったジャンプを利用して大型モンスターに“しがみつき”からの攻撃ができるという新要素があるのだが、なんと操虫棍の場合、棍の長さを利用して段差のないところでも跳躍(ジャンプと同様のアクション)ができるのが面白い。
また、操虫棍の要でもある“猟虫”は大型モンスターにくっつけてエキス採取をすることで攻撃強化、防御強化などさまざまな恩恵を受けることができるユニークなシステムだ。動きの速いケチャワチャに最初はなかなか猟虫をつけられなかったが、慣れるとしっかりエキスをとることができるようになった。操虫棍は近接武器だが、猟虫を飛ばす操作には飛び道具的なニュアンスがあるので、プレイ感覚も新鮮で楽しい。また、操虫棍の“棍”としてのプレイ感覚は既存の武器で言うと太刀に似ている印象を受けた。武器によるガードはなく、XボタンとAボタンの組み合わせで斬り上げ、突き、なぎ払い、飛び込み斬りなどを連携させることでモンスターを攻撃する。
不慣れな武器で立ち向かう筆者を嘲り笑うかのようにケチャワチャはトリッキーな動きを繰り出す。天井のツタに足をひっかけて逆さ状態で攻撃してきたり、直線的ではないステップで翻弄したり、突然大きな耳を閉じ顔を隠すような形態に変化したり、とにかく動きや変化が細かくも素早く、落ち着きがない。何度かのエリア移動の後、ようやく“疲れ”状態になったので「どららら〜」と攻撃を加えたら特徴的な大きい耳を部位破壊! うんまあそうだよね、いかにも部位破壊できそうな耳だよねと納得しつつ、さらに攻撃を加える筆者だったが、残念ながら15分では討伐できなかった。
おそらく序盤で虫の操作や棍での跳躍(跳躍からのしがみつきはやろうと思ったけど失敗…)などを試してぼやぼやしていたからであろう。だってさ、向かいにいる外国のおじさんは10分チョイでクリアしてたんだぜ! 俺だって本気出せばさ! と少しだけ悔しさをにじませつつ、今度はマルチプレイに挑戦したのだった。
ティガレックスに異変が……! そしてへこむ熟練ハンター
マルチプレイでは心に決めていたことがある。「知らない3人と組むことになるけど『希望クエは何ですか?』って聞かれたら『ティガレックスです!』って元気よく答えるんだ」と。そりゃまあこちらの都合なんで他の人がケチャワチャに行きたいとおっしゃれば「リベンジだ」ってことで挑んだだろうが、筆者が入ったパーティーはどうやら皆さん猛者だったようで「ティガいいですよ」と満場一致でティガレックス討伐が選択された。
ティガレックスと言えばかつて筆者を恐怖のどん底に何度も突き落とした、それはそれは恐ろしいモンスターだ。登場タイトルで言えばしばらくお休みしていたティガレックスさんがMH4でどんな進化を遂げているのか、個人的に非常に楽しみだった。ガードしつつ攻めたいということでランスを選択。いざ新ティガレックス狩りに挑戦!
久々のティガレックスはグラフィックもなめらかに、相変わらずのエグい攻撃力とエグい攻撃範囲で我々ハンターを苦しめる。そうは言っても他の3人も過去作品をやりこんでいるようで、いい感じで攻撃をして少しずつティガレックスの体力を削っていく。「イイネイイネ」とプレイしていたら開幕5分で筆者が突然力尽きることに。「え!ごめんなさい……」「どんまいです!」「早く戻ってきてくださーい」とよく見るやりとりをし、戦線復帰。「いやあそれにしてもガードの固いランスでそんなズドーンって死んじゃうなんて自分どうしちゃったの? 確かにここ数カ月狩りはさぼってたけどさぁ」と反省しつつ、ティガレックスと戯れていると、プレイヤーの1人が段差からティガレックスに飛び乗り、“しがみつき”に成功! 前フリとして我々にガイダンスをしてくれたお姉さんが「私まだしがみつくところを見たことがないんです」なんて言ったもんだから、しがみついた方はちょっとした英雄だ。どよめく4人+お姉さん。そしてプレイしてみて分かったことは、誰かが“しがみつき”をしている間はモンスターが暴れるのだが、そのモーションは当たり判定がなく(もしくは少ない?)、他のハンターはかなり攻撃しやすいチャンスが訪れるということ。“しがみつき”は慣れるまでは難しそうだが、慣れればマルチプレイ時の有効な戦略になりそうだ。
わいわいと盛り上がりつつ10分経過。そこで別の方が力尽きて後がない状況になる。我々はさらにティガレックスを攻撃し、いよいよティガレックスが黒い煙を吐いてくたばった! かに見えた――。「やった。どうにか倒したわぁ」と思ったのも束の間、我々は絶望的な光景を目の当たりにする。
黒い煙を吐いて倒れたティガレックスは最大限に怒っているかのように紫色の怪しい光を帯びながら雄叫びとともに復活したのだ。「わーわーわー何これ!」ってなもんで、おそらくただの怒り状態よりさらにデンジャラスになってしまったティガレックスはやはり強烈に凶暴で、気がつけば筆者は2度目の力尽きを味わい、結果我々は12分過ぎにあっけない幕切れを迎えてしまった。久々のプレイとはいえこのていたらく……自称熟練ハンターが聞いて呆れるってなもんである。まあそこは気を取り直そうということで残りの3分でドスジャギィを狩りに行ったものの、3分はあまりに短く、足をひきずるところまでは追い込んだものの、中途半端にプレイタイムは終了してしまった。
新たな狩りの世界に期待していいですよこれは〜〜!
一応3クエストすべてプレイできたものの、振り返ればすべて中途半端に終わってしまった(しかもプレイ的には足をひっぱってしまった)という事実に打ちひしがれた筆者。「こんなへたれハンターではダメだ! 帰ったらクルペッコあたりから出直してくるか……」と反省することしきりだった。
MH4をプレイしてみて思ったのは、まずはグラフィックのよさ。若干ベタッとしたアニメ的な色調でありながらリアルな質感もあり、本作独特の世界観がよく出ているように思う。あとは高低差を利用した立体的な狩りがこれまでにない新鮮さを感じさせてくれた。同じエリア内でも段差によって攻撃の当たらないところまで逃げられたり、思わぬところで足を踏み外したり、逆に利用して優位に戦えたり……きっと今までの狩りにはない戦略やドラマがMH4には待っているだろう。
続々と発表される新モンスターや続投する旧モンスターも気になるところだ。2013年3月発売でインターネットによるマルチプレイも可能であることも発表された。3月まで待てないっ! という生粋のハンターさんはぜひ東京ゲームショウへ。未知の狩りの片鱗をぜひ味わってほしい。ただし、整理券は早い段階で配布終了になることが予想されるので、プレイしたい方はお早めに!
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