「集まる人、モノ、金がまだ少ない」――FiNC 溝口氏が考えるヘルスケア業界の課題とは
ヘルスケア業界のニュースをチェックできるキュレーションアプリ、「WellnessPost」の提供開始を記念して開催されたイベントで、FiNCの溝口勇児氏らが日本のヘルスケア業界の課題を語りました。
ヘルスケア業界のキュレーションアプリ「WellnessPost」
ヘルスケア業界の注目ニュースを、スマートフォンで手軽に購読できるアプリ、「WellnessPost」の提供開始を記念して、開発したFiNCとクラブビジネスジャパンがイベントを開催しました。
WellnessPostは、経済メディア「NewsPicks」のヘルスケア業界版とでもいうべき機能を持っていて、ヘルスケア分野の専門家や著名人がピックアップし、コメントを付けた記事を素早くチェックできるほか、気になる人をフォローしておけば、その人が投稿したニュースも購読できるという、業界関係者やヘルスケア分野に関心を持つ人は必見のキュレーションアプリです。iOS版の配信は1月28日から始まっており、Android版も開発中とのこと。
開発を手がけたFiNCは、過度な食事制限や運動をすることなく、管理栄養士などからマンツーマンのアドバイスを受けながら60日間で痩せられることがウリの「ダイエット家庭教師」などを提供するベンチャー企業。また、コンテンツ面を中心に協力したクラブビジネスジャパンは、フィットネス業界向けのメディア運営や人材紹介事業などを手がける企業です。どちらもヘルスケア業界で実績を持ち、業界をリードする立場にいることから、イベントは多数の聴講者であふれていました。
このイベントでは、WellnessPostの機能が紹介されたほか、FiNCの代表取締役、溝口勇児氏やNoom Japan代表の宜保陽子氏、カーブスジャパン代表取締役会長兼CEOの増本岳氏らが登壇する「日本のヘルスケアの現状と課題」と題したパネルディスカッションや、リンケージ代表取締役の木村大地氏、ミナケア代表取締役の山本雄士氏、Campus for Hの石川善樹氏による「データヘルスの課題と現状」というテーマでのパネルディスカッションも行われました。
日本のヘルスケアの現状と課題
パネルディスカッションでは、日本におけるヘルスケアビジネスの問題点などが挙げられました。興味深かったのは「日本のヘルスケアの現状と課題」のセッションです。
FiNCの溝口氏は「日本では、ヘルスケア業界に集まる人、モノ、金がまだ少ない」との認識を示しました。少子高齢化や社会保障制度の破たんなど、日本は「課題先進国」などと冷やかされることもありますが、溝口氏は「こうした課題を解決するトリガーがあるとすれば、健康作り」だといいます。
「多くのモバイルヘルスのプレイヤーは、世界と肩を並べられるだけの実力を持っているのだから、ヘルスケアに関心があるなら、その関心を冷まさずに、持っていてもらいたい。ヘルスケアへの関心が、お金や人材を集め、きっとその中からイノベーションが生まれる」(溝口氏)
ヘルスケア市場は巨大なので、「1社が独占するようなことには絶対ならない」ともいいます。FiNCは、さまざまなパートナーと日本の問題を一緒に変えていき、世界でも戦っていきたいとの意気込みを示しました。
カーブスジャパンの増本氏も「マーケットはありそうでまだない」と問題を指摘。行政も悩んでいるといい、マーケティングで需要を掘り起こしていく必要がある、と話していました。「生活習慣を変えなくてはいけない、というのはべき論。そこにはお客様はいないので、ビジネスにならない。お客様は何をしたいか、どうしたら動いてくれるか、というところを考えていくことが重要」といいます。
またヘルスケアビジネスの大きな課題として、「健康管理は継続するのが難しい」点も挙げられます。この問題に対し、Noom Japanの宜保氏は、同社のスマートフォンアプリ「Noomコーチ」の事例を紹介。最大8人の似たようなプロフィールを持つユーザーで自動的にグループを作り、その中でファシリテーターを任命して、メンバー間でモチベーションの維持や動機付けを促す取り組みが奏功しているそうです。Noomコーチが多くのユーザーを獲得し、継続率も高いことから、人と人とのつながりを用意することが、継続には重要で、それがヘルスケアビジネスにも必要なものだと話していました。
溝口氏は「スマートフォンのアプリでも、今後人が介在しないサービスはうまくいかないのではないか」とそれに同意。手間とコストを下げつつ、ユーザーに個別化したサービスとインセンティブを提供し、ユーザー同士が励まし合う、あるいは競争する環境を作ることが継続につながるので、そうした仕組み作りは非常に大切だとの考えを示しました。
FiNCもカーブスジャパンもNoom Japanも、リアルな人と人とのコミュニケーションが存在するサービスを提供している点は共通しています。個別化されたサービスが、簡単に安く利用できて、回りに励ましてくれるような人がいれば、確かにモチベーションを維持して行けそうな気はします。そうして人が集まれば、業界はさらに大きくなるのかもしれません。
まだ課題は多くありつつも、さまざまな人の関心を集めるヘルスケアビジネス。そのホットな話題をしっかりフォローしていくのに、WellnesPostは大いに役立ちそうです。
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