海外で購入したスマートウオッチを日本で使うのは違法?

ガジェット好きなら、海外製の魅力的なスマートウオッチがほしくなることもあるかもしれません。普通にiPhoneやAndroidスマホと連携させて利用できることもあり、購入して使っている人もいるかもしれませんが、電波法違反になる恐れがあるので注意が必要です。

» 2015年03月18日 12時00分 公開
[園部修ITmedia]
Moto 360 Moto 360のような製品も、日本で使用すると電波法違反になる可能性があります

 ウェアラブルデバイスやスマートウオッチなど、スマートフォンと連携するさまざまな製品が話題に上ることも増えた昨今。読者の皆さんの中にも、個性的なモデルを求めて海外からスマートウオッチを個人輸入したり、スマートフォンとBluetoothやWi-Fiでつながるアクセサリを購入して日本に持ち帰ったりする可能性が増えているのではないでしょうか。

 Wi-FiやBluetooth、それにスマートフォン本体の通信機能(LTEなど)は、世界で共通のものなので、海外で販売されている製品でもそのまま使えるものがほとんどです。しかし、「使える」ことと「使っていい」のとは違う問題である、ということは知っておく必要があります。

 日本国内で電波を発する機器を利用する場合、基本的には無線局の免許を受けなくてはいけないことになっています。ただ、例えば携帯電話のようなものは、1つ1つ免許を受けるのは現実的ではないため、同じ規格を持つ無線局には、包括的に免許が与えられます。その免許を受けていることを確認できるものが、技術基準適合証明等のマーク(技適マーク)です。

技適マーク iPhone 6 Plusの技適マーク(左の〒マークが付いているマークがそれです)。画面に表示することも認められています

 技適マークは、日本で普通に購入できる、電波を発する機器には基本的に表示されていて、スマートフォンの画面やバッテリーカバーの内側などに表示されているものを見たことがあるかもしれません。技適マークが付いていない無線機は、電波法上の「免許を受けられない」ものと見なされ、「違法になる」恐れがあるのです。逆に言うと、技適マークが付いている機器であれば、海外で購入したものであっても、日本で使用して問題ありません。

 技適マークが必要な理由は、国ごとに電波利用のルールが異なるため、日本のルール(電波法)にのっとった仕様になっていないと、携帯電話の基地局や消防無線の電波に対して妨害を与えてしまう可能性がある(実際、過去にそういう事例があった)から、というのが建前です。

技適マークが付いていない外国製無線機の多くは、日本で使用するためのルールに従っていません。このような無線機を使用すると、知らずに他人の通信を妨害したり、ひいては社会生活に混乱を来すことになります。

(総務省 電波利用ホームページから引用)

 免許を受けていない機器の場合、電波を出すこと自体が違法なので、海外で購入した技適マークが付いていない機器の場合、日本で電源を入れた瞬間に電波法違反になってしまうわけです。

 免許を受けずに無線局を開設もしくは運用した場合は電波法違反となり、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の対象になります。公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役または250万円以下の罰金の対象になります。

 とはいえ、Wi-FiやBluetoothは世界的に共通化された規格なので、他の無線に妨害を与える危険性は非常に低いのも現実です。また、携帯電話やスマートフォンの場合、国際ローミングといって、外国人が海外で使っているものをそのまま持ち込んで利用することが認められているケースもあります(日本人が海外へスマートフォンを持っていって使うのも同じことです)。

 外国人が持ち込む機器に、技適マークが付いているとは限りませんし、それをいちいちチェックする方法はありませんので、例外的に認められているものですが、電波法の抜け穴ともいえます。ちなみに携帯電話やスマートフォンの場合、海外の通信事業者のSIMが入っていればローミングと見なされるそうです。

 現実と少々隔たりがある電波法ですが、現状は「技適マークのない機器を使うと違法」であることには変わりありません。法改正には時間がかかると思いますが、省令による規定の追加など、状況が早く変わることを願ってやみません。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/24/news088.jpg ヤフオクで出品されていた「20万円の引退品」→開封すると…… “まさかの中身”に賛否 「ゾッとしたわ…」「しゃーない」
  2. /nl/articles/2412/25/news115.jpg 辻希美&杉浦太陽、家族6人でクリスマスに豪華料理 長女・希空が作った“プロ級のケーキ”も…… 「凄くいい時間だった」
  3. /nl/articles/2412/24/news092.jpg 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  4. /nl/articles/2412/24/news037.jpg 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/25/news152.jpg 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
  6. /nl/articles/2412/23/news078.jpg そば屋の看板のはずが…… 雪で“別の店”みたいになってしまった光景が北海道の豪雪のすさまじさを物語る
  7. /nl/articles/2412/25/news009.jpg 若かりしころの父と母→36年後…… 苦楽をともにしてきた“現在の姿”に「泣いた」「本当に素敵」と1700万再生突破【海外】
  8. /nl/articles/2412/23/news025.jpg 幼少期から“ディズニー”大好きな2人→25年後…… まさかまさかの“現在”が話題 「映画のワンシーンのよう」
  9. /nl/articles/2412/25/news021.jpg 大型ワンコが猫に育てられた結果…… 驚きの行動連発に「自分を猫だと思っていないっw?」「かわいすぎる!」
  10. /nl/articles/2412/24/news156.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」される夫婦の苦悩……“年の差33歳差”カップルに反響【個性的なカップル特集2024】
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  3. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
  5. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  7. 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  8. 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
  9. トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  10. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」