サウナは週5回、本場仕込みです――Webブラウザ「Vivaldi」開発企業COO・冨田龍起さん
超多忙の「周りが放っておかない人」に、健康上気をつけていることをインタビューする本連載。今回は注目の新型Webブラウザ「Vivaldi」開発元のCOOである冨田龍起さんにお話を伺った。
どんな世界にも「周りが放っておかない人」というのが存在します。周囲を巻き込む能力が高く、常にいくつもの仕事を抱えていて、それでも忙しそうな素振りは見せずに遊びにも全力で取り組んでいるように見える人たち。本連載では、そんな「引っ張りだこな人々」に、普段の生活習慣や健康のために意識していること、毎日を自分のペースで過ごしていくコツについてお聞きしていきます。
今回お話を伺ったのは、「Vivaldi Technologies」のCOOであり、創業者の一人でもある冨田龍起さん。Vivaldiは、Operaブラウザの元CEO達が作ったパワーユーザー向けWebブラウザです。本社がオスロ(ノルウェー)にあるため、北欧への出張が多いそうですが、寒冷地に行きまくっていて風邪を引かないんですか?
- →連載「“引っ張りだこな人々”の習慣」過去記事はこちら
ボストン、オスロ、アイスランドを行ったり来たりの激務
――移動距離と頻度がハンパないですが、いったいどうやって体調管理を?
意識して運動することを心がけていますね。飛行機で現地に着いたら、ちょっとでもいいからジョギングするんです。真夜中に着いたらさすがに無理ですが、明るい時間であれば2〜3キロ走ります。
ペースはゆっくりです。時間にして20分ほどですけど、これをするとその日の寝付きが良くなるんですよ。滞在先の周辺環境とかもチェックできて一石二鳥。で、その後にビールを飲みます。カロリーを取り戻してしまいますけど、気にしません。
――食事で工夫されていることは。
肉は少なめにしているかな。魚と野菜中心の食生活をしています。肉を食べると、胃がもたれるんですよ。単に年齢のせいだけなのかもしれませんが(笑)。今39歳ですけど、5年くらい前から食べるものを意識していますね。
あとは、野菜スープを食べます。消化にいいし、胃に負担がかからないし、でも栄養がありますからね。ときには深夜に到着して、それもで何か食べたほうがいいときは、だいたいスープですね。カフェ的な“一人で入っても場違いじゃない感じ”のお店を選びます。ちゃんとしたレストランに入ってスープしか注文しないってのもナンですし。カフェなら気兼ねなく軽食できます。
それと、ビールを飲みます。
北欧のお寿司はファンキーな味がする
――自宅では自炊派ですか。
妻が用意してくれます。私は食材にはこだわりがなくって、「これを欠かさず摂取する!」とか「これだけは絶対に口に入れない」という厳しいルールはありません。カロリー計算はしないし、気にもしないですね。健康な食事を意識はするけど、スタンスはゆるいというか、気軽。やっぱり、食事はおいしいかおいしくないかも大切じゃないですか。
そうそう、家にいるときはよく家族でバーベキューもしますよ。私はグリルした魚や野菜を食べています。
――海外だと、日本の食材が手に入りにくいのでは?
私はオスロ(ノルウェー)やレイキャビック(アイスランド)に行くことが多いんですけど、北欧は魚がポピュラーなので、寿司もふつうにスーパーに売っています。とくにサーモンがおいしいです。ただ、まれに日本人の好みに合わない、ツナとキムチ巻き、チリペーストらしきもので漬けられたマグロなんかがあって、スパイシーな寿司もありますね。まずくはないですが……ややファンキーな味ですね(笑)。ですから、和食派の私でも食のストレスはないですよ。
平日のスキマ時間をうまく使ってこまめに運動
――平日は、なかなか運動する時間が確保できないのでは?
ええ、日中は仕事、夜は会食というケースが大半なので、がっつりとした運動は難しい。ですので、移動をなるべく徒歩にします。地図で訪問先を調べ、ホテルから歩いて行ける場所ならタクシーは使わないです。
Bluetoothでスマホと連携する「misfit」というフィットネスバンドを使っていたことがありました。6カ月くらい充電しなくても動くし、防水仕様なのでつけっぱなしで生活していたら、バンドがふにゃふにゃになって取れてしまいまして、それ以来使っていません。
なぜかと言うと、バンドがなくても運動する習慣があるからなんですね。運動不足になると、なんとなく体が「鈍ってきているよ」と教えてくれます。
オフィスで仕事しているときは、たまに午後3時にオフィスを出てジムで軽く汗を流しに行き、戻ってきて仕事再開、ということもありますね。トレッドミルで走ったり、プールで泳いだり。スキマ時間を運動時間に使うような心がけをしています。コアの時間は決まっていますが、打ち合わせのないときは様子を見てスタートアップ的にフレキシブルにブレイクを入れられる職場環境なんです。
週1回のサッカーは欠かせない息抜き
――楽しみのためのスポーツはしますか。
小学三年生からサッカーをしていて、今も週1回は必ず蹴っています。今住んでいるサンフランシスコでは週末にサッカー場に集まった者同士で適当にチームに分かれて試合をするんです。キッチリしたチームではなく、サッカーだけのゆるやかなつながりなので、ずっと続くんです。私にとっては、貴重な息抜きタイムですね。
だいたいいつも来るレギュラーメンバーがいて、あとは飛び入りです。3割くらい飛び入りで1〜2割が新しいメンツなので、残り半分が知ってる顔、ですね。海外出張が多いので、チームに所属してリーグ戦をする……のは厳しくても、このスタイルのサッカーだと続けられますね。
ただ、メキシコ人の中にはゴリゴリ削りに来る連中もいて、「お互い仕事や家族を抱えた身なんだから、怪我しないようにやろうね」と呼びかけてます。いくら言っても、当たりは厳しいままですが(笑)。
寒冷地の服装はレイヤリングが大事
――風邪を引いたりはします?
以前は年1回くらいは風邪をこじらせていた気がしますね。子供からうつされたり、家族で順番に風邪になったり。でも最近は病気しにくくなったなあ……なぜだろう? 自分でもよく分かりません。思い当たるフシとしては、サウナに週5回入ることかな? フィンランドなどの地域ではサウナが文化として定着しているので、自然と私も影響されました。
汗を思い切りかくのって、身体の老廃物が流れ出している感じがあって、好きなんですよ。アイスランドには温泉もありまして、そういう場所にもちょくちょく出かけています。
――北欧ってムチャクチャ寒いイメージがあるんですが。
いや、大学時代は北海道だったので分かりますが、たとえばオスロは北海道と比べても大差ないです。もちろん、冬場は零下になりますけど、寒いと感じるとしたら、それは服装が間違っていることが多い。
ただたくさん着こむのではなく、レイヤリングが大事です。体温を外に逃さず、暖かい空気を服の中に維持するのが大事。私はウールの下着に薄めのセーターを重ね、その上にアウタージャケット、というパターンです。
いい意味で「適当」「ほどほど」「こだわりなし」
――そういえば、食事で炭水化物がぜんぜん登場してませんね。
食べはしますよ。でもお米はあまり食べないですね。別にダイエットしているって意気込みはないのですが、なんとなく。そういえば、フルーツはよく摂りますね。バナナとかリンゴとか。
ちなみに体重もお腹まわりも学生時代とほぼ変わっていません。170センチで59キロ。どちらかというとやせている部類でしょう。
ただ、妻に「お腹が出始めているのでは?」と指摘されたので、一時期、おもりをつけて鬼のように腹筋トレーニングをしまくったことがありました。その結果、腰が痛くなったり、前かがみになるのが辛くなって逆効果になってしまいました……(笑)。何事もバランスが重要と気付かされました。
――すべてほどほどなのに、結果的に健康でいられるって、理想のような気がします。
おいしいものを食べるのって、人生の楽しみじゃないですか。健康も大事だし、暴飲暴食はダメだけど、だからといっておいしくない食生活はしたくない。食事も運動もストイックではなくて、ほどほどに楽しくですね。譲れないことやこだわりポイントもないけど、結果的に病気知らずで元気に仕事できています。
適度に運動し、適度に食事に気を使い、そしてうまいビールを飲む!……のが私の健康法ですかね。
ビールのこだわりですか? これもぜんぜんなくって、どこにでも売っているふつうのラガービールがいちばんうまいと感じます。凝った地ビールよりも、ふつうのラガーがいいんです(笑)。ビールをおいしく飲めるように健康であり続けたいです。
――お話を聞いていたら、ビールが飲みたくなってきました! ありがとうございました。
冨田龍起さんの3つのコツ
1. 出張先でも軽めのジョギング、周辺のチェックもかねて
2. サッカーで息抜き、続けられるやり方で
3. 何事もほどほど、ビールのために健康維持!
- →連載「“引っ張りだこな人々”の習慣」過去記事はこちら
中山順司(なかやま じゅんじ)
ロードバイクをこよなく愛するアラフォーブロガー。ブログ「サイクルガジェット」運営。”徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ちょっぴり健康が気になって、自転車でも始めようかなとお考えの方が、「こんなコンテンツが読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。
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