血縁鑑定や結婚相手探しも! こんなこともできる遺伝子検査

先ごろ、離婚した俳優夫婦が長男のDNA鑑定をめぐって出生騒動を起こしたことは、記憶に新しいでしょう。父親は「裏切られた」と激怒。このDNA鑑定もまた、遺伝子を活用してできることの1つです。

» 2015年07月30日 06時00分 公開

米国では血縁鑑定が最も活用されている

 米国で最も活用されている遺伝子解析は、血縁鑑定です。生まれてきた子供が誰の子供なのかを調べる検査ですが、一説では毎年20万人が利用しているとのこと。ほとんどが「父子」間での親子鑑定で、そのうちの3割ほどが親子関係を否定されるといわれています。つまり米国では、毎年6万人くらいの父と子が、実は本当の親子ではなかったと宣告されていることになります。

 実際の数値は定かではありませんが、少なくとも毎年これぐらいの親子がその関係を否定されているというのはショッキングな情報かもしれません。

 ちなみに日本では、毎年2000件ほどの血縁鑑定が実施されているといいます。DNA鑑定は近年一気に大衆化が進み、現在では簡易の検査は1万円台から受けることも可能です。唾液から簡単に採取できるため、本人が知らないうちに検査されていた、なんてことも起こりえそうです。

唾液だけでなく綿棒でほほをこすってDNAを採取することも。復元の難しさはあれど、DNAは身体のあらゆるところから採取が可能なのです

昔は遠い親戚から突然連絡が来たことも

 自宅でも簡単に遺伝子検査ができるといううたい文句で大衆化の先陣を切ったのは、米国の企業である23andmeという会社です。23andmeの展開した事業は、現在日本でおこなわれているような将来の病気の発症リスクの判定、体質傾向の判定、ルーツをたどって遠い祖先のつながりを知るといったものでした。

 それらの検査結果は全てインターネットで閲覧することができましたが、血縁関係を知った遠い親戚という人から、突然メッセージが送られてくることもあったそうです。その後23andmeはFDAより業務停止命令をうけ、現在では、祖先解析と一部の疾患の結果のみを取り扱っています。

近い将来遺伝子マッチングサービスもあり?

 たった0.1%の違いで、外観も性格も能力もまったく異なる人間となってしまう遺伝子。利用法によってはさまざまな活用ができそうですね。例えば異性間のマッチングなんていうのもサービスとして存在しそうです。

 現にスイスにあるGenepartnerという会社では、遺伝子検査をもとに気になる人との相性を調べるサービスを提供しています。遺伝的な互換性が高く生物学的に相性のよい人とは、より長く良好な関係をもつことができ、出生率も高くなるとのこと。教育レベルや人生の目標など社会的互換性なども考慮するということですから、真剣にパートナーを探すのにも大いに役立つかもしれませんね。

将来は遺伝子の相性でパートナーを探す時代が来るかも?

 遺伝子研究が進むにつれ、人間にはさまざまな可能性が見えてきました。これからますます遺伝子を利用した新しいサービスが誕生してくることでしょう。

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