ワークアウトの充実と新たなライフスタイルの提案が見えた「Apple Watch Series 2」“ウェアラブル”の今(1/2 ページ)

Apple Watchの新モデル「Series 2」は、これまでのファッション路線を軌道修正し、スポーツ関連機能の充実にかじを切ってきた点が興味深い。またGPSやFeliCaなど、新たな使い方を提案するデバイスの搭載にも注目だ。

» 2016年09月14日 19時00分 公開
[松村太郎ITmedia]

 Appleは、9月7日のプレスイベントで、「iPhone 7」シリーズとともに「Apple Watch Series 2」を発表した。今回、発売前の「Apple Watch Series 2 スペースグレイアルミニウムケース 42mm」を試用する機会を得たので、実際に使ってみたインプレッションを一足先にお届けしたい。

Apple Watch Series 2 Apple Watch Series 2

 まず、Apple Watchのシリーズ展開には若干の変更が加えられた。今回レビューするモデルはアルミニウムケース。このケースに対しては、これまで、「Apple Watch Sport」というカテゴリー名が与えられてきた。

 しかし新製品では、アルミニウムもステンレススチールも、Apple Watch Series 2という製品の名称に統合され、ケースの素材は商品名で判別するようになった。

 またApple Watch Editionモデルは、Series 2にも用意されているが、100万円を超える18金のモデルなどはなくなり、真っ白なセラミック素材を使ったモデルが用意された。

 なお、これまでのApple Watchシリーズについては販売が終了した。そして、Apple Watch Sportだったアルミニウムケースのモデルをベースに、デュアルコアCPU搭載にリニューアルした「Apple Watch Series 1」というモデルが、より安価なApple Watchとしてラインアップされている。価格は2万9424円(税込)と、3万円を切る価格を実現した。

スポーツへのフォーカス

 Apple Watchの顧客からのニーズの中心は、コミュニケーションやアプリ利用ではなく、やはりアクティビティトラッキング、スポーツだったようだ。Apple Watch Series 2(以下Apple Watch 2)では、GPS内蔵と防水機能の対応によって、その性格をより強くした。

 Apple Watch 2が搭載したGPSは、ワークアウトでの屋外ランニングや屋外ウォーキング、後述の水泳対応のうち、オープンウォータースイミングなどで、正確な距離測定を提供する。同時に、経路の記録を行うことができ、iPhoneのアクティビティアプリでは、ワークアウトで通った場所の地図を表示可能だ。

Apple Watch Series 2 ワークアウトの内容はより細かく確認できる
Apple Watch Series 2 GPSを搭載したApple Watch Series 2なら、iPhoneを携行しなくても移動したルートを記録してくれる

 スポーツウォッチには、これまでもGPSを搭載するモデルは存在してきた。しかし、GPSによる位置情報の取得には時間がかかるという問題点があった。その点、Apple Watch 2では、iPhoneと同じように、Wi-Fiの電波や普段の生活圏内におけるキャッシュを利用し、瞬時に位置情報をつかむことができる。

 そのため、iPhoneを家において出かる際、すぐにワークアウトを起動して走り始めても、出発点からの位置情報をきちんと記録してくれた。走った場所や距離などを記録しているユーザーにとっては、Apple Watch 2は、GPS機能だけでも、十分な魅力を話すことになる。

水中への対応

 Apple Watchは同じデバイスでアルゴリズムを開発することで、さまざまなスポーツや、車いすでの計測に対応してきた。しかし防沫性能しか備えたなかったため、水の中でのスポーツには踏み込むことができなかった。

 Apple Watch Series 2は、50m防水を実現し、水泳中やサーフィン中でも着けっぱなしで楽しめるようになった。ここには、ハードウェア面、そしてソフトウェア面での新たなエンジニアリングが施されている。

 防水の腕時計は、外側のケースで水を防ぐ構造が一般的だ。しかしApple Watch 2は、効果音などを鳴らすためのスピーカーを排除することができず、マイクとともに穴を空けておかなければならない。

 水に入れば、当然この穴からスピーカーまでが水で満たされる。スリットは細く、振っただけではなかなかスピーカーから水滴が離れない。そこで、水中での使用を終えると、スピーカーからビープ音を鳴らして、水滴を外に排水する仕組みを備えた。

Apple Watch Series 2 スピーカーとマイクの穴には水が入るが、ビープ音で水滴を外に排出する

 ビープ音が鳴り始めると、数回は水でこもった音が聞こえていたが、やがてその音がクリアになり、効果のほどを体験することができた。

 また、水中ではタッチパネルの誤動作が起きる可能性があるため、ウォーターロック機能を用意し、画面が操作できないよう工夫している。デジタルクラウンを回すと、前述のビープ音とともに、操作可能になる仕組みだ。

スイミング向けの新たなアルゴリズム

 Appleは新たなワークアウトをApple Watchに導入するたびに、自前のラボでの実験を行い、正確にカロリー計測を行えるアルゴリズムを作り上げてきた。スイミングの場合も例外ではない。

 水泳に対応するメニューとしては、屋内での「プールスイミング」と、屋外の海などで泳ぐ「オープンウォータースイミング」の2つのワークアウトが用意される。水泳を計測する際は、このいずれかのワークアウトを始めるだけで良い。

 屋外でのスイミングの場合は、GPSを用いて距離を計測するが、屋内スイミングの場合は、プールの長さをあらかじめ設定して、距離を測定する。つまり、プールの端でターンしたことを、Apple Watchはきちんと理解するのだ。

 泳ぎ方も自由だ。自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライなどの泳ぎ方をきちんと理解し、そのストローク数から消費カロリーを割り出す。

 しかも、フォームの速さや、泳ぎ方のうまさまで判断し、泳ぎが上手いな人ほど、同じストロークや距離でも消費カロリーが少なくなるというから驚かされる。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/13/news078.jpg フリーアナウンサー、13歳娘が“超難関国家資格”に合格したことを報告 「ひー! すごすぎます」「おめでとうございます」
  2. /nl/articles/2410/14/news047.jpg 「怖すぎる」 昔のCDのバックアップを試みたら…… “悲惨すぎる結果”が280万表示 「こんな壊れ方するんか」
  3. /nl/articles/2410/14/news038.jpg 尻尾がちぎれた子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォアフが大反響 さらに1年後……飼い主に話を聞いた
  4. /nl/articles/2410/10/news018.jpg 「どえらいもん売ってた!!」 ハードオフに2万2000円で売ってた“まさかの商品”に「必要性ないけど欲しいw」
  5. /nl/articles/2410/13/news007.jpg 高級メロンの種を植え、4カ月育てたら…… 予想外の展開に「人生で初めてメロンを応援しました」「まるで魔法のよう」
  6. /nl/articles/2410/12/news045.jpg 「ワロタw」 “最近のAIの賢さ”が一目で分かる会話が12万「いいね」の人気 「コントだ」「草」
  7. /nl/articles/2410/14/news011.jpg 柴犬に新車をプレゼントしたら…… まさかの展開に「なにこれ最高じゃん」「オレンジのJeepバチくそお似合いです」と61万再生
  8. /nl/articles/2410/10/news047.jpg 東京駅で“あるはずのない落とし物”が見つかり話題に 深まる謎に「未使用なのか」「すげぇ」「意味が分からない」
  9. /nl/articles/2410/13/news020.jpg 「変な声出た」 独特な“芸術”の2文字→よく見ると……  分かると気持ちいい仕掛けに10万いいね 「何度もスマホくるくるした」
  10. /nl/articles/2410/13/news034.jpg “韓流ブーム”の元祖「冬のソナタ」から22年、出演キャストらの現在 突然の逝去にファンに衝撃も
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  2. 「驚愕の修理代」の金額明かす お見送り芸人しんいち、約2000万円の愛車が故障で「終わった」「お金がないです」
  3. プロ警鐘「エアコン、夏が終わったらコレやらないと……」が530万再生 水漏れや“内部のスライム化”を防ぐコツが目からウロコ
  4. “医療ミス”で両頬に大きな火傷 「鏡見るたび涙が止まらない」フォロワー24万人のモデルが悲痛の声 「周りの目が怖い」
  5. スーパーで買ったニンニクを土に植えると…… ぼこぼこ増える驚きの簡単栽培に「たくさん出来て最高」「植えてみよう」
  6. 「これは合格出せない」 リンガーハットがジョブチューン挑戦→“まさかの不合格メニュー2品”に騒然
  7. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  8. 「本当に56歳…?」 “王騎”大沢たかお、“腕と足の太さがほぼ同じ”の圧倒的肉体を披露 「かっこよすぎる」
  9. モグラに似てる“ヤベぇ虫”を、2カ月育ててみたら…… 感動の展開に「これはマジで凄い」「学術発表レベル」
  10. カインズの「撒くだけで防草できる砂」本当かどうか検証してみたら…… 驚きの結果に「魔法のような砂、買いに行きます!」「これさえあれば」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声