心のイライラをなくすには? 専門家に聞く4つの対処法臨床心理士みらーのメンタルアドバイス

» 2017年02月18日 06時00分 公開
[みらーITmedia]

臨床心理士みらー プロフィール

みらー

 大学院修了後、専門学校の非常勤講師および、高校のスクールカウンセラーを勤め、同時期に教育機関での心理相談員および不登校対策事業の心理相談担当を歴任。

 現在は悩み相談掲示板サイト「ココオル」で相談員を務めるほか、活動領域を青年期支援に移し、地域若者サポートステーションにて若者支援も行い、年間のカウンセリングは1000件以上行い、相談支援に定評がある。


 みなさんは職場等で気持ちがイライラすることはありませんか? 気の合わない人と一緒にいたり、話が通じなかったり、せっかく段取りを組んだのにそれが崩されたりと、イライラを引き起こす原因は無数にあります。

 こうしたイライラは、場合によっては急速にふくれあがるものですし、同じ出来事に遭遇してもイライラするとき・しないときがあるため、コントロールするのが難しいですよね。

 今回はそんなイライラの原因と、対処法についてお話します。イライラを理解し対処法を考えることで、イライラから自分を解放していきましょう。

イライラって何だ? イライラの原因とメカニズム

 早速ですが、イライラとは何でしょう? 漢字では「苛々」と書き、思い通りにならなかったり不快なことがあったりするために、神経が高ぶることです。

 また、苛々の苛は「苛立ち」の苛で、苛立つの語源は「植物のとげ等がちくちくして不快なこと」。つまりイライラとは、不快なことが心にとげのように刺さってちくちくしている状態のことです。

 では、このイライラの原因はどこからくるのでしょうか。

(1)予想と現実のギャップ

 一般にいわれていることですが、イライラとは物事が思い通りにいかないときに生じる不快感のことです。そしてこれは「予想と現実のギャップから起きる」とも言い換えられます。

 現実にイライラする場面を考えてみると分かりやすいかもしれません。例えば、待ち合わせに向かう途中に電車が遅れたときや、現場を見ない上司に偉そうに指示をされたときなど、イライラの場面はいくらでもあります。

 電車の遅延は間に合うはずだった予想を裏切っていますし、上司の指示も自分の予想に反するからイライラする訳です。こうしたい、こうなるはずという希望や予想と現実にギャップがあるときにイライラが生まれる訳ですね。

(2)自律神経の乱れ

 日々の生活の中でストレスを感じることはたくさんありますが、こういったストレスがたまると自律神経に負荷がかかり、ちょっとしたことでイライラしやすくなります。

 例えば仕事の疲れや睡眠不足になれば、そのストレスによりイライラすると言うのは皆さんも経験があると思います。ちょっとしたことでイライラすることが増えた場合は、身体の不調について考えてみてもいいかもしれません。

(3)生理的な不快感

 イライラの語源は植物のとげ等がちくちくして不快なことというお話をしましたが、この語源の通り生理的な不快感はイライラを生み出してしまいます。

 例えば真夏の暑さや汗による不快な刺激や便秘等の生理的な不快刺激はイライラを誘います。こういった物理的な刺激に対しては、ある程度物理的な対処をしていく必要があります。

イライラを解消していこう

 ではこのイライラにはどうやって対応していけばいいのでしょうか。今回はその方法を4つお伝えしようと思います。

(1)イライラの気持ちに対処する

 イライラしたときには、まずその状態をなんとかすることが何より大事です。こういう場合はまず深呼吸等をして気持ちを落ち着け、なるべくそのイライラの場面から離れるようにしましょう。

 もしおさまらなければ声を出したり身体を動かす等して、先にイライラの気持ちを解放してしまいましょう。逆にそういった気持ちを溜め込んでしまうと、かえってイライラが募ってしまいます。

(2)考え方を変えてみる

 イライラと言うのは予想と現実のギャップ、もう少し言うと、予想と違って納得できないという気持ちが引き起こすものです。つまり、その気持ちをなんとかできればイライラはしないということになります。

 その方法として、「まあいいや思考」というものがあります。これは何かイライラすることが起きたときに、「こんなこともある、まあいいや」と考えて、予想と現実のギャップを埋めてしまう方法です。

 やり方はとても簡単で、そうした場面で「こんなこともある、まあいいや」と考え、そのことを受け入れるようにするということです。難しければ「まあいいや」と口に出してしまうといいですね。口に出すと自分も影響を受けますし、考え方を自然に変えていくことができます。こういった方法でギャップを受け入れてしまえば、イライラを減らすことができます。

(3)自律神経の乱れを整える

 ストレスがたまってしまうと、自律神経のうち交感神経が優位になりすぎるため、常に興奮した状態となります。こうなってしまうと外からの刺激に敏感になるので、イライラしやすくなってしまいます。こうしたときには交感神経をしずめて、自律神経を整えていく必要があります。

 そのためにはしっかり休息して疲れを取り除くことや、マッサージやストレッチなど、心と体が気持ちいいと感じることをしたり、楽しいことや自分の好きなものを食べたりするのもおすすめです。

(4)ストレスを発散する

 予想と現実のギャップにしろ、自律神経の乱れにしろ、イライラというのはストレスからくるものですので、このストレスを解消することが、すなわちイライラを解消していくこととになります。ストレスがたまってイライラしやすくなった場合には、運動をしたりカラオケ等で大声を出したちりして、ためたストレスを発散するのが効果的です。自分の好きなことで気分転換をはかるのもいいでしょう。


 今回は気持ちがイライラする原因と、その対処法についてご紹介しました。生活の中でイライラする場面は多いですが、今回ご紹介した方法等を使って、ためこまないようにうまく対処をしていってくださいね。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/06/news108.jpg 33歳の「西郷どん」二神光さん、バイク転倒事故での急逝に衝撃 1年前の共演者は“願い”明かし「叶わないなんて」
  2. /nl/articles/2409/06/news036.jpg 「へー知らんかった」 わずか7年で“消えた駅” 東京メトロが明かす“知れば納得の歴史” 「だからあんなに……」
  3. /nl/articles/2409/06/news134.jpg 梨花、カリフォルニアの新居が豪邸過ぎる 「セレブな豪邸素敵」「こんな生活してみたい」と反響集まる
  4. /nl/articles/2409/06/news120.jpg 「虎に翼」“よねさん”俳優、ギャル風な激変で驚きの声「こんなにイメージが変わるとは」「雰囲気違いすぎる」
  5. /nl/articles/2409/06/news035.jpg サイコガンダムの胸部を開くと……“ギャップありすぎ”なまさかの中身に「なん…だと…!?」「吹いた」
  6. /nl/articles/2409/06/news124.jpg なんですぐ分かっちゃうんだ! 全身エイリアンな“大御所歌手”の正体が「隠せませんね笑笑」と即バレ
  7. /nl/articles/2409/04/news022.jpg 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  8. /nl/articles/2409/06/news038.jpg 飼い主と3日ぶりに再会した猫、全力で抱っこをせがみ…… “うれしい”が伝わる驚きの動きに「泣けてきちゃう」「愛が止まらないね」
  9. /nl/articles/2409/06/news033.jpg 車に乗った黒柴犬、行き先に気付いてしまい…… 哀愁漂う鳴き声に「ギューー!ってしたい」「かわいそうだけど、可愛い」と150万表示
  10. /nl/articles/2409/05/news039.jpg “電車でのご視聴にご注意を” 散歩前は超元気な柴犬→散歩後の激変が720万再生「5年くらい休まず散歩して来たんか?w」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  2. 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  4. 友人にメダカと睡蓮をあげる→3年後に見に行くと…… 想像を超える“楽園”に「こんなに……!?」「めちゃくちゃ綺麗」
  5. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  6. 「24時間テレビ」ラストスパートでのやす子へのわいせつ行為に非難 「胸触りにいってる」「気持ちが悪い」
  7. 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
  8. 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. 300円で購入した格安熱帯魚を、1年じっくり育てたら……宝石に化けた「価格に見合わない」激変に「ダイヤ感出て綺麗」「ラメがすごい」
  10. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」