レビュー

アフリカで初音ミクのライブをやってみた 一人の教師が実現させた異国の”ミクライブ”司書メイドの同人誌レビューノート

今回は初音ミク愛にあふれた『Miku in Africa』をご紹介。

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シャッツキステ

 あけましておめでとうございます。2018年はどんな年明けでしたか? 里帰りや、ご旅行に行かれた方もおいででしょうか。今回ご紹介する同人誌はアフリカがテーマです。

今回紹介する同人誌

『Miku in Africa』

B5 36ページ 表紙・本文カラー

作者:noci、makoto(初音ミク アフリカライブ 実行委員会)

同人誌 Miku in Africa シャッツキステ 初音ミク ボーカロイド
近未来的な衣装とはちょっと違う……でもとってもすてきな表情のミクちゃんですね

アフリカで初音ミクを披露! 一人の教師が築いたその軌跡をたどる

 きっかけは、著者のお一人であるmakotoさんが、国際協力ボランティアの数学の先生として、タンザニアに2年間派遣されたこと。不安な要素が多々あった中で、何よりの心配は「日本のアニメ漫画文化の禁断症状」だったそうです。えっ、そこですか!? いやいや、でも心の楽しみを持っておくことって大切ですよね。そんなmakotoさんが現地での暇のつぶし方を考えていたとき、「アフリカでミクライブをやったらどうなるんだろう?」というひらめきが舞い降りてきます。

同人誌 Miku in Africa シャッツキステ 初音ミク ボーカロイド
“世界をミクミクにするために”アフリカへの扉が開きます

 ミクライブの“ミク”は、初音ミクちゃんのこと。初音ミクと言えば、歌声合成用のソフトとして多くの人に愛され、作品が生み出され、そして緑のツインテール姿のキャラクターとしても大人気。そんなミクちゃんが歌って踊る姿を、音楽とともに投影するのが“ミクライブ”です。「初音ミクの歌う姿を披露したい!」という、ひらめいたわくわくを胸に、makotoさんはアフリカに旅立ち……多くの人の協力を得て、なんと実際にアフリカでミクライブを実現させてしまうまでの軌跡、それがご自身の手でレポートされています。

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同人誌 Miku in Africa シャッツキステ 初音ミク ボーカロイド
タンザニアってどんなところ?

前途多難。でもはじめてのミクライブでタンザニアは踊りだす……

 アフリカに到着したmakotoさんを待っていたのは、週に4日はお腹を下し、夜中に腹痛で目を覚ますという慢性的な寝不足の日々。過酷です……。けれど、まずはミクちゃんのコラボTシャツを着ていき、「これを買うとおつりはいくら?」と数学の授業のネタにしたり、日本文化や、“キャラクターコンテンツ産業”という考え方があることを知ってもらったりと、ミクちゃんをベースにして、少しずつきっかけづくりを進めていきます。ミクちゃんが、これまでにさまざまな媒体で活躍していることを生かしてるんですね!

同人誌 Miku in Africa シャッツキステ 初音ミク ボーカロイド
タンザニアでミクライブ! スクリーン越しに踊るシルエットがすてきです!

 そして、いよいよスクリーンにミクちゃんを映し出して生徒さんに見せたとき、なんとはじめてのミクライブにもかかわらず、音楽に乗って踊りだす生徒さんや、ミクちゃんの動きをまねる生徒さんがいらしたのだとか! 音楽やリズムに抜群の反応をみせるお国柄らしくて、すごくすてきなエピソードです! makotoさんは、生徒さんの反応を見ながら、「異文化の地でのコミュニティーづくりのヒントになるのでは」「文化が溶けあうとみんな笑顔になる」と、さらなる未来に目を向けるのです。


異文化交流はおどろきの連続!?

マンガも解説も編みぐるみも! ミク×アフリカから生まれる多様なアプローチ

 このご本の構成に触れておくと、実はmakotoさんのレポートは、ご本のなかの一部で、その他にはmakotoさんの活動を応援する方々による“ミクちゃんとアフリカ”への思いがたくさん詰められています。例えば、ミクちゃんがアフリカにやって来たら? という視点で、文化のギャップをマンガにしたり、編みぐるみを作る方はミクちゃんのツインテールを編み込みのドレッドヘアで作ってみたり、民族衣装をアレンジしてミクちゃんに着てもらったら? なんて視点もあったり、とっても多彩。いつものツインテールのミクちゃんが目覚めたらアフリカに!? なんて出だしのマンガは、表紙も担当されたnociさんの作品で、戸惑いながらも現地で交流する様子が、豊かな表情から読みとれます。カラフルなのに、落ち着いた色づかいも、強い日差しに照らされた大地を思わせます。


ドレッドヘアのアレンジもかわいい

 何より、どのページもミクちゃんも、それを書いた人もアフリカのことを楽しく考えているのが伝わってきます。初音ミクという存在をベースに、どうアフリカを絡ませるか? それを思い浮かべるだけで、もう異文化交流って始まっているのかもしれないと感じました。

 日本からは遠いタンザニアで、ミクちゃんが異文化交流に活躍したことを、私はこのご本を読むまで知りませんでした。世界のどこかで、ミクちゃんをきっかけにいろんな文化が、こうしている間にも、きっと広がり続けているのでしょうね。ミクちゃんと手をつないでいると、いつか遠くの国の人ともつながっていけるような……そんな気がするご本です。

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アースカラーの世界で、ミクちゃんを支えるのはやっぱり音楽

サークル情報

サークル名:アフリカミク!

連絡先

漫画、イラストに関して

→noci Twitter(@nocicy

アフリカ現地での活動に関して

→makoto 初音ミク アフリカライブ 実行委員会 Twitter(@miku_africa

購入先:Noci屋(Booth)

参加予定イベント:超ボーマス39(ニコニコ超会議2018内)

今週のシャッツキステ


メイドたちの書き初めは、決意と、告解と、願望が混ざっているような!? 白紙の半紙に、さてさてなんて書きましょう?

著者紹介


司書メイド ミソノ:秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」でメイドとしてお給仕する傍ら、とある大きな図書館で司書としても働く“司書メイド”。その一方で、こよなく同人誌を愛し、シャッツキステでも「はじめての同人誌づくり」「こだわりの特殊装丁」の展示イベントを開く。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えた辺りで数えるのをやめました」と語る

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