道路に鳥居!! ここ、クルマが通ってもいいの……? 激坂の険道「茨城県道139号」をゆく(1/3 ページ)
驚きの連続! 実は由緒ある、愛される道です。
「酷道(こくどう)」をご存じでしょうか。道幅が狭かったり、路面が舗装されていなかったり、そもそも通行止めだったり……。一般的な国道(国が政令で指定した道路)というイメージからはかけ離れた国道のことを愛情と敬意を込めて示す言葉です。それと同様に、そんな状態の県道(都道府県が管理する道路)にも愛称があります。「険道(けんどう)」と呼ばれます。
これまで筆者は「地図に載っていない県道」「門番がいて運転がヘタな人は通れない県道」「普通車が通るのさえ困難な幅1.7メートル制限の県道」などの険道を紹介してきましたが、愛すべき険道、まだたくさんあります。
今回は茨城県の激坂1車線道路「茨城県道139号筑波山公園線(以下、県道139号)」を紹介します。
パッと見は坂のきつい生活道路、でも由緒ある愛される県道
県道139号は茨城県は筑波山の中腹にある筑波山神社前から、つくば市北条市街地まで南北に結ぶ一般県道です。
実は、古くから筑波山神社の参道だった「つくば道」をほぼそのまま踏襲した、由緒正しい県道。今回は山のふもと、終点の北条側からスタートします。
スタート地点には「つくば道」と書かれた石碑がありました。古道ならではの歴史を感じます。
石碑と電信柱の間、1.5車線の狭い道路は緩い登り坂です。
付近には「筑波山神社 4.2km」と書かれた道しるべやつくば道の由来が書かれた看板があります。由緒ある筑波山神社の参道だということを強く意識させられます。
案内によると、この道は江戸城への鬼門を守る祈願所だった筑波山神社への参道として、江戸幕府第3代将軍・徳川家光の時代に開設。そんな歴史を伝える道として1986(昭和61)年、当時の建設省による「日本の道百選」に選出されたそうです。胸が高鳴ります!
……しかし、スタート地点こそ参道といった趣でしたが、進んでいくとスクールゾーンのペイントがあるなど、だんだんと生活道路感が強まっていきます。側溝のフタには茨城県の「茨」の文字もありました。
スタートから登り下りを繰り返しながら、1キロ弱で2車線の市道に合流します。ここから約200メートルは市道を間借りする形で2車線道路になります。あれ……? 由緒ある参道なのに、扱いが少し悪くないデスカ……?
市道に合流してから振り返ると、直線の市道に対して、県道は右折。信号はありませんが、丁字路の県道側に「止まれ」の標識があることから、この区間はあくまでも市道がメインで、県道は優先度の低い存在であることが分かります。実際に観察していても、市道へ進むクルマのほうが圧倒的に多かったです。
一時合流するも200メートルほどで県道139号は市道から離れます。青看板には「神郡(かんごおり)」の文字だけで、県道のマークはありません。この扱いよ……! 間違えないようにご注意。
曲がってすぐは余裕のある2車線ですが、つくば田井郵便局を過ぎると、あっという間に1.5車線の狭道に逆戻りです。この後県道139号が再び2車線になることはありませんでした。
もちろん本番はこれから。もっと先へ進みましょう。
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