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新プリキュア「キュアアース」登場も、プリキュアの玩具の売れ行きが不調だった理由サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)

プリキュアのストーリーと玩具の販売スケジュールは密接な関係にあるのです。

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 プリキュア玩具の売れ行きが、不調です。

 もちろんコロナ禍の影響によるものなのですが「テレビアニメ内でのプリキュアの活躍」と玩具の販売が、緻密に連動するプリキュアにおいて5月、6月の「放送延期」は大きな損失となっていたようです。


8月に加入した新プリキュア「キュアアース」

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。

 「ヒーリングっどプリキュア」の新しいプリキュア「キュア―ス」が本来の予定より約2カ月遅れの2020年8月9日、ついに登場しました!。

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 もう、キュアアース初登場時の「圧倒的強さ」のすごいこと! メガビョーゲンを寄せ付けず瞬殺。風のように舞う華麗な戦いはたくさんの子どもたちを虜(とりこ)にしたものと思います。キュアアースは「驚異的な強さ」と変身前の「人間界の常識を知らないおちゃめな行動」のギャップが魅力なのですよね。


地球の精霊的な存在、風鈴アスミ(キュアアース)。常識が分からず周りが四苦八苦します(YouTubeから)

 キュアアースの変身バンクの原画は板岡錦さんです。板岡錦さんといえば、そのヌルヌルした動きで画面を縦横無尽に動き回る華麗な変身バンクが特徴。プリキュア界でも屈指の凄腕バンク職人ですよね。キュアミルキー、キュアマシェリ&アムール、キュアジェラートなど「印象に残る変身バンク」を数多く手掛けられています。

 今回のキュアアースの変身バンクも、ラテと一緒に楽しく変身していく様子がものすっごい躍動感で、とてもステキなのです。板岡バンクにたくさんのファンがいるのもうなずけます。ぜひ、その凄さをアニメ本編で確かめてほしいのです。


板岡錦さんが原画を手掛けたキュアミルキー変身バンク。板岡バンクにはファンも多い(YouTubeから)

 だからこそ、惜しい。

 テレビ放送でのキュアアース登場と、専用玩具「アースウィンディハープ」の販売時期が合致していれば、プリキュア玩具はもっともっと子どもたちに大きなムーブメントを起こせたはずなのです。

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プリキュア玩具が売れていない

 「ヒーリングっどプリキュア」の玩具が不調なようです。

 玩具業界紙トイジャーナル(東京玩具協会)では立ち上げ当時から苦戦が続いている、と言及されています。

女児に圧倒的人気を誇るプリキュアシリーズ。最新作となる「ヒーリングっどプリキュア」は2月の立ち上げより苦戦が続いている中ではあるが~
月刊トイジャーナル(東京玩具人形協同組合) 2020年5月号(P52)

 同紙7月号では「戦隊やプリキュアなどの定番キャラクターが相変わらず厳しい」とも言及されています。

男児向け、女児向けキャラクターが相変わらず厳しい。特に戦隊やプリキュアなど定番TVキャラクターの苦戦が目立つ。
月刊トイジャーナル(東京玩具人形協同組合) 2020年7月号(P64)

 数字的には、バンダイ全体としては昨年(2019年)のクリスマス商戦が95%、4月が60%、ゴールデンウイーク商戦は昨対60%と大きく落ち込み、その低調の要因が「プリキュアや戦隊などのキャラクター商品」のテレビ番組との連動ができなかった、と分析されています。

数字面で言うと、バンダイの昨対数字は、クリスマス商戦が前年同期比79%、4月が65%、GW商戦が60%と、さらに悪くなっているところが非常に心配です。
鍛冶 GW商戦は当社も含めてキャラクター商品全般が低迷しましたが、キャラクター商品はテレビ番組との連動や、流通の皆さまと連携しての販促に依存するところが大きく、それができなかった反動が出てしまったと思います。
バンダイのトイ事業部は今、何をめざしているのか
月刊トイジャーナル(東京玩具人形協同組合)2020年7月号(P31)

 もちろん、この落ち込みはコロナ禍の影響によるものなのですが、それは数字面にも表れています。

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「地球をお手当」のテーマが偶然にもコロナ禍と合致してしまう

「テレビとの連動が出来なかった」プリキュア玩具

 事実、バンダイナムコホールディングスが8月7日に発表した2021年3月期第1四半期決算では、2020年4~6月の数字として、ワンピースや機動戦士ガンダムといった、大人にも向けたIPはコロナ禍中にもかかわらず数字を伸ばしている中、プリキュアや戦隊シリーズなど「子ども向けにテレビと連動して玩具を売るIP」は大きく数字を落としています。


バンダイナムコのグループ全体売り上げの昨年同期との増減比。コロナ禍の影響でプリキュアや戦隊シリーズは昨対比で大きく数字を落としている

 これはプリキュアや戦隊シリーズが、春から夏にかけて大きく盛り上がりを見せる時期に、ちょうどコロナ禍が直撃し「テレビ放送」と「玩具の展開」にズレが生じてしまったことが大きいと思われます。

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