日本が立ち直った時、必要になるのはゲーム:グラスホッパー13周年イベント「GRASSTREAM2」リポート:日々是遊戯
3月30日で設立13周年を迎えたグラスホッパー・マニュファクチュアが、新宿ロフトプラスワンにてチャリティイベント「GRASSTREAM2」を開催しました。
急遽チャリティイベントに内容を変更
「ノーモア★ヒーローズ」や「Shadows of the DAMNED」などの作品で知られるグラスホッパー・マニュファクチュア(以下、GhM)。その設立13周年を記念したイベント「GRASSTREAM2(グラストリーム2)」が3月30日、新宿ロフトプラスワンにて行われました。
3月11日の東日本大震災を受けて、急遽チャリティイベントとして行われることとなった同イベント。同社代表取締役の須田剛一氏はイベント開始にあたり「こういう時だからこそ、我々にできることをしなければと思った。ここから東北の人たちに元気を送りたい」と挨拶。イベントで得た収益および、会場で発表されたiPhone/iPad向け新作アプリ「FROG MINUTES」のアプリ収益の全額を義援金として寄付するとのことでした。
イベントは3部構成となっており、それぞれ開発者によるトークショウやミニライブなど様々な内容で構成。昨年開催された「GRASSTREAM」同様、今回もイベントの様子はUstreamで全世界に同時配信されました。
「ノーモア★ヒーローズ」次回作の構想は?
第一部では、「ノーモア★ヒーローズ」シリーズの生みの親である須田剛一氏と、キャラデザインを担当したコザキユースケ氏、メカニックデザインを担当したコヤマシゲト氏らが、開発当時を振り返りながらトークを展開。コザキ氏はシリーズのキャラクターの中でも特にシノブがお気に入りだそうで、トーク中、自ら「シノブが主人公のスピンオフゲームを作りたい」と須田氏に提案する一幕も見られ、これには須田氏も「やっちゃいますか!(笑)」とかなり前向きな姿勢を見せていました。
また会場では新たに「ノーモア★ヒーローズ」のフィギュア展開も発表に。価格や発売日などについては「近日発表」とのことですが、会場ではひと足早く、ヒロイン・シルヴィアの彩色前モデルが初公開に。本当は彩色済みのモデルもすでにあったのですが、なんと震災の影響で破損してしまったのだそう。今回の地震では東京も震度5強という大きな揺れを記録しましたが、まさかこんなところにも被害が出ていたとは……。
気になるシリーズの今後の展開についてですが、残念ながら具体的な発表はなし。しかし3人とも、今回大いにトークが盛り上がったのを受けて「いつかは実現したい。また作りましょう!」(須田氏)と次回作への意気込みを力強く語っていました。
GhM初のiPhoneアプリは……カエル捕獲ゲーム?
休憩を挟んで行われた第二部では、同日より配信開始となったiPhone/iPad向けアプリ「FROG MINUTE(フロッグミニッツ)」について、ディレクターの能丸氏が解説。また同作の「一日PR大使」としてアイドルユニット「バニラビーンズ」の2人も登場し、実際にゲームをプレイして見せました。
本作は美しい背景と川のせせらぎをバックに、ひたすらカエルとそのエサとなる昆虫を捕まえるという、ある意味でGhMらしくない「癒し系」ゲーム。前述のとおり、今回須田氏の判断で急遽チャリティアプリとしてリリースされることが決定しており、アプリ収益の全額は東日本大震災の義援金として寄付される形となります。
ゲーム中で使われているカエルの鳴き声は、静岡県の淡島マリンパークまでわざわざ出向いて収録してきたのだそう。本作には全10種類のカエルが登場しますが、中には滅多に鳴かないカエルもおり、スタッフは実際にカエルの檻に入って24時間体制で録音するハメになったのだとか。そんな苦労の甲斐あってか、バニラビーンズの2人も、リアルなカエルの鳴き声には大いに感心していた様子でした。
最新作「ダムド」の一部キャストも明らかに!
第三部ではふたたび須田氏が登壇し、サウンドディレクターの山岡晃氏とともに、GhMの最新作「Shadows of the DAMNED」についてトークを繰り広げました。
海外でのジャンル表記は「サイコロジカルホラー」となっている本作ですが、須田氏によれば、日本語で言うなら「“ドパンク”地獄ホラー」とのこと。内容については「主人公であるガルシア・ホットスパーが、恋人を救い出すために地獄へ向かう。いわゆる冒険活劇というか、ストーリー構成は『スーパーマリオ』と一緒です(笑)」と須田氏。公開されている画面写真やムービーを見る限りではやや暗い印象も受ける本作ですが、実際はかなりアクション要素も強く、ただ怖いだけではない、GhMらしい作品に仕上がっているようです。
具体的な発売日については明かされませんでしたが、開発自体はほぼ終了しており「日本ではおそらく8月末ごろにリリースできるのでは」と須田氏。さらに「夏休みの最後に、ぜひ”地獄”を体験してもらえれば」と続け、会場の笑いを誘っていました。
そのほ会場では、主人公ガルシアの愛銃「ジョンソン」の声を、日本版では俳優の我修院達也氏が演じることも発表に。山岡氏が収録時の様子を聞くと、須田氏は「ホントに……眉毛が太いんですよ!」となぜか我修院の眉毛について興奮気味にコメント。そのほかのキャストについても、「ゲーム史上ないキャスティング」(須田氏)になっているそうなので、今後の発表を楽しみに待ちたいところです。
明確な「使命感」を持ったゲーム作りを
最後には、須田氏、飯田氏、山岡氏の3人がふたたび登壇し、これからのGhM、これからの活動について語りつつ、3時間にわたるトークライブを締めくくりました。
「震災以降で大きく考え方が変わった。僕は日本のクリエイターだから、日本について、日本の未来についてすごく考えるようになった」という飯田氏は、現在、宇宙飛行士の毛利衛氏と協力し、「お台場にあるまったく新しいハード」で「日本の未来を考えるゲーム」を作っているとのこと。こちらの公開予定は2011年8月。また須田氏によれば、それとは別に飯田氏が現在ディレクションしているゲームももちろんあり、こちらも「今年中にはたぶん出せるのでは」とのことでした。
また「エンターテイメントに関わっている日本人として、僕なりに何か力を出していきたい」と語る山岡氏は、現在、世界中のゲームコンポーザーに声をかけ、「Play for Japan -THE ALBUM-という」コンピレーションアルバムを制作中とのこと。山岡氏によれば、すでに上松信夫氏や光田康典氏らをはじめ、海外からも「レッド・デッド・リデンプション」や、「Halo」シリーズのサウンドスタッフが参加を表明。アルバムの詳細については今後決まり次第公式サイトなどで順次公開していくそうです。
最後にマイクを受け取った須田氏は、「3月11日の2時45分まで、僕らは幸せな日々を過ごしていた。いま生きている日本人すべてが本当の平和を取り戻すことができたなら、そのときこそエンターテイメントが必要になる」と、地震から現在までを振り返りながら、これからのGhMの使命について言及。「これからも楽しくて、エキサイティングなゲームを作り続けていきたい。今までももちろんそうでしたが、これからはもっと、明確に使命感を持ってゲームを作っていきます」と語り、イベントを締めくくりました。
関連記事
- 角川ゲームスがエンターブレイン、アスキーメディアワークスのゲーム事業統合を発表――角川ゲームスカンファレンス KICKOFF
自社開催のカンファレンスにて、角川ゲームスは、自身の子会社のゲーム事業を統合する事を発表した。新生・角川ゲームスが放つ新作「天空の機士ロデア」の詳細とは。 - 気になる新作タイトルが盛りだくさん!! EA Tokyo Showcase 2010で発表された数々のタイトルを一挙紹介
東京ゲームショウ2010を翌日に控えた9月15日、京王プラザホテルでエレクトロニック・アーツの新作カンファレンスが行われた。EA最高執行責任者のJohn Schappert氏も登場した今年のEA Tokyo Shoucase2010では、グラスホッパー・マニファクチュアが開発を行う「シャドウ オブ ザ ダムド」をはじめ、さまざまなタイトルがお披露目された。 - TGS2010【基調講演】:“日本制作”の新規ゲームタイトルが、山のように発表されたマイクロソフトの基調講演詳細リポート
TGS初日の基調講演は、マイクロソフトによるもの。日本開発のゲームタイトルが多数発表され、サプライズ山盛りだった本イベントを詳しく紹介する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
-
60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
-
「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
-
皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
-
真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
-
71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
-
新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」