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» 2011年04月01日 11時12分 公開

日本が立ち直った時、必要になるのはゲーム:グラスホッパー13周年イベント「GRASSTREAM2」リポート日々是遊戯

3月30日で設立13周年を迎えたグラスホッパー・マニュファクチュアが、新宿ロフトプラスワンにてチャリティイベント「GRASSTREAM2」を開催しました。

[池谷勇人,ITmedia]

急遽チャリティイベントに内容を変更

MCを務めたのは、ゲームライターのローリング内沢氏と、佐藤かよ氏の2人

 「ノーモア★ヒーローズ」や「Shadows of the DAMNED」などの作品で知られるグラスホッパー・マニュファクチュア(以下、GhM)。その設立13周年を記念したイベント「GRASSTREAM2(グラストリーム2)」が3月30日、新宿ロフトプラスワンにて行われました。

 3月11日の東日本大震災を受けて、急遽チャリティイベントとして行われることとなった同イベント。同社代表取締役の須田剛一氏はイベント開始にあたり「こういう時だからこそ、我々にできることをしなければと思った。ここから東北の人たちに元気を送りたい」と挨拶。イベントで得た収益および、会場で発表されたiPhone/iPad向け新作アプリ「FROG MINUTES」のアプリ収益の全額を義援金として寄付するとのことでした。

 イベントは3部構成となっており、それぞれ開発者によるトークショウやミニライブなど様々な内容で構成。昨年開催された「GRASSTREAM」同様、今回もイベントの様子はUstreamで全世界に同時配信されました。

「ノーモア★ヒーローズ」次回作の構想は?

 第一部では、「ノーモア★ヒーローズ」シリーズの生みの親である須田剛一氏と、キャラデザインを担当したコザキユースケ氏、メカニックデザインを担当したコヤマシゲト氏らが、開発当時を振り返りながらトークを展開。コザキ氏はシリーズのキャラクターの中でも特にシノブがお気に入りだそうで、トーク中、自ら「シノブが主人公のスピンオフゲームを作りたい」と須田氏に提案する一幕も見られ、これには須田氏も「やっちゃいますか!(笑)」とかなり前向きな姿勢を見せていました。

 また会場では新たに「ノーモア★ヒーローズ」のフィギュア展開も発表に。価格や発売日などについては「近日発表」とのことですが、会場ではひと足早く、ヒロイン・シルヴィアの彩色前モデルが初公開に。本当は彩色済みのモデルもすでにあったのですが、なんと震災の影響で破損してしまったのだそう。今回の地震では東京も震度5強という大きな揺れを記録しましたが、まさかこんなところにも被害が出ていたとは……。

 気になるシリーズの今後の展開についてですが、残念ながら具体的な発表はなし。しかし3人とも、今回大いにトークが盛り上がったのを受けて「いつかは実現したい。また作りましょう!」(須田氏)と次回作への意気込みを力強く語っていました。

息のあったトークで会場を沸かせていた、コザキ氏(左)、コヤマ氏(中央)、須田氏(右)
トーク内では、開発当時の貴重なデザイン画が公開される一幕も
トーク終了後には、飯田和敏氏らによるアコースティックライブも

GhM初のiPhoneアプリは……カエル捕獲ゲーム?

 休憩を挟んで行われた第二部では、同日より配信開始となったiPhone/iPad向けアプリ「FROG MINUTE(フロッグミニッツ)」について、ディレクターの能丸氏が解説。また同作の「一日PR大使」としてアイドルユニット「バニラビーンズ」の2人も登場し、実際にゲームをプレイして見せました。

 本作は美しい背景と川のせせらぎをバックに、ひたすらカエルとそのエサとなる昆虫を捕まえるという、ある意味でGhMらしくない「癒し系」ゲーム。前述のとおり、今回須田氏の判断で急遽チャリティアプリとしてリリースされることが決定しており、アプリ収益の全額は東日本大震災の義援金として寄付される形となります。

 ゲーム中で使われているカエルの鳴き声は、静岡県の淡島マリンパークまでわざわざ出向いて収録してきたのだそう。本作には全10種類のカエルが登場しますが、中には滅多に鳴かないカエルもおり、スタッフは実際にカエルの檻に入って24時間体制で録音するハメになったのだとか。そんな苦労の甲斐あってか、バニラビーンズの2人も、リアルなカエルの鳴き声には大いに感心していた様子でした。

「一日PR大使」として登場したバニラビーンズの2人
2人とも、すっかりカエルを掴まえるのに夢中になっていました
第二部と第三部の間には、バニラビーンズによるミニライブも!

最新作「ダムド」の一部キャストも明らかに!

 第三部ではふたたび須田氏が登壇し、サウンドディレクターの山岡晃氏とともに、GhMの最新作「Shadows of the DAMNED」についてトークを繰り広げました。

 海外でのジャンル表記は「サイコロジカルホラー」となっている本作ですが、須田氏によれば、日本語で言うなら「“ドパンク”地獄ホラー」とのこと。内容については「主人公であるガルシア・ホットスパーが、恋人を救い出すために地獄へ向かう。いわゆる冒険活劇というか、ストーリー構成は『スーパーマリオ』と一緒です(笑)」と須田氏。公開されている画面写真やムービーを見る限りではやや暗い印象も受ける本作ですが、実際はかなりアクション要素も強く、ただ怖いだけではない、GhMらしい作品に仕上がっているようです。

本作でサウンドを担当した山岡氏ですが、実は現在「ダムド」以外にも関わっている作品があるそう。須田氏によれば「今年中にはリリースできるのでは」とのこと!

 具体的な発売日については明かされませんでしたが、開発自体はほぼ終了しており「日本ではおそらく8月末ごろにリリースできるのでは」と須田氏。さらに「夏休みの最後に、ぜひ”地獄”を体験してもらえれば」と続け、会場の笑いを誘っていました。

 そのほ会場では、主人公ガルシアの愛銃「ジョンソン」の声を、日本版では俳優の我修院達也氏が演じることも発表に。山岡氏が収録時の様子を聞くと、須田氏は「ホントに……眉毛が太いんですよ!」となぜか我修院の眉毛について興奮気味にコメント。そのほかのキャストについても、「ゲーム史上ないキャスティング」(須田氏)になっているそうなので、今後の発表を楽しみに待ちたいところです。

明確な「使命感」を持ったゲーム作りを

 最後には、須田氏、飯田氏、山岡氏の3人がふたたび登壇し、これからのGhM、これからの活動について語りつつ、3時間にわたるトークライブを締めくくりました。

「震災以降で大きく考え方が変わった。僕は日本のクリエイターだから、日本について、日本の未来についてすごく考えるようになった」という飯田氏は、現在、宇宙飛行士の毛利衛氏と協力し、「お台場にあるまったく新しいハード」で「日本の未来を考えるゲーム」を作っているとのこと。こちらの公開予定は2011年8月。また須田氏によれば、それとは別に飯田氏が現在ディレクションしているゲームももちろんあり、こちらも「今年中にはたぶん出せるのでは」とのことでした。

 また「エンターテイメントに関わっている日本人として、僕なりに何か力を出していきたい」と語る山岡氏は、現在、世界中のゲームコンポーザーに声をかけ、「Play for Japan -THE ALBUM-という」コンピレーションアルバムを制作中とのこと。山岡氏によれば、すでに上松信夫氏や光田康典氏らをはじめ、海外からも「レッド・デッド・リデンプション」や、「Halo」シリーズのサウンドスタッフが参加を表明。アルバムの詳細については今後決まり次第公式サイトなどで順次公開していくそうです。

 最後にマイクを受け取った須田氏は、「3月11日の2時45分まで、僕らは幸せな日々を過ごしていた。いま生きている日本人すべてが本当の平和を取り戻すことができたなら、そのときこそエンターテイメントが必要になる」と、地震から現在までを振り返りながら、これからのGhMの使命について言及。「これからも楽しくて、エキサイティングなゲームを作り続けていきたい。今までももちろんそうでしたが、これからはもっと、明確に使命感を持ってゲームを作っていきます」と語り、イベントを締めくくりました。

最後は全員でカメラに向かって手を振り、3時間にわたるイベントは終了に
14年目突入に合わせて、なぜか「横スクロール形式」にリニューアルされた公式サイト

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