「遠隔地とキス」を発展させると「どこでもドア」になる? 触覚デバイスがもたらすコミュニケーションの未来像とは:あの“梶本研究室”に行ってみた(前編)(1/3 ページ)
電気通信大学のある学生が「遠隔地の相手とキスができるデバイス」を作った。電話やビデオチャットでは伝わらない「触覚」を、もし遠距離の相手に伝えられるとしたら――。同デバイスを開発した、電気通信大学 梶本研究室に「触覚デバイス」の未来を聞いた。
まだまだ未知の部分が多い「触覚」
視覚、聴覚に次ぐ、人間の第三の感覚である「触覚」。そんな「触覚」に着目しつつ、新しいヒューマンインタフェースの研究を行っている研究室がある。電気通信大学 情報理工学部 総合情報学科の梶本研究室だ。
直近の研究発表でもっとも注目を集めたのは、「口腔における双方向コミュニケーションデバイス」だろう。ストローのような装置を口に含み、それを舌で回転させると、ペアになったもう一つのストローが同じように回転する。これを使えば「遠隔地とのキス」が可能になるというわけだ。この研究はメディアでも取り上げれられ、YouTubeに掲載された動画には全世界から約4000件のコメントが寄せられる結果となった(同じ学生のグループが発表した「自分自身を抱きしめることができるデバイス」も最近話題になっていた)。
ネットでは「遠隔地とのキス」という部分のみがピックアップされがちだったが、この研究のポイントは「キス」という触覚コミュニケーションに着目したことで「ただのストローの動きに対して、それ以上の感情を抱くことができる」という点だろう。視覚や聴覚に比べればまだまだ活用事例の少ない「触覚」だが、もしもこれを積極的にコミュニケーションやインタフェースへ組み込んでいったら、私たちの生活はもっと違ったものになっていくかもしれない。
梶本研究室のサイトを見ると、ほかにも「耳もとでリアルにささやくヘッドフォン」や「いつまでも注ぎ続けられるとっくり」など、ユニークな研究が数多く紹介されている。一体、梶本研究室とはどういうところなのか? なぜこのようなユニークな研究が多く集まるのか? 6月に開催された電気通信大学のオープンラボで、実際に学生たちの研究成果を見せていただくとともに、「口腔における双方向コミュニケーションデバイス」を開発した高橋宣裕さんと、指導にあたる梶本裕之先生から直接お話をうかがった。
「遠隔キス」の究極は「どこでもドア」になる?
オープンラボでは、話題となった「口腔における双方向コミュニケーションデバイス」も展示されており、筆者も実際に体験してみることができた。
装置は白と黒の2つのボックスが対になっており、ストローの先端のような部分を互いに口に含んで使用。片方を舌で回転させると、もう片方も同じように動く。
伝えられる動きはあくまで「回転」だけなのでキスというにはほど遠い気もするが、相手の舌づかいがそのままこちらに伝わってきていると思うと、いわゆる「間接キス」のような気持ち悪さがある(たぶん相手が女性ならば正反対の印象を受けていただろう)。仕組みは単純だが、このデバイスが単なる「回転」以上のものを伝えているのは確かなようだ。
「遠隔地との触感コミュニケーション自体はすでに先行研究があって、僕はそこでコミュニケーションを行う2人の“親密さ”に着目しました。恋人や夫婦など、より近しい間柄にある2人が行うコミュニケーションってなんだろう――と考えた結果、辿り着いたのがキスだったんです」(高橋さん)
2つのボックスはケーブルでノートPCに接続されており、ここで双方のストローの動きを同期。回転に逆らおうとするとより強い力が働く、いわゆる「フォースフィードバック」の技術も取り入れられている。今回は有線で接続されているが、ネットワークを使えば遠隔地との通信も可能。今後はより動きの再現度を高め、本物の唇や舌の動きに近づけていきたいという。
またリアルタイムで2つのデバイスを同期させるだけでなく、あらかじめ動きをデータとして記録しておき、後から再生することもできる。そうなれば、例えばアイドルやゲームキャラとのキスを「コンテンツ化」することも不可能ではない。
「今はテレビ電話がありますが、それでも伝えられるのは映像と音声まで。これに加えて“触感”も伝えられるようになれば、きっと遠くにいる相手を近くに感じたり、逆に自分自身が向こうにいるような感覚が味わえるようになったりする。そういう意味では、この研究の究極形は“どこでもドア”なのかもしれません」(高橋さん)
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