「セーラームーン」20周年プロジェクト始動 今だから明かせる誕生秘話、打ち切りの危機:「お手柔らかに」と武内直子
20周年トークイベントに、セーラームーン役の三石琴乃さん、タキシード仮面役の古谷徹さん、原作者武内直子さんの担当編集者が登場。当時の裏話を明かした。
「美少女戦士セーラームーン」20周年プロジェクトが今秋、始動する。まずはコミックス愛蔵版(全10巻)を10月から月1冊ペースで刊行。当時の連載をカラーページも含めてできるだけ忠実に再現したマニア向けの仕上がりとなっており、書き下ろしページもある。A4版の箱入りボックスタイプだ。
アニメのメモリアルDVDコレクションも登場する。1992年から5年間放送されたテレビアニメを、登場キャラクター別に彼女たちの特徴を生かしてピックアップ。各セーラー戦士につき1巻のDVDにして、10月から毎月発売する。さらに来夏には新作アニメも控えている(関連記事:【速報】「セーラームーン」新アニメ制作が進行中 主題歌ももクロで2013年夏公開予定)。
これら盛りだくさんの内容は、7月6日に開催された「美少女戦士セーラームーン 20周年トークイベント」のなかで発表され、ニコニコ生放送でライブ配信された。イベントには、月野うさぎ&セーラームーン役の声優・三石琴乃さん、地場衛&タキシード仮面役の声優・古谷徹さん、作者・武内直子さんの担当編集者である講談社の小佐野文雄さんが登場。当時の裏話などを存分に明かし、ライブ配信を見守るファンを楽しませた。
三石さんが決めセリフ「月にかわっておしおきよ!」を披露!
イベント冒頭。会場のニコファーレのスクリーンにセーラームーンの変身シーンが流れる。続いて「ムーンプリズムパワー メイクアップ! 愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーン! 月にかわっておしおきよ!」の決めセリフとともに、三石さんが登場。ニコ生の画面は「8888888」「うおおおおおおお」「きたああああああ」とコメントが一斉に書き込まれ、弾幕のようになって盛り上がる。
記者席からも登場の瞬間は「おおお」という小さな歓声が聞こえていた。仕事で来ている記者が興奮して思わず声を漏らしてしまうくらい、生で聞く「月にかわっておしおきよ!」のパワーはすごかったのだ。浴衣姿でセーラームーンのぬいぐるみを抱えた三石さん。「皆さん、心の中の乙女のポリシー、さびついてませんか?」とファンに呼びかける。かわいい、かわいすぎるぞ。
続いて古谷さんも「麗しき乙女の心を汚す輩は私が許さん。タキシード仮面参上!」と登場。タキシード仮面をイメージしたという帽子をかぶり、セーラームーンのTシャツを着ている。張りのある良い声……小学生の頃セーラームーンに熱狂した世代である記者は古谷さんの登場にクラクラした。この後、小佐野さんもステージに現れ、トークの内容はセーラームーンの誕生秘話に移っていく。
「どたばたでした」――担当編集も苦笑いの制作現場
セーラームーンは、同作よりも前に制作された「コードネームはセーラーV」(セーラーヴィーナスが主人公の作品)が母体となっている。「コードネーム〜」を東映アニメーションが気に入り、セーラームーンという派生作品が作られたのだ。武内さんは当時すでにほかの作品の連載準備を進めていたが、急きょセーラームーンを描くことになった。小佐野さんは「どたばたで始まった」と振り返る。
その後すぐにアニメ化も決定。アニメは放送まで半年間という短い期間で準備した。「(スケジュール的に)ほんと無理っていうか無茶っていうか。東映のプロデューサーが夢のようなことおっしゃるので、死ぬかと思った。武内先生のパワーがなければできなかった」と、小佐野さんは当時を思い出して苦笑い。「(半年は)ありえないですよねー」と古谷さんも笑う。
三石さんはオーディションで選ばれた。当時を思い出して「ともかくかしましい感じの現場でしたね」と一言。古谷さんをはじめ、実力派の声優陣に囲まれ「心強いを通り越してしまうくらい先輩のオーラを感じる」毎日で、緊張して過ごしていたという。ちなみに古谷さんは「男子は僕1人でハーレム状態だったんでこれはおいしいわい」と楽しんでいたそうだ。
「武内先生“は”原稿を1度も落とさなかった!」と担当編集
アニメの評判は上々だったが、開始から半年後に打ち切りの噂が出るなど、裏側では危機もあった。「商品が売れなくてスポンサーが……ってこんなこと言っていいのかな」と小佐野さんはトーク中に爆弾発言。雑誌「噂の眞相」に“セーラームーン打ち切り”という記事が出て「やばいと思った」こともあったが、その後はムーンスティックがバカ売れしたことで「九死に一生を得」て、アニメは5年間も続いた。
武内さんの仕事ぶりについては「結構真面目で仕事はよくやっていた。反動で買い物したりとかはあったけど(笑)」と小佐野さん。武内さんの協力もあり、アニメは「統一感が取れ、世界観がしっかりしていた」と振り返る。ちなみに漫画原稿は「1度も落とさなかった。武内先生“は”原稿を1度も落とさなかった!」と、小佐野さんが繰り返して強調すると、ニコ生の画面には「旦那www」というコメントが書き込まれ、笑いを誘っていた。
「皆さまお手柔らかに」と武内さん
イベント後半は、フランスで開催された「Japan Expo」の会場と中継でつなぎ、現地にいる「ももいろクローバーZ」も参加。セーラームーンの新アニメが来夏に全世界同時公開されること、新アニメの主題歌をももいろクローバーZが歌うこと――が発表された。ももくろの5人はセーラー戦士のコスプレ姿で「ムーンライト伝説」を歌い、フランスの会場を盛り上げた。
セーラームーンが始まった20年前は、まだ生まれていないももくろのメンバーたち。自分たちが主題歌を歌うことはその日初めて知ったそうで、「ちっちゃいころからセーラームーンにあこがれていました」「(ムーンライト伝説は)ママが子守唄で歌ってくれていたのですごくうれしいです」と口々に語り、気合十分な様子だった。
新アニメでも三石さん、古谷さんが声を担当するかどうかは現時点では未定だが、三石さんは次のように語った。「去年東映アニメのプリキュアでハミィというキャラをやっていたとき、『本当にセーラームーンを見ててそういうのを作りたくて東映アニメに入った』と涙を流してくれるスタッフがいたんです。セーラームーンを好きなまま大人になった人たちが新作を見る。制作する私たちは、真摯に、心を込めて、前作よりもパワーアップする気持ちで取り組まないといけない」。
続けて、古谷さんは「フランスと同時中継でやらせてもらって、セーラームーンが新たな一歩を踏み出すんじゃないかなって気がしてます」とコメント。「面白い作品をみんなで必死になって作れば、また結果がついてくると思う」「やさしくホットなまもちゃんとスマートでクールなタキシード仮面の2役ができることを楽しみにしている」と締めくくた。
最後に武内さんのコメントを三石さんが読み上げた。全文は次の通りだ。
「皆様こんにちは。原作の武内直子です。連載開始20周年らしいです。また新しい出版やアニメの企画などのお話を頂き、とにかくびっくりしてます。作品連載当時はたくさんの人に愛された、幸せな幸せな作品でした。今またこのタイトルを聞くとちょっと恥ずかしい感じです。きっと皆さんもそうでしょう。
でも昨日うれしい話を聞きました。ツインテールの元祖はセーラームーンだそうです。今も世界中から『セーラームーンが大好きでした』とよくお話を頂きます。そんな話を聞くたびいつも飛び上がって感激に喜ぶ単純な原作者です。
これからどんな展開をして頂けるのかまだ何も知りません。正直怖いです。でもまたキャラクターたちが暴れてくれたら面白いかもと密かに思ってます。まずは今日が最初の1歩らしいです。皆さまお手柔らかに。ニコニコ顔で暖かく、お帰りと言ってくれるとうれしいです。おもいきり懐かしんでくれるとうれしいです。そうしてくれないと、『月にかわっておしよきよ!』とうさぎ役の琴ちゃんが言うでしょう」
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「エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。」――庵野秀明監督が“館長”を務める展覧会「特撮博物館」が開かれる。発表会では樋口真嗣監督やスタジオジブリの鈴木プロデューサーも加わり、特撮への“愛”を語った。「#バンダイさんカモはここに居ます」 Twitterで“セーラームーンコスメ”を熱望する声多数
先日プリキュアの大人向け化粧品が話題となりましたが、Twitterではセーラームーンの化粧品を商品化して欲しいという声が相次いでいるようです。
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