プチプチのドレスやiPadケースも クリエイターの頭の中を垣間見る「rooms」
国内外のプロダクトアイテムが披露される「rooms」には、不思議で魅力的なアイテムが並んでいた。
年に2度開催されるroomsという展示会を知っているだろうか。クリエイターが持つ世界観を「部屋(=room)と考え、その集合体である展示会を「rooms」と名付けたファッションを中心に、国内外のプロダクトアイテムが披露されている。25回目となる「rooms25」が、9月11〜13日、国立代々木競技場第一体育館にて開催された。
今回は、例年よりもエリアのカテゴリーを10に増やし、出展数だけでも前回比で180%増。各国からのバイヤーも多く来場し、日本のものづくりの新しい出会いの場を提供した。ギフトショーなど、マスプロダクトと一緒の展示会では目を引く可能性もあるが、ここでもより商品が自ずと語りだす魅力がなければ、来場者の足を止めることは難しい。
ここで、会場内で目を引いたアイテムを少しではあるがご紹介。
まず、入口入ってすぐ展示されていた、KOSUKE TSUMURAによるインスタレーション。「究極の家は服である」という考えを具現化した都市型サバイバルウェアーとして「FINAL HOME」を考案。今年は、緩衝材、通称「プチプチ」を使ったアイテム作りに着手。さらに、潰れないプチプチやハート形のプチプチが誕生したということで、それを使用したバッグやケースを作成した。
そして、極め付けが、つなぎ合わせることで様々な形を作ることができる「プチプチタングル」「AIR CELL」を使ったドレス! 節約一家を追うバラエティー番組などで「窓にプチプチを貼ると保温効果がある」という豆知識情報を見たことがあるが、これはやはり着たら温かいのだろうか。
立ち上げ3年未満のブランド、もしくは学生が対象となる若手支援を目的としたブースで見つけたのが、CHIMASKIのアクセサリー。京都を拠点に制作活動を行っているというこちら、なんとお菓子の包み紙を使ったものが!
ブースにいた方によると、「お菓子を食べて、可愛いものは置いておき、制作に使う」そうです。まずは食べることから制作活動が始まる新しいリサイクルアイテム。
今回から、新設されたひとつが、日本のものづくりを発信するエリア「rooms地場産エリア」。福島県の地場産業の中でも伝統工芸品を中心に14社が出展。ファッションとデザインという視点から、福島が誇る伝統産業とものづくりの技術を使った現代的なデザインのアイテムが並んでいた。
ほかにも、東京都の墨田区や台東区、岐阜県などの自治体ブランドや、各地の地場産業の技術を使ったプロダクトブランドなどが出展していた。地場産業という言葉でいうと少し古めかしいイメージで感じてしまうかもしれないが、ここに展示されていたものは和物であっても現代風にアレンジされていたり、イマドキのおしゃれブランドクラスのデザインのものまで並んでいる。一部商品は、販売ブースで購入可能だった。
通常の展示会と違い、個別のブースでは行っていないが、出展者のグッズが購入できる物販エリアがあるのだが、今回は会場を飾っていたイメージイラストの原画まで販売されていた。
海外からの出展社も多いが、今年大きくエリアをとっていたのはアルゼンチンブランドだった。ブラジルでのワールドカップやオリンピックを控え、ブラジルのファッションブランドの隆盛は伝えられているが、次はお隣のアルゼンチンなのかもしれない。
roomsでは、来場者や出展者が開催されるコミュニケーションパーティが中日に開催されるのだが、今回はライブパフォーマンスが行われ、そのステージには9月19日にメジャーデビューするドラムヴォーカリストのシシドカフカさんが登場。会場を盛り上げていた。
大型展示会というと、お台場や幕張までいって、ほぼ1日がかりでぐるぐる回るというイメージがあるが、こちらは一周するのは1時間程度。もちろん、じっくり見ればいくらでも時間をかけられるが、出展するブランドが進出を希望する渋谷や原宿、青山というエリアに近く、人員を割きにくいショップでもチェックしやすいのも、人気の理由だろう。
roomsの次回の開催は、2013年2月13日から15日を予定している。
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