“聞こえない音”が情報を届ける 超音波でデジタル情報送る技術「SteganoSonic」:SFC ORF 2012 Report
超音波に載せてデジタル情報を伝達する研究が慶応SFCの「ORF2012」で展示された。端末をある場所に持って行くと、スピーカーから受信した情報が画面に表示されるというものだ。
スピーカーから耳には聞こえない情報が発信される――慶応義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の研究発表イベント「Open Research Forum 2012」(11月22〜23日、東京ミッドタウン)で、指向性スピーカーを用いた情報通信技術「SteganoSonic」が展示されていた。
展示ブースに用意されていたのは、複数の小型超音波スピーカーをプレートの上に並べたユニット2つと、専用の受信端末を外付けしたタブレット端末。2つのユニットはスタンドに取り付けられ、ある1点に向けて固定されていた。その場所にタブレット端末を持って行くと、画面に研究内容を紹介するWebページが表示され、近付くとその研究に関するナレーションも聞こえてきた。
ユニットは超音波を使って指向性を持たせたパラメトリックスピーカーという音響システム。特定の場所に超音波を発信できる。「SteganoSonic」は、その超音波に人の耳に聞こえる音だけでなく、WebサイトのURLなどのデジタル情報を載せて発し、タブレットなどの端末で受信する。
超音波を使った音響システムはすでに実用化されており、例えば暴動や海賊対策として特定の集団に向けて不快な音を出したり、戦闘意欲を失わせる兵器として軍事目的で使われている。日本では京都・清水寺でアナウンスが拝観の邪魔にならないようにという配慮から、入口にだけアナウンスが聞こえるように設置されている。これらは人間が音として認識できる可聴領域の超音波を利用したもので、「SteganoSonic」は人間が音として認識できない不可聴領域も情報通信のために活用している点が特徴だ。
「SteganoSonic」は情報を受信するために専用端末が必要だが、例えば駅のホームで1番線付近にいる人に可聴領域で1番線の運行情報を流し、不可聴領域を使って行き先の観光情報を携帯端末向けに配信し、反対の2番線付近では2番線の運行情報と観光情報を配信するといった活用が可能となる。場所を大ざっぱにしか限定できない無線技術や、能動的に受信しなくてはいけないQRコードなどの読み取りと違い「SteganoSonic」では限定された場所へ向けて情報を届けることができる。
開発しているのは同大環境情報学部2年の田中瞳さん。今回の展示では特定の場所に端末を持って来ると、決められたWebサイトが表示されるという仕組みだったが、もっと厳密な設定をすれば、中心より右側ならAというサイトを表示し、左側ならBというサイトを表示することも可能だという。ただ、単に技術を研究していくのではなく「場」のデザインとして「SteganoSonic」を研究していきたいと話していた。
関連記事
- アルミダクトがぶるんぶるん 新感覚の楽器「Ryo-On」
アルミダクトが震えて雷のような音を出す不思議な楽器が慶応SFCの「ORF2011」で展示された。 - 速く歩けば間に合ったのに! ナビアプリ「STEP NAVI」なら歩くペースまで教えます
慶応義塾大学SFCが開発したナビアプリ「STEP NAVI」は歩く速度を教えてくれるので、目的地に早く着いてしまったり、うっかり到着が遅れてしまったりすることを防ぐことができる。 - Googleに負けないものを作りたい――女子大生が挑む日本独自の「かわいい検索」
女の子の“かわいい”を検索できる「かわいい検索」は、アルゴリズムの設計からプログラミング、デザインまで、学生が中心になって作り上げたWebアプリ。Googleが無視している「Webページの見た目の雰囲気」という要素にこだわり、日本人独自の検索エンジンを目指す。 - 「かわいいカフェ」「きれいなカフェ」を自動検索――女子大生が開発した「Cafe Palette」
都内の数あるカフェの中からブロガーがおすすめする「かわいいカフェ」「きれいなカフェ」などを条件検索できるサービスを女子大生が開発。来年3月の正式サービス化を目指している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
-
ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
-
夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
-
ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
-
妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
-
人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
-
「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
-
「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
-
160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
-
「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
- イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
- 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
- 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
- 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
- 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
- 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた