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» 2013年07月02日 10時33分 公開

閲覧注意:かっぱえびせんみたいな味……サソリパスタを昆虫食女子と食べに行ってきた

グロい見た目にひるむことなく実食。果たしてお味は……。

[稲葉ほたて,ねとらぼ]
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 東京都墨田区の錦糸町は、昭和テイストの店からエスニックまで様々な食事を駅近郊で楽しめる街だ。そんな錦糸町の、スカイツリーを望める北口とは反対側、南口の大型商店が並ぶ通りの路地を入ったところに、その店はある。

 ゴッホやピカソもハマったという禁断の酒・アブサンを店名に掲げるこの「カフェ&バー リストランテ アブセント」では、6月27日からサソリを丸々1匹トマトソースの上に乗せた「サソリのパスタ」なる料理を提供している。

 今回この店に足を運ぶにあたって、料理の写真を事前に見てみたが、確かにパスタの上にはサソリの、黒光りして尻尾がくるんと反り返ったあの姿が鎮座している。ぶっちゃけ見た目は相当にグロテスク。うげぇぇぇえ。サソリかぁ……ってか、そもそもサソリって食べれたのか。

 1人で向かうのは心もとない。とりあえず食べるのが辛かった時のために、万事断るのが苦手なことで有名な知り合いの女の子を誘って、店に向かうことにした。もちろん、いざ無理だとなった時には彼女に食べさせる魂胆である。

店長「タイでサソリに刺されたことがあるんです」

画像 「もぞもぞするなと…」と刺された時の様子を語る店長

 夕方午後5時頃に店内に入るとまだ客はまばらだったので、店長に少し話を聞くことができた。一体、なぜこの店はサソリパスタを提供しようと考えたのだろうか。

 「私がタイに行ったときに、ミャンマーの国境近くの宿屋でサソリに刺されてしまったんです。そのとき、ちょうど自分の店に東北出身の人間がいて、彼が仕入れたイナゴで“イナゴパスタ”を提供していたのを思い出して、その第2弾としてサソリを使おうと。まあ、そういう私の人生の成り立ちからきたインスピレーションといいますか……」

 “成り立ち”ってサソリに刺されただけなのでは……というツッコミはさておき、そもそも店長の命は大丈夫だったのだろうか。

 「なんか布団で寝ていたらもぞもぞするなと……そしたら刺されていたんですよね。ただ、僕は足が腫れただけで済みました。サソリといっても1000種類くらいいて、毒があるのは20種類程度なのだそうです。食べる分にもサソリは神経毒ですから問題ありません」

 店長いわく、サソリは「向こうではよく部屋に入ってくるんですよ」とのこと。いや、怖いんですが……。

節足動物が転がるイナゴパスタ

 さて、そんなアナーキーな店長の会話を聞きながら、我々は料理を待つことに。昆虫食パスタ第1弾として話題になった「イナゴパスタ」もまだ提供中ということなので頼んでみた。

 食事を待ちながら同行してくれた女の子の話を聞いてみると、彼女は北国の出身で、なんと子どもの頃からよくイナゴを食べていたらしい。近所の店でも普通に売っていて、家でもよく祖母が甘露煮にして食べさせてくれたとのこと。さらに芋虫を食べた経験もあると言い出した。「カリカリに揚げたら、なぜか中が空っぽになっていた。とんがりコーンみたいな感じ」とのことである……。

 適当に誘ったつもりが意外にも心強い傭兵だったのかもな……とひと安心していると、サソリより先にさっそくイナゴパスタがやってきた。

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 ……うーむ。凄い見た目。「僕のパスタの上に節足動物の死骸が転がってるんですけど、どうしたんですか?」と店員にクールに言い放ちたい気分だが、もちろん頼んだのは自分である。

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 「ここにある亡骸たちを食うのか……」と躊躇していたら、目の前の女の子がさっそく小皿に取り分けて、パクパク食べだした。「美味しいですよ、これ。カリカリしてる」

画像 地元で食べてたイナゴの甘露煮はクニャっとした食感だったらしい

 マジですか……。自分も恐る恐る口に運んでみると、意外にも、というか相当に美味しい。ベースになっているパスタはペペロンチーノなのだが、ニンニクの効いたソースに、あとからスナックのような食感でイナゴの甘みがやってくる。イナゴ自体が意外にもしっかり食材らしい味と食感をしているのも驚きだが、この甘みとペペロンチーノの取り合わせが不思議に合うのである。店長に聞くと、イナゴは砂糖と醤油で味を調えたという。結局、あっという間に2人で食べきってしまった。

いよいよサソリパスタの出番です

 そして、サソリパスタがやってきた。

画像 なんかカッコいいぞ。ちなみに前で狙われてるのはさっきのパスタにも登場したイナゴ

 正直なところ、先にイナゴを見ていたせいで、それほど見た目はグロテスクに感じなかった。むしろなぜかカッコよくさえある。2人とも興奮してしまい、同行した女の子がサソリをくわえだして、自分は写真をパシャパシャ撮影した。いま思うと謎のテンションである。

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 早速サソリを半分にしてお互い食べてみたのだが、これが普通に美味しい。同行した女の子の第一声は「鳥皮みたい!」。自分の口に入れての第一印象は「カッパえびせん……?」。この店の味付けも関係しているのだろうが、やたらとコクのあるカッパえびせんを食べているようであった。なんだろう……外骨格の味なのだろう。そういえば、飲み屋で出てくる魚の骨の唐揚げにも味が似ている。

画像 サソリの尻尾。よく見ると毛が生えている

 食感の方は、さぞかし堅いのだろうと思ったら、さくさくスナックのように食べられて、大変に食べごこちが良い。イナゴもそうだったが、見た目がグロテスクでもしっかり食材の味と触感にさえなっていれば、そのうち食べ物に見えてきだすから不思議だ。

 また、このトマトソースにはサソリのだしが使われているというのだが、そちらもかなり味が濃厚で満足感が高い。なお店長の話では、サソリの仕入れはタイから直輸入しているとのことで、仕入れ値も結構な額であった。

画像 サソリは光によって色が変わるらしい

 さて、今回の2つの昆虫系パスタは嘘か真か、国連が世界の食糧危機政策として昆虫食の重要性を発表したのを受けて制作されたものだという。サソリパスタは「第2弾」と銘打たれており、ここはやはり「第3弾」も期待される(?)ところだろう。少なくともその時にはまた個人的に足を運んでみたいと思うくらいに、今日のイナゴとサソリはおいしかった。

 また、ひと通り食べてみて思ったのは、料理の奇抜さもさることながら、そもそもパスタが普通にもちもちで美味しかったことだ。一緒に行った女の子など、ダイエット中なのに取材後さらにもう1品通常メニューのパスタを頼んでいたくらいだ。実はこの店、イタリアのパスタの成分に関する法律を遵守した「本物・生パスタ」をウリにしていて、調理場をのぞいてみるとはさみ片手にパスタを製麺している。その日の気温や湿度に合わせて製麺方法も微妙に変えているらしい。おお、なんと。意外と(?)本格派の店だったんですね……。

画像 店の前には「生パスタブームの火付け役」と書かれた看板が置かれていた
  • 店舗名称:カフェ&バー リストランテ アブセント
  • 住所:東京都墨田区江東橋3-5-7 ソシアルビル1F
  • 営業時間:午前11:30〜翌午前5:00(日、祝のみ午後9時まで)
  • 価格:サソリのスコーピオンソース(1980円 ※1日限定10食)、イナゴのペペロンチーノ(1200円)

稲葉ほたて(@jamais_vu)。ネットライター。サークル「ねとぽよ」主催者の片割れ。サイゾー、PLANETS等に執筆。ネット周りの話をいろいろ書いてます。


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