ジブリ×人気マンガ家、本気の二次創作てんこ盛り 「もっと!」の特集「ジブリの狂気が大好き」がアツい
マンガ誌ならではのスタジオジブリ特集が組まれた「もっと!」最新号。ジブリを題材にしたイラストやエッセイマンガを40ページ掲載した。
秋田書店が9月17日に発売した季刊誌「もっと!」(vol.4)で、マンガ誌ならではのの“スタジオジブリ特集”が組まれている。通常の連載作品に加えて、ジブリを題材にしたイラストやエッセイマンガ、スタッフへのインタビューなどを約40ページにわたって掲載。ジブリとのコラボによる二次創作がてんこ盛りなのだ。
まずは表紙に注目していただきたい。「風立ちぬ」の主人公・堀越二郎と、二郎を見つめるヒロイン・里見菜穂子――このかわいらしいイラストは、「花のズボラ飯」などで知られる人気マンガ家の水沢悦子さんが描き下ろした。さらに力強い筆致が印象的な題字の「もっと!」はジブリの鈴木敏夫プロデューサーによるもの。そこに「ジブリの狂気が大好き(ハートマーク)」という特集タイトルが掲げられている。
中身もざっとご紹介しよう。
- カラーイラスト「マンガmeetsジブリキャラ」(小玉ユキ/石黒正数/花沢健吾/磯谷友紀)
- エッセイマンガ「わたしとジブリ」(水沢悦子/磯谷友紀/衿沢世衣子/石黒正数/天堂きりん)
- 映画「夢と狂気の王国」砂田麻美監督インタビュー
- 映画「かぐや姫の物語」西村義明プロデューサーインタビュー
- 論考「高畑勲と宮崎駿の50年」(叶清二)
- ジブリガールズファッション10選(つばな)
- 宮崎駿のフード文法(福田里香)
- cocoon×風立ちぬ(藤田貴大)
- ジブリ狂気レビュー&落書き大会(施川ユウキ/カラスヤサトシ/山田胡瓜ほか)
- 「ホロビクラブ」(クール教信者)や「サナギさん」(施川ユウキ)のジブリ特別編などマンガ本編も“ジブリ祭り”
注目すべき点は、やはりマンガ家による二次創作作品。スタジオジブリという大きなテーマに、第一線で活躍するマンガ家が公式に挑むのは非常にレアな光景だ。また、インタビューやコラムといった記事モノがマンガ誌で存在感を発揮することも珍しい。こうした企画はどのようにして誕生したのか。この特集をほぼ1人で担当したというEleganceイブ編集部の金城小百合さんに聞いた。
マンガ家もテンションが上がるジブリ特集
「もっと!」とは、女性マンガ誌「Eleganceイブ」の増刊号として2012年にスタートした新しい雑誌だ。執筆陣にはマンガファンによく知られている人気作家が並び、金城さんも「奇跡的なラインアップ」と自信をみせる。ただし、3カ月に1回の刊行という季刊誌の特性上、「読者に忘れられないか」と焦る気持ちが編集部にはあったという。
初号や前号では、水沢さん描き下ろしの日めくりカレンダーなど、豪華付録を付けてアピールしてきたが、使える予算には限りがある。そこで今号では新たに特集を打つことに。ジブリ案のきっかけは、金城さんの先輩編集者が飲み会の席で冗談で言った「あまちゃんかジブリは間違いない」という意見だったという。
ジブリ特集を本気でやろうと決心したのは今夏公開された「風立ちぬ」を見てからだ。作品に深い感銘を受け、また今秋公開予定のドキュメンタリー映画「夢と狂気の王国」の“狂気”という文字が気になった。そこで金城さんは思い切ってジブリに直接連絡。すぐに返事が来て、8月上旬から本格的に動き始めた。
発売まで1カ月強しかないなか企画をイチから準備した。当然スケジュールはカツカツだったが、テーマがジブリということでテンションが上がった作家陣も多く“お祭り”のような感覚に近かったという。金城さんもジブリを取材した。例えば高畑勲監督最新作「かぐや姫の物語」(11月23日公開)の西村プロデューサーは、インタビューが始まる前から終わりまで質問の答えに無駄がなく洗練された動作だったそうで、「これが日本の文化を支える人か」と金城さん自身クリエイターを支える1人として大いに刺激を受けたそうだ。
「もっと!」の執筆作家の7割以上を担当している金城さん。今夏はジブリ特集と並行して、Eleganceイブ最長寿連載の特別編でブラックジャック40周年を記念した「神の手をもつふたり〜ダーク・エンジェル外伝 ブラック・ジャック×氷川魅和子〜」(手塚治虫+風間宏子)や、担当作品「cocoon」(今日マチ子)の舞台化、7月にスタートしたWebコミックサイト「Championタップ!」での連載とビッグイベントが重なり「忘れられない夏になった」と語る。
奇しくもジブリ特集の最終校了日、宮崎駿監督の引退会見が開かれた。正直なところ、特集タイトルについては「ジブリで狂気を煽っていいのか」と後ろめたい思いもあったが、会見終盤に宮崎監督が語った「想定外の作品解釈でもそれはそれで受け止める」という主旨のコメントを聞いて気分が晴れたという。「特集には各作家のこだわり、強い思いを載せているつもりです。そこに狂気をみつけてもらえたら幸いです」
さて、そんなジブリ特集だが、この機会を逃すと読めなくなる可能性が高い。各作家のイラストやエッセイなどを単行本化する予定は現状ないからだ。雑誌は一定期間しか店頭に置かれないため、しばらくすると入手は困難になるだろう。現在は書店に並んでいるので、興味を持った人はゲットしてみてはいかがだろうか。
もっと!作家リスト(掲載順)とツイート
水沢悦子、小玉ユキ、花沢健吾、石黒正数、磯谷友紀、久住昌之+水沢悦子、石井光太+内水融、西田東、三島衛里子、青木俊直、榎本俊二、サメマチオ、きづきあきら+サトウナンキ、よるのなおこ、陸野ニニ夫、雁須磨子、つばな、伊藤潤二、阿部共実、天堂きりん、施川ユウキ、衿沢世衣子、カラスヤサトシ、クール教信者、さと、伊東七つ生、田口愛美。
関連記事
- 「風立ちぬ」興行収入が100億円突破 邦画では「ポニョ」以来
観客動員数は800万人を超えた。 - アニメーションは「世界の秘密をのぞき見る」仕事――宮崎監督が語った、引退、ジブリのこれから、作品への思い
長編映画からの引退を決めた宮崎駿監督は、会見で何を語ったか。引退の理由、ジブリの今後、作品への思いなどについてのコメントを、まとめました。 - 「今回は本気です」――宮崎駿監督、引退宣言 ナウシカ続編「ありません」
なおスタジオジブリは来夏を目指して新作を製作中とのこと。 - 宮崎駿監督の「公式引退の辞」全文 「ぼくは自由です」
「長編アニメーションではなくても、やってみたいことや試したいことがいろいろあります」と宮崎監督。 - 金曜ロードSHOW!で「紅の豚」放送 宮崎駿監督の引退発表を受け
引退発表を受けて急きょ放送予定を変更。 - 「宮崎駿監督、長編映画から引退」にネット騒然 「残念」と惜しむ声
復帰や短編などの新作に期待を寄せる声も。 - スタジオジブリ映画「かぐや姫の物語」、11月23日に公開決定
公開延期となっていた高畑勲監督の「かぐや姫の物語」の公開日が決まった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
岡田紗佳、一連の騒動を生中継で謝罪 頭を深く下げ「申し訳ございませんでした」
-
がん闘病の森永卓郎、容態急変後にモルヒネ投与で“結構厳しい状況” スタジオ出られず弱々しい声で「そう長く持たないかもしれない」「本格的に転移が始まったよう」
-
新潟のお葬式で香典返しにもらった“謎の白い物体” パッケージにも情報なし「これなんだかわかりますか?」
-
「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
-
鮮魚店で売れ残ったタコを水槽に入れたら、数週間後まさかの展開が…… 胸を打つ光景に「目が腫れるくらい泣いてます」
-
大人なら5秒で解きたい!「9+0÷2−3」の答えは?【算数クイズ】
-
「うちの祖父(81)わけてほしいわこのセンス……」 衝撃的な私服コーデに驚きの声「本物のイケジイ」「目標にします!!」
-
買ったばかりの家の風呂場に”ありえない欠陥” 信じられない状況に「そんなことある?」「取り付けた業者……」
-
「昔はモテた」と自慢げな父→娘は“絶対ウソやん”と思っていたけど…… 当時の姿に「ハハハ冗談だろ?」【海外】
-
正方形のスカーフ1枚→切ってゴムを縫い付けるだけで…… 魅力的な完成品に「デザインがきれい」「簡単に作れました」【海外】
- 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
- DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
- 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
- スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
- 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
- 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
- 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
- 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
- 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」