冬の秋田では「かまくら」の交番が常識 幻想的な横手の雪まつりをご覧ください編集部通信

雪のプロたち。

» 2014年02月18日 15時45分 公開
[加藤亘,ねとらぼ]

 雪深い秋田の冬は、交番ですら「かまくら」仕様になります。そんな秋田の冬の日常をご覧ください。

横手かまくら お勤めご苦労様です

 さすが雪国ですね……嘘ですごめんなさい。実はこれ、秋田県内陸に位置する横手市の雪祭り「かまくら」での一場面。冬季はいつもかまくらでお勤めされているわけではなく、祭りの期間だけ登場する名物かまくらなんです。そんなかまくらを実家に帰ったついでに観て来ましたよ。

横手かまくら かまくらのある風景

 「あかってたんせ」――さっそくかまくらの中で七輪を囲んで餅を焼く、人なつっこそうな子どもたちから声がかかります。豪雪地帯でもある横手市では毎年2月15日と16日に「かまくら」が催されています。雪室の中に神座を設けて水神様を祭る「かまくら」は、子どもたちが甘酒を飲んだり餅を焼いたりする民俗行事で、およそ420年の歴史があるそうです。今年は土日にあたったこともあり多くの観光客が訪れていました。冒頭の子どもたちからの誘いに、待ってましたとばかりに応えて中にお邪魔し、しばしの世間話を楽しみました。

横手かまくら 現在のかまくらは直径3.5メートル、高さ約3メートルの大きさで作られることが多いそうな。こちらは木戸五郎兵衛村にあったかまくらです

横手かまくら 雪が静かに降り、古民家とあいまってまるで昔話のよう

横手かまくら かまくらの中には水神様を祭っています。かまくらに入ったらまずはおさい銭をあげましょう

横手かまくら 中では温かい甘酒と豆餅をふるまってもらいました。豆餅うまし! 甘酒うまし! あとは世間話に花を咲かせましょう

 祭りの当日は市内のいたるところにかまくらが出現します。メインは日が暮れてからで、かまくらの中にろうそくが灯り、降りしきる雪とあいまって幻想的な景色を映し出します。人が入ることができる大きなかまくらの他に、ミニかまくらが町中にあふれていました。今では雪まつりとして定着したこともあり、前日から「ミニかまくら作り体験」や撮影会といったイベントも催されています。

横手かまくら 暗い夜道に点々とかまくらの灯りが続く

横手かまくら どんぶくを着た子どもたちがひたすら餅を焼く

横手かまくら 寺社や公共施設はもちろん、一般の家庭もかまくらを作っています

 かまくらは街中にあるのですが、主な会場は市内の7カ所ほどに固まっています。伝統的なかまくらが見られる武家屋敷通りや、城を背景に写真映えしそうな横手公園、子どもらが作ったミニかまくらが無数に並ぶ横手南小学校や蛇の崎川原などを、観光客は無料の巡回バスや徒歩でまわることになります。また、郊外にある木戸五郎兵衛村でもかまくらが作られており、豆餅や漬け物などがふるまわれ、しめ飾り作りや箱そり体験などが楽しめるようになっています。

横手かまくら 蛇の崎川原にはミニかまくらが並ぶ。蛇の崎橋から灯りが点っていく様子を眺めています

横手かまくら 川原に降りてみました。きれいですなぁ

横手かまくら こちらは横手南小学校のミニかまくら

横手かまくら 横手公園に移動。横手城の壁の白と雪の白が美しい

横手かまくら お城の直下にもかまくらが。撮影スポットと化していました

横手かまくら 武家屋敷通りはかがり火とろうそくの明かりのみで、こちらも絶好の撮影スポット

横手かまくら 秋田ふるさと村にはインターナショナルなかまくらも。当日は「かまくら The ワールド」と称して、世界6カ国の代表がかまくらで伝統の味や音楽を披露していました

横手かまくら 駅前の広場には「ラブかま」も。こちらも夜にはリア充が列をなすそうな。ストイックな自分は関係ないのでスルーします

横手かまくら そのラブかまの脇にペットボトルのかまくら発見

 今年の「かまくら」はすでに終わってしまいましたが、横手市役所横手地域局隣にある「横手市ふれあいセンターかまくら館」では、かまくら室(氷点下10度以下の冷凍室)の中に本物のかまくらを常設展示しており、防寒着を着てかまくら体験ができるようになっています。冬を待てない人はこちらを体験してみてはいかがでしょう。

横手かまくら おまけ。木戸五郎兵衛村では古民家にもお邪魔しました。こちらでもふるまいや昔語りが行われていました

横手かまくら 古民家の中には農具や昔の生活道具が展示されています

横手かまくら 中は暖かいなー

横手かまくら 囲炉裏だー!

横手かまくら 囲炉裏を囲んでいただく、おしること漬け物がまたうまいこと。ごちそうさまでした

 ちなみに、かまくらをどうしても作ってみたいという方は、秋田県のローカルヒーロー・超神ネイガー先生がガチな作り方を教えてくれているのでそちらを参考にしてください。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  6. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  7. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/21/news005.jpg 藤本美貴、晩ご飯に手料理7品 多忙でも野菜とお肉たっぷりで反響 「お疲れ様です」「凄く親近感」【2024年の弁当・料理まとめ】
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」