「ニンジャスレイヤー」原作者ブラッドレー・ボンド&フィリップ・N・モーゼズにインタビュー[1/2]

サイバーパンクニンジャ活劇「ニンジャスレイヤー」アニメ化決定! 原作者の2人に話を聞いたぞ!

» 2014年08月02日 23時00分 公開
[Tokyo Otaku Mode]
tokyoOtakuMode

TokyoOtakuModeのインタビュー記事の日本語版を掲載しています。

 日本では今、あるノベル作品がTwitterをにぎわせている。それは、独特の言語センスや極端な日本社会描写を特徴とするサイバーパンクニンジャ活劇「ニンジャスレイヤー」だ。Twitter上でストーリーをリアルタイム更新するという、独特の連載形式で、現在4万7000以上のフォロワーを獲得している(英語版はTokyoOtakuMode(TOM)で連載中)。

 人気のあまりついにアニメーション化が決定し、今年4月に発表された。制作を手がけるのは、「リトル・ウィッチ・アカデミア」や「キルラキル」で話題を集めるスタジオトリガー。ノベル版がアニメになってどんな変貌を遂げるのか。日に日に周囲の期待が高まっている。

 7月3日には、Anime Expo2014(アメリカ、ロサンゼルス)にてアニメ版の第1弾PVを世界最速公開した。今回は、そんな「ニンジャスレイヤー」の原作となる小説版を手がけた2人、ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズに話をうかがった。

── お二人の自己紹介をお願いします。これまでの簡単な経歴、ニンジャスレイヤーではどのような部分を担当したか、現在のお仕事の状況を教えて下さい。

 ドーモ、ブラッドレー・ボンドです。

 ドーモ、フィリップ・ニンジャ・モーゼズです。我々の詳細なプロフィールはお答えできません。何故なら我々は常に、ニンジャによる攻撃や盗聴の脅威にさらされているからです。

 すみません。ただひとつ確実に言えることは、私たちは「タンクの中に浮かんだ脳味噌」ではないと言うことです。我々は人間です。我々が最初のニンジャスレイヤーを執筆したのは、90年代中盤です。

 作品の執筆は、完全な共同作業です。エピソードごとにメインの執筆者を決めるときもあれば、完全に2人で書くときもあります。2人とも、プロットも、スクリプトも、イラストも、デザインもできます。明確な役割分担はありません。我々はふたりでひとつのチームです。

 作品の執筆は、完全な共同作業です。エピソードごとにメインの執筆者を決めるときもあれば、完全に2人で書くときもあります。2人とも、プロットも、スクリプトも、イラストも、デザインもできます。明確な役割分担はありません。我々はふたりでひとつのチームです。

 現在は第3部のリライト、それからTOMでの公開に合わせて英語版第1部のマイナーバージョンアップを行っています。なぜか? 私はどうも凝り性の傾向があり、少しでも時間があれば、改稿してより良いものにしようとするからです。一部の日本語や日本文化の英語表記については、翻訳チームからフィードバックをもらい、多少修正しています。

── ニンジャスレイヤーは妻子を殺された男性と、暴力渦巻く裏社会を描いています。劇中では神秘的な存在と捉えられているニンジャたちの抗争劇を生み出したきっかけを教えて下さい。

 まず最初にあったのは、ニンジャスレイヤーという言葉でした。私がそれを思いつき、フィルがコンセプトスケッチを描いたのです。

 しかしスケッチを描いている途中で、何かが不足していると感じました。日本語を勉強していたボンドが、インターネットで調査して「忍」「殺」という漢字を教えてくれました。それをニンジャスレイヤーのスケッチに描き加えた時……私は雷に打たれたような、あるいは生まれて始めてロックを聴いたときのような衝撃を味わいました。完成したスケッチは最高にクールだったからです。。

 ニンジャを殺す者、ニンジャスレイヤーの誕生の瞬間でした。日本において、ニンジャは半神的存在として恐れられています。それを殺す者です。それは復讐と反抗の象徴としか考えられませんでした。

 すぐに、彼と戦わせるためのヴィランが必要だと考えました。情け容赦ないニンジャのヴィランです。ラオモト・カン、ダークニンジャ、シックスゲイツのニンジャたち……数多くの魅力的なニンジャが生み出されました。ストーリーや舞台より前に、まず、キャラクターたちが生まれたのです。

 敵はたくさんいて、強大なニンジャ組織を作っている。しかしこの作品は子供向けではない。いい歳をした大人が読む良質なパルプを作りたかった。アダルトな読者が読むにたえうる「悪の組織」とは、なんだろうか? 自然と「彼らはニンジャの正体を隠して裏社会を取り仕切っている存在だ」ということが決まりました。ソウカイ・シンジケートの誕生です。私たちはブレードランナーの夜景や、ニューロマンサーの「チバ・シティ」や、リアルな犯罪を描いたバイオレンス・ムービーやヤクザ・ムービーが大好きだったので、舞台はスリリングな犯罪都市ネオサイタマになりました。

 このテーマにいきついたのは、自然なことでした。暴力や復讐や反抗、それとバランスを取るような奥ゆかしい自制心やゼン、というテーマは誰にでもわかりやすく、どれだけテクノロジーが発達しても、いつの時代でも、読者の共感を得やすいものだからです。それに我々は二人とも、そうしたテーマが大好きです。

── ニンジャスレイヤーの英語版が配信されたきっかけを教えて下さい。

 それはもちろん、我々の作品を世界中の人に読んでもらいたかったからです。いずれは正式にアメリカでも出版し、金を得て、モーゼズの家のプリンターを修理する魂胆です。(註:かつてニンジャスレイヤーは、彼の家のプリンターで印刷され製本されていた)。

 大昔に印刷した内容を、そのまま再度使うという手段もあったが、そうしませんでした。それはバージョンが古く、日本で刊行されているものより1世代前だったからです。

 たビジュアルイメージについては、日本で刊行されたものをベースにしたかったという強い思いがあり、エンターブレイン社との交渉の結果、まずはTOMを通してこのような形で発表していく。なぜそのようにしたか? わらいなく氏のアートワークが、そのくらい素晴らしいからです。彼のアートワークはニンジャスレイヤーに新たな可能性を、我々には新たなインスピレーションを与えてくれました。

 本来、ニンジャは日本のものです。しかし多くのアメリカ人がニンジャを好み、数々のニンジャ映画やニンジャゲームを作った。それらに影響を受けた我々がこの作品を書き、日本で人気を博し、日本のアーティストが絵を描いた。素晴らしいことです。私はミクスチャーやリミックスが大好きです。これによって、日本文化とアメリカ文化のミクスチャー度合いがより高まり、作品がより混沌に向かって進化していくからです。

「ニンジャスレイヤー」TOM Official Site

ニンジャスレイヤー 公式Twitterアカウント

英文記事:Interview: "Ninja Slayer" Creators Bradley Bond & Philip N. Morzez [1/2]

© Tokyo Otaku Mode Inc.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/25/news083.jpg 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  2. /nl/articles/2501/25/news063.jpg 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  3. /nl/articles/2501/23/news050.jpg 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  4. /nl/articles/2501/25/news011.jpg 【ハードオフ】5500円で売っていた“とんでもないPC” 搭載されていたのはなんと……「神引きやないですか」「うらやましすぎです」
  5. /nl/articles/2501/14/news118.jpg 水はけが悪いぐちょぐちょの庭に“あるもの”を敷いていくと…… 感動のビフォーアフターに「雑草対策にもなる」「我が家もやってみます!」
  6. /nl/articles/2501/23/news065.jpg DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  7. /nl/articles/2501/25/news019.jpg 61歳のおじいちゃんが“9年かけて”大変身! まるで別人のような“現在”に「ただただすごい!」と2000万再生【海外】
  8. /nl/articles/2501/24/news054.jpg 子どもに“動画視聴をやめさせる方法”が目からウロコ 「あと8年早く知りたかった」「素晴らしいアイデア」と40万表示
  9. /nl/articles/2501/25/news056.jpg 彼氏の28歳誕生日、彼女がイメチェンをプレゼントしたら…… 驚がくの大変身に「えっ!?」「別人みたい」
  10. /nl/articles/2501/24/news188.jpg 登録者63万人のカップルYouTuber、“家族の死”を報告 早すぎる別れに「嘘でしょ??」「信じられない」の声続々
先週の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  4. 鮮魚店で売れ残っていたタコを連れ帰り、水槽に入れたら…… ヤバすぎる光景に「こんなに可愛いなんて!」「笑ってしまった」
  5. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  6. 「まじで終わってる」 マクドナルド「エヴァ」コラボ品“高額転売”に嘆く声…… 「結局欲しい人が買えない」
  7. 母に「髪染めやピアスはダメ」と言われ続けた25歳東大女子、大変身を決意したら…… まさかの事態に「さすがにおもろい」「涙出てきた」
  8. 賞味期限「2年前」のゼリーを販売か…… 人気スーパーが謝罪「深くお詫び」 回収に協力呼びかけ
  9. 風呂上がりに偶然「牛乳を注ぐ女」になった人に反響 「ほぼそのままw」「盛大にふきだした」 投稿者に話を聞いた
  10. タンクトップ姿のパパ「昔はモテた」→娘は信じていなかったが…… かつての姿に衝撃走る「『トップガン』に出ていても納得」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」