「てるてる坊主の歌」が怖すぎる? 削除された1番の歌詞とは
そもそもなぜ「てるてる坊主」に晴れを託すのか、なぜあのような歌詞になったのか……。
運動会や遠足の前日に「あ〜した天気にしておくれ」と歌いながら、てるてる坊主を吊るしたという方も多くいらっしゃるのでは。親しみぶかい童謡「てるてる坊主」ですが、歌詞が残酷すぎるとして3番がカットされることもあるようです。そもそもなぜ「てるてる坊主」に晴れを託すのか、なぜあのような歌詞になったのか……その理由をさぐってみたいと思います。
童謡「てるてる坊主」
作詞・浅原鏡村 作曲・中山晋平
(1番)
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のよに 晴れたら金の鈴あげよ
(2番)
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら あまいお酒をたんと飲ましょ
(3番)
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ
てるてる坊主にまつわる伝説。キーワードは「命がけ」!
てるてる坊主で晴れを祈る風習は、平安時代に中国から伝わったのだそうです。ただし中国では「坊主」ではなく、箒を持った女の子……「晴娘」という名の少女にまつわる伝説がその起源といわれています。
遠い昔、雨が降り続いて困っていたとき、天から「その美しい娘を差し出せば晴れにするが、差し出さなければ都を水没させる」と声がしました。人々を大雨から救うため、少女が犠牲となり天に昇ると、空は雨雲を箒で掃いたように晴れわたったといいます。切り紙の得意だった彼女を偲んで、娘たちは紙で「掃晴娘(そうせいじょう)」を作って吊るすようになったのです。
日本では、天候の祈祷をする僧侶に因んで「坊主」になったのでは、といわれています。「てるてる坊主の頭の中身」にまつわる、ちょっと閲覧注意?な伝説も……。
昔、降り続く雨に困っていると、ひとりのお坊さんがやって来ました。お経を唱えてもらえば必ず晴れることで有名なのだといいます。そこで殿様の前でお経を唱えてもらいましたが、次の日も雨は降り止みませんでした。罰として、お坊さんは首をはねられてしまいます。その首を白い布で包んで吊るしたところ、次の日はよく晴れました。これがてるてる坊主の始まり、なのだそうです。
作曲者が歌詞を削除……でもなぜこっち?
「てるてるぼうず〜てるぼうず〜」という不思議な明るさのメロディーは、子供の明日への期待と不安が伝わってくるかのようですね。
大正時代につくられたこの歌の作詞者は、小説家の浅原鏡村(六郎)さん。これが唯一作詞した童謡で、ご自身は憂いの多い幼少時代を過ごしたようです。作曲者の中山晋平さんは、「しゃぼんだま」「証城寺の狸囃子」「あめふり」「せいくらべ」「雨ふりお月」「うさぎのダンス」等々、まさに童謡界のヒットメーカー。
この「てるてる坊主」(原題「てるてる坊主の歌」)は、もともと4番まであったものを作曲者がワンコーラス削除してしまったそうです。いくら実力者とはいえ、人が書いた歌詞を1番まるごと……ということよりも、じつは削除された歌詞の内容が現3番と同様「晴れない」結果でありながら、なぜか「穏やかで優しい対応」をしているというのです!
(削除された幻の1番)
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
もしも曇って泣いてたら 空をながめてみんな泣こう
いかがですか。
どうしてこちらが削除され、「残酷な対応」のほうが残されたのでしょう。一説には「首を切る」という表現には「虫をちぎるなど残酷な一面をもつ子供の特性」を表しているとも、「願望を通そうとする権力者の暴力」という意味が潜んでいるともいわれます。
けれど……「てるてる坊主」との関係で、「首をチョンと切る」ような力ある立場に、当時の子供がいたのでしょうか? 残虐な愉しみの入る余地など、あったのでしょうか?
天気予報が発達した現代でさえ、人間の力で雨を自在に降らせたり晴れにしたりはできません。当時の子供は、本当に大事な日は「力をもつ」てるてる坊主に本気でお願いしたでしょう。思いつく最大限の褒賞が「金の鈴」や「あまいお酒」であり、最大限の脅し(罰)が「首を切る」だったのではないでしょうか。「いちばんいいものあげるか首を切っちゃうかだよ!」と脅してでも晴れにしてほしかったにちがいありません。
そんなときに、「ダメな場合は一緒に泣こう」なんて計画はぜったい考えられないはず。リアルな感情を追求したら、こちらが削除されて当然、そんな気がするのです。
もっとも、いまの教育界だったら「3番」のほうが幻になっていた可能性も大いにありますが……。
明日のワクワクをあずけて寝ましょう
明日の予定が楽しみで眠れないとき、てるてる坊主が後を引き受けてくれるから、もう寝ても大丈夫。いまも子供たちはそれで安心して布団に入るのかもしれません。現代のてるてる坊主は、子供と空の交信係という感じでしょうか。
「雨にしてほしい」場合は、逆さに吊るすか黒くするとよいのだそうです。また、作る時はのっぺらぼうにして南天の木に吊るし、願いが叶ったら必勝ダルマのように顔を描き入れるのが本来のお作法なのだとか……けれど子供の作る笑顔のてるてる坊主は、明日のワクワクを先取りするような楽しさがありますよね。
作詞者のふるさと、長野県池田町にある「てるてる坊主の館」でも、表情豊かなてるてる坊主たちが来訪者を迎えてくれるようですよ!
あわせてチェックしたい
関連記事
- もう水滴に悩まされない ぬれた面を内側にしまっちゃう傘「KAZbrella」登場
逆転の発想。 - 東京で今年初真夏日に? 急な暑さに注意
熱中症に注意。 - ワンコの運動不足解消に! 自宅で障害物競走ができちゃうグッズ
競技場に行かなくてもいいから手軽。 - ネコちゃんと一緒に乗れるネコ専用自転車で行くヨーロッパ300マイルの旅がステキ
人間がこいでネコちゃんは遊んでます。
Copyright (C) 日本気象協会 All Rights Reserved.
-
「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
-
川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
-
中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
-
大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
-
「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
-
猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
-
なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
-
大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
-
「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
-
「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた