ダイオウイカから、空飛ぶイカまで――不思議なイカのお話

ここ数年のダイオウイカブームが続いていますが、実はイカの世界は奥深く、様々な面白いイカがいるのです。

» 2015年06月29日 08時00分 公開
[日本気象協会 tenki.jp(http://www.tenki.jp/)]
Tenki.jp

 2013年に深海に生きる巨大な「ダイオウイカ」の撮影を世界で初めてNHKが成功し、大きな反響を呼びました。そして昨年、日本各地でダイオウイカが次々と揚がったことも記憶に新しいですね。

 ここ数年のダイオウイカブームが続いていますが、実はイカの世界は奥深く、様々な面白いイカがいるのです。たとえば空飛ぶイカの「トビイカ」。さらに「ユウレイイカ」「チョウチンイカ」という風変わりのものも!

 そこで今回は、面白くて摩訶不思議なイカの世界をご案内します!

NHKのダイオウイカのスペシャル番組に合わせて公開された、約15mのプロジェクションマッピング

世界最大級の無脊椎動物と言われる巨大なダイオウイカ

 ダイオウイカは、世界最大級の無脊椎動物と言われる巨大なイカ。全長は最大で18mになると言われています。水深600〜1000mに生息していて、神秘の謎に包まれています。

 2013年には、スペインで全長9m、体重180kg!のダイオウイカが打ち上げられているのが発見され、地元メディアは大騒ぎになりました。打ち上げられた様はまさに怪物のよう。この巨大イカが、北欧伝説の海の怪物「クラーケン」(海のなかに船を引きずり込むイカ)の正体だという説もあるのもナットクです。その目は、人間の頭ほどの大きさになることもあるとか……。

 日本では2014年1月〜5月の間だけで、日本海側を中心に18体ものダイオウイカが発見されました。全長は大きいもので約5m。とにかく大きいイカですが、これほど次々に揚がるのは、とても珍しいことなのです。

空飛ぶイカの飛行行動を、北海道大学が初めて解明

 人間の数倍の大きさの巨大なイカがいることにも驚きですが、空を飛ぶイカもいるのですね。名前は、「トビイカ」。

 2013年に北海道大学の水産学部チームが、トビイカの飛び出しから着水までの一連の行動を連続写真に収めることに成功し、イカの飛行行動を世界で初めて解明しました。

 その飛び方は、墨を吐き出す漏斗(ろと)という部分から水を勢いよく噴射させて、その勢いでジェット推進し、さらに腕とヒレを広げてバランスを取りながら海上を飛び、着水するとか。飛行距離は20〜30m。トビウオ同様、捕食者から逃げるために、飛ぶ能力を発達させたそうです。

 このトビイカは全長20〜30cmくらいの可愛らしいものですが、100匹以上の集団で飛ぶ姿は圧巻で、生命の躍動を感じさせるものです。

可愛らしい姿の「ダンゴイカ」は、なんと小指の先ほどの大きさ(約2cm)!

日本近海には100種類以上のイカがいる!

 イカの種類は、世界に約450種もいます。そのうち日本近海では、140種くらいが確認されているそうです。

 細長い体がユラユラと深海を漂うことから名付けられた「ユウレイイカ」や、イカなのに足が8本!(正確には腕)の「タコイカ」など、面白いイカもいろいろいます。ダイオウイカと違い、約2cm程度の「ダンゴイカ」も水中で見たら、きっとその可愛さに目がクギづけになるはず!

 イカの神秘的な美しさをとらえた「世界で一番美しいイカとタコの図鑑」という素晴らしい写真集もあります。

 イカは食べるだけではもったいない! ぜひ興味をもって、海の世界をのぞいてみてください。素敵な発見が待っているはずです。

参考/北海道大学プレスリリース「イカはホントに空を飛ぶ:イカの飛行行動を世界でめて解明」(北方生物圏フィールド科学センター 助教・山本潤)2013年2月7日 PDFより
『世界で一番美しいイカとタコの図鑑』 窪寺恒己・監修  峯水亮・解説 エクスナレッジ

あわせてチェックしたい

Copyright (C) 日本気象協会 All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/17/news102.jpg そうはならんやろ “0円の画材”と“4万円の画材”、それぞれでジョーカーを描いてみた結果に驚き【海外】
  2. /nl/articles/2409/18/news120.jpg マクドナルド、兎田ぺこらとのコラボ匂わせ→斜め上の解釈で生まれた“架空のキャラ”に爆笑 「それにしか見えないw」
  3. /nl/articles/2409/17/news182.jpg 心身不調の壇蜜、1年の“30%以上が入退院”な難事に本音吐露 次々襲うネガティブ変化に「難所は多種多様」「長生きって難しい」
  4. /nl/articles/2409/17/news034.jpg 「ジオング」を“貴婦人風”に徹底アレンジした結果…… 2年がかりの“超大作3DCG”に反響 「立体化してほしい」
  5. /nl/articles/2409/18/news144.jpg 「普通に失礼だとか思わないんかな」 小浜線公認キャラの展示パネルを覆うように“貼り紙”で謝罪 観光協会「不快な思いをさせた」
  6. /nl/articles/2409/16/news010.jpg 100均のクッションゴム、まさかの使い方に目からウロコ 家中の“プチストレス解消法”に「思いつかなかった!」「これはすごい」
  7. /nl/articles/2409/18/news128.jpg 大竹しのぶ、お別れ近づく“孫娘”と笑顔のペアルック 10年後の17歳でも「私達の事覚えていてくれるかなぁ」
  8. /nl/articles/2409/18/news164.jpg 売上7億円超の人気漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴した訴訟が和解 同一原作の後発漫画が出版されトラブルに 出版社は謝罪
  9. /nl/articles/2409/15/news052.jpg 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  10. /nl/articles/2409/17/news173.jpg 普通に買い物してる!? 佐々木希、 “すっぴんノーガード状態”で地元スーパーに出没「違和感半端ない」「隠しきれない美人オーラ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  2. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  3. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  4. 「僕ですかこれ」 垢抜けたい男性が“劇的イメチェン”→その大変身に「すげええ!」「泣けたわ」と仰天
  5. 第5子妊娠中の宮崎麗香、子どもたちとの“奇跡の1枚”が撮影される ギャップ満載な“現実”ショットも話題に
  6. そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
  7. 天皇皇后両陛下の那須静養、愛子さまが天皇陛下のため蚊を手で払う場面も…… “仲むつまじいショット”が約240万再生
  8. 「脳がおかしくなった」 新宿駅を出る→“まさかの光景”に思わず三度見 「意味わからん」「田舎者にはマジでダンジョン」
  9. 合宿前の兄たち、0歳末っ子と離れたくなくて…… メロメロな“別れの光景”に「あーもうなんて尊い」「幸せ」430万再生突破
  10. 雑草だらけの庭が“たった1台の草刈り機”で…… “見事な変化”に7000万再生 「よくやった」「まさにプロ」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」