フジパンのパッケージの裏側に書いてある番号に電話すると、民話が聞けるらしい
あまり知られてなさそうだけど、誰が電話してるんだろう……?
フジパン商品のパッケージの裏側をじっくりご覧になったことはありますか? 私はあります。自分の代謝を過信してはいけない年齢なので、カロリーにも気をつかわなければいけないのです。
先日も透明なぴかぴかの袋に印字された成分表を眺めながら咀嚼(そしゃく)していたところ、「お問い合わせ窓口」の他に電話番号が列挙されていることに気づきました。しかも「民話が電話で聞けるヨ!」というポップな見出し付きで。
なぜこんなサービスが? 満腹中枢が刺激されてぼんやりしている頭をすっきりさせるためでしょうか。はたまたコンクリートジャングルに這いつくばる社畜にかりそめの安らぎを与えるためでしょうか。
いずれにせよ、アニメ「日本昔ばなし」を毎週楽しみにしていた世代としては、食いつかざるを得ないネタです。早速iPhoneの画面をタッチしました。
電話番号は東京、大阪、名古屋、新潟など地域別に8つ記されており、ダイヤルすれば5分程度の民話が聴けます。お話は毎週更新され、どの地域の番号でも同じ内容になっているとのこと。
「フジパンがお送りする(ここでチョン! と効果音)とんとむかしあったとさ。今週のお話は、○○県に伝わる……」という決まり文句の後、年配の声優さんによる穏やかなナレーションとお芝居が、いい意味でチープなBGMを交えながら、ゆったりとしたテンポで展開されます。ちなみにこの週に更新されているのは、カッパと尻子玉のエピソード。なるほど、まごうことなき民話です。特になんのギミックもありません。
と、思いきや、最後の最後でナレーションが溌剌とした声調の女性にバトンタッチ! 「今週は簡単なパンのレシピを紹介します。名付けてポテトトースト! まずはジャガイモをオーブンレンジで……」と、ひとりぐらしにはありがたいレシピも紹介してくれました。
たった5分、されど5分。電話するだけで教訓めいたものを安らぎを学べるのみならず、フジパンならではのこんなサービスもやってくれるだなんて、今まで知らなかったことが惜しまれるような、ほっこりしたひとときでした。
ちなみに、オフィシャルサイトでは500近くの過去にアップされたお話を試聴できます。ほっこりするもの、妖怪が出てくるもの、さらに民話というより都市伝説に分類されるのでは? というものまでよりどりみどりなので、ぜひこちらもアクセスしてみてください。
(町田ノイズ)
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