白石晃士監督インタビュー:「ほぼ無名」の低予算ホラーが起こした奇跡 ネット騒然「コワすぎ!」人気の理由は (1/2)
niconicoを中心に一部でカルト的人気を誇る「コワすぎ!」シリーズ。夏の一挙放送を前に、白石晃士監督に撮影の裏側や制作の狙いを聞いた。
今年もニコニコ生放送で「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」が一挙放送される季節になった(関連記事)。ほんの1年半前まではほぼ無名だったシリーズが、今ではホラー特集企画の看板的存在になった。
「最初にファイル1をリリースした時は、ブログやTwitterを含めても片手で足りるくらいしか反応がなかった。それが短期間にこれだけの人に見てもらえて、しかも日に日に、目に見えて満足度が上がっていくという、またとない体験ができました」(白石晃士監督)
転機になったのは2014年。シリーズ6作目にあたる「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版」公開にあたり、ニコニコ生放送で過去作を無料上映したところ、人気が爆発した。1夜目では10%そこそこだった満足度が、回を重ねるごとに上がっていき、最終日には90%を超えた。
「コワすぎ!」は、「ノロイ」や「カルト」などで知られる、白石晃士監督によるホラーモキュメンタリー(ドキュメンタリー風ドラマ)シリーズ。2012年に第1作がリリースされ、7月26日にニコニコ生放送で初上映される「超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚! 蛇女の怪」で通算9作目となる。
予算も少ない、有名な俳優が出ているわけでもない。レンタルビデオ店のホラーコーナーにひっそりと置いてあるような、一見よくある「低予算B級ホラーシリーズ」がなぜこれほど人気なのか。白石晃士監督に聞いた。(※インタビューは6月12日に収録したもの)

最初は検索しても感想すら出てこなかった
―― 立ち上げ当初の感触はどうでしたか?
白石晃士監督 感触は何もなかったです(笑)。感想を検索しても出てこなくて、ファイル2が出た後くらいに、やっと2件か3件ヒットしたかな。見てもらえればおもしろがってもらえるという確信はあったけど、最初はなかなか拡散されなかったですね。
―― 転機になったのはやはりニコニコ生放送ですか。
白石監督 最初は忙しくて見てなかったんですよ。でも途中から見はじめたら、徐々に満足度があがっていって、最後の一挙放送では90%超とかになって。うなぎのぼりでした。まさに目に見えて上がっていくのを見れた。
―― 企画の初期段階で、プロデューサーと「ニコ生でやったら盛り上がるよね」という会話があったと聞きました。
白石監督 もともと想定していたのは、「Xファイル」とか「ツイン・ピークス」なんかが好きな人だったんです。謎があって、キャラクターが立っていて、単純なようでいて複雑なモザイクのようになった物語構造。オタク向けというか、よく見ていくほど面白味があるものにしたいなと。そういう流れで、ニコ生ユーザーとか、同人誌とか書く人に受けたらいいね、みたいな話はありましたね。やおい本とか作られたら面白いよねとか。
―― 白石監督と言えば、ネットやファンとすごく距離が近いイメージがあります。ニコ生もそうですし、よくTwitter(@shiraishikouji)で「コワすぎ!」や自身についてのつぶやきを大量にリツイートしていますよね。あれは狙ってやっているんですか?
白石監督 あれは、ホントは苦しいんだけど、タダで宣伝できるので使わない手はないなという感じでやってます。
―― 苦しいのにやってるんですか(笑)。
白石監督 リツイートまでするのって、カッコいい行為ではないじゃないですか(笑)。でもリツイートすることで、間接的にでも関わりを持てたことをうれしがってくれる人がいて、それはよかったと思ってます。
―― 僕もよく監督にリツイートされたのを見てニヤッとしてます。
白石監督 普通だったらフォロー外しますよね、リツイート数が異常なので。でも減るどころか今も増え続けていて、ありがたいです。
―― Twitterの制限にひっかかったりはしないですか。
白石監督 ニコ生の後とかは感想も増えるので、全部リツイートしようとして制限がかかっちゃったことはありますね。Twitterだとあんまり悪い意見は出てこないですけど、いい意見も悪い意見も分けへだてなくリツイートするようにはしていて、時々自分でも参考にしたりしてバランスをとってます。
―― 実際に作品に反映させた部分はありますか。
白石監督 「最終章」は私(カメラマン田代)がインターネットで生放送しているっていう体にしましたが、あれはニコ生のリアクションを見ていて「生は面白い!」って思ったからです。最初は生放送ではなかったんですが、書いてるうちにこっちの方が臨場感が出るなと。
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