焼き鳥を串から外して食べるのはダメ? マナーに詳しい人に教えてもらおう

からあげにレモンをかけるかどうかにも通じる問題。

» 2015年07月19日 15時40分 公開
[吉岡綾乃ねとらぼ]

 居酒屋などで注文することの多い焼き鳥の盛り合わせ。食べる前に串を外してバラバラにするのはダメ? という話題が、Twitterで議論されているようです

焼き鳥の盛り合わせ

 きっかけになったのはこのマンガ付きツイートでした

 飲み会などで焼き鳥の盛り合わせを頼んだときなど、大勢で分けやすいよう、先に串から外す人がいます。気を利かせて率先して行う行動である半面、焼き鳥をつくる立場の人からすれば、(悪い意味で)「グッとくる」というもの。

 ネットの反応を見ていても、賛否両論真っ二つです。「焼き鳥は串有りきで焼き鳥なんだ 串に刺さってない焼き鳥なんかただの焼いた鶏だ」「焼き鳥、串に刺さってこそ焼き鳥感があって美味しいのになんで外しちゃうかなー」「つくねとかはいいとしても砂肝は飛び散る」などの“串のまま主義派”もいれば、「焼き鳥を串から外さないって言う人は飲み会で焼き鳥を食べない人」「マナーとかじゃなくて食べやすいから串からはずしてる人が大半じゃないの…俺も家とかでも外してよく食べるし」「焼き鳥って4本ぐらいでお腹結構ふくれるし他のものも食べたいから串外したくなるのもわかる」といった“外すの推奨派”もいるようす。

 改めて自分を振り返って考えてみても、これ、けっこう難しい問題です。「わざわざ串に刺して焼いて出しているのに、食べる前に外してしまっては邪道」という作り手の気持ちはよく分かりますし、筆者自身「串から外すと冷めやすいし、おいしくなくなる」と思っています。その半面、自分自身で串から直接焼き鳥を食べながら「あまりお行儀がいい感じではないなあ」と思うことも……。

 飲み会などの席で、焼き鳥を食べる前に串から外すのはいいのか悪いのか? 以前「出されたお茶を飲むのは失礼かどうか」(参考記事)を教えてもらった、グローバルナレッジネットワークの田中淳子さんとSix Stars Consultingの原田由美子さんに、今回は「会社の飲み会だったら?」という仮定で、焼き鳥マナーについて聞いてみました。

決まった正解はないけれど……

 田中さんも原田さんも「これが正解というのはない」と前置きしつつ、教えていただいた内容はほぼ一致していました。

 まず一般的に「焼き鳥専門店なら一人ずつ串を頼んで欲しいだろうし、気軽な居酒屋などであれば、お店の人としてはどちらでも気にしないでしょう」と田中さん。

 「きっかけとなったマンガにもあるように、基本的には焼き鳥は、料理として見ると1本の串で刺した状態で食べるもの。食べる前に外してしまっては、肉汁が出てしまったり、冷めてしまったり(おいしくなくなる)。また『他の人の手で触られるのが気になる』という方もけっこういます」(原田さん)

 意見が割れていることからも分かるように、串のまま食べたい人も、分けて食べたい人もいるのがこの話の難しさ。また、そのまま食べたくても人数分の串がなく、分けざるを得ないこともあるでしょう。なので、大切なのは「その場にいる人がどちらを望んでいるのか、意識合わせをすること」という点も、二人とも一致していました。

 具体的にどうすればいいのか、まとめてみました。

  • 盛り合わせで出てきたり、人数分の串がないといった場合には「それぞれ取ります? 外します?」などと確認。「外して」と言う人がいれば外すし、「串ごと食べたい」という声があれば各自で好みの串を取る
  • 焼き鳥が載ったお皿ごと持って「お好きなものをお取りください」と勧める。「外して」と声がかかったら、取り箸とおしぼりを用意してもらって手際よく外す
  • お店の人に頼んで外してもらうと、きれいに盛り付け直してくれることもある(店による)

「から揚げレモン問題」にも通じる……?

 そもそも会食というのは「食べる」だけが目的ではなく、「コミュニケーションすること」が目的なはず。だとすれば、コミュニケーションの一つとして、「串から外す? そのままにする?」という問いかけができることが大事だ、と田中さんは言います。

から揚げレモン問題にも通じる……?

 飲み会ならではのルールという観点でいくと、根底は同じだと思われるのが「から揚げの盛り合わせにレモンをかけるべきかどうか問題」。これも、そうしたい人としたくない人が両方いる話です。「『から揚げに黙ってレモンをかける』のが良いか悪いかではなく、『かけますか?』と確認すればいい話です。勝手にやってしまうことが問題、つまりはファシリテーション(注:会議などの場で、メンバーのコミュニケーションを促進したり、成果が上がるよう支援すること)です」(田中さん)

 マナーとは気分よく過ごすための約束事のようなもの。どうすれば気分良く過ごせるかは、その集団ごとに感じ方が異なって当然です。焼き鳥を串から外すか、から揚げにレモンをかけるか――小さな話ではあるけれど、そういう場でも他者の言い分や気持ちを聞いて合意して進行できる人は、きっと会議などでも仕切り上手。そう思って周りを観察すると、人を見る目が変わる……かもしれません。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/22/news086.jpg 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に
  2. /nl/articles/2502/21/news157.jpg 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  3. /nl/articles/2502/22/news059.jpg 「17歳ってまじ?」老けて見られる長髪青年を理容師がカットすると…… 「彼の人生を救ったね」「パーフェクトだよ!」【海外】
  4. /nl/articles/2502/20/news011.jpg 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. /nl/articles/2502/22/news024.jpg 釣れたアオリイカを2カ月飼ってみると…… 同じイカとは思えぬ変化に「魚より賢くてかわいい」「なんて凄い映像」
  6. /nl/articles/2502/21/news028.jpg 業務スーパーで買ったアサリを水槽に入れて120日後…… “まさかの大事件”に衝撃「うわーー」「あさりちゃーーーん!」
  7. /nl/articles/2502/19/news035.jpg 温かそうだけど…… 呉服屋さんが教える「マフラーの巻き方」になぜか既視感 「あの巻き方ってこうやってたの!?」
  8. /nl/articles/2502/22/news029.jpg 「コレ知らないと老けるよ?」 プロが教える“10歳若返る整形メイク” ちょっと工夫するだけで印象ガラリ「毎日古メイク全開でした」
  9. /nl/articles/2502/21/news145.jpg 「キスの会しよう」 華原朋美、高級接待した記者に“関係迫られる”トラブル 激怒の相手に5歳息子も怯え「あの人頭おかしいよ!」「ママやばい」
  10. /nl/articles/2502/21/news053.jpg 「助けて。息子がこれで幼稚園に行くってきかない」→まさかのアイテムに母困惑 「行かせましょう!」「控えめに言って最高」と反響
先週の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  4. 雑草ボーボーの荒れ地に“牛3頭”を放牧→2週間後…… まさかの光景に「感動しました」「いい仕事してますねぇ~!!」
  5. “この子はきっと中型犬サイズ”と思っていたら……たった半年後とんでもない姿に 「笑わせてもらいました」
  6. 年の差21歳で「夫は娘の同級生」 “両親大激怒”で結婚は猛反発されるも……“まさかの行動”で説得
  7. 163センチ、63キロの女性が「武器はメイクしかない」と本気でメイクしたら…… 驚きの仕上がりに「やっば、、」「綺麗って声でた」
  8. サイゼリヤ、メニュー改定で“大人気商品”消える 「ショック」悲しみの声……“代わりの商品”は評価割れる
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 「さすがに無神経な内容」 “暴言受けた”伊藤友里が降板発表→岡田紗佳の直後の投稿に批判の声 Mリーガーも反応
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議