こんなの待ってた! アメコミの効果音を集めた辞書がマニアックすぎて心くすぐる司書メイドの同人誌レビューノート

今週はサークル「FANDOMAIN」さんの同人誌「アメリカンコミックス効果音辞典 スーパーヒーロー誕生から70年代まで」をご紹介。

» 2015年12月27日 11時00分 公開
[シャッツキステねとらぼ]
シャッツキステ

 スーパーマン、スパイダーマン、アイアンマン……アメコミのヒーローたちは昨今、紙面から飛び出してスクリーンでも大活躍していますね。私自身、アメコミのヒーローに触れたのは、マンガよりも映画が先だったかもしれません。

advertisement

 初めてマンガとしてアメコミヒーローを見た時は、そのしっかりとした線や色使いにびっくり! それと同時に、背景にがっちりと書き込んであって、視覚的にもどーんと飛び込んでくる“効果音”がとっても印象に残りました。

 その効果音が何を表現しているのか……なんとなくしか分からなかった私ですが、今回うってつけの同人誌に巡り会いました!


今回紹介する同人誌

「アメリカンコミックス効果音辞典 スーパーヒーロー誕生から70年代まで」A5 32ページ 表紙・本文モノクロ

著者:井島ワッシュバーン パトリック(通称:patokon)


アメリカンコミックス効果音辞典 スーパーヒーロー誕生から70年代まで アメリカンコミックス効果音辞典 スーパーヒーロー誕生から70年代まで

AからZまでたっぷりのアメコミ効果音!

 同誌には、スーパーマンがデビューした「アクション・コミックス#1」から調べ上げたというアメコミ作品の効果音が、AからZまで18ページ分びっちり掲載されています。18ページというと薄いような気がしますが、1ページ当たりおよそ25の単語が掲載されているので、単純計算で18ページで450語!

 ページを開くと、まず見出しやアクセントの表記について解説した凡例が示されており、例えば、「BAM」(バム)衝撃音(素早くて鋭い音)Journey Into Mystery#89(1963)のように、収録された語、アクセント、解説、出典(初出典というわけではありません)が一目で分かる仕様。その辞書らしさに辞書好きの血が騒ぎます。読み方が分かったら、あとはもうアメコミ効果音の世界に飛び込むだけ!

advertisement
アメリカンコミックス効果音辞典 スーパーヒーロー誕生から70年代まで 基本形となるメジャーな単語は枠で囲んであって分かりやすい

効果音からシーンが浮かんでくる

 「どんな言葉が載っているんだろう、楽しみだなあ」なんてのんきなことを考えて隣のページを見た私の目に、衝撃のフレーズが飛び込んできました。

  • AAA(アアア)痛みでの叫び声(毒を受けて)
  • AARRG!!(アアルグ)痛みでの絶叫

 な、なな、なんですかこの辞書は! いきなりスプラッターな雰囲気が充満した単語の数々。なんかもう、読んでるだけで体中が痛くなっています。しかし、さすがアメコミ、それだけでは終わりませんでした。

  • AAAEEEEEE(アアイイイイ)痛みでの絶叫
  • AAIIIEEEEEEE(アイイイイイ)絶叫(心の苦しみのような)

 きゃーー! 次々と迫りくる効果音! 文字なのに音が聞こえてきそうで、思わず耳をふさぎそうになります。小さなフォントがABC順で並られているだけなのに読み進めるだけで、緊迫したり、衝撃のシーンが伝わってくるような文字列の力を感じます! ちなみに、次ページのEの項目に至っては「EEEEEEEEEIEEEEEEEEIEEEEEEEEE(イィィィィアイィィィィアイィィィィ)」という長すぎる効果音も。まるでどこかのニンジャ漫画で使われそうな効果音です。実際長い。

アメリカンコミックス効果音辞典 スーパーヒーロー誕生から70年代まで 項目の最初を飾るカットが楽しいですね

アメリカンコミックス効果音辞典 スーパーヒーロー誕生から70年代まで 「ココナッツが当たった時の」など細かな説明が面白いです

英語やアメコミを知らなくても楽しめる

 こうして辞書を読んでいても、実は出典に挙げられた作品のヒーローの顔を私は数えられるほどしか知りません。でも、「えっ!? イノシシってこんな鳴き声なの?」と驚いたり「ほほう……ウルフライダーさんという方は、こんな遠吠えで表現するんですか!」と発見があったりして、「このシーンはどういう構図で描かれているのかしら」「この効果音はどんな色で塗られているのかしら」と、効果音の使われているシーンを実際に見てみたくなりました。

advertisement

 英語やアメコミに詳しくなくても、こんなに楽しく読めるなんて! この同人誌をまとめられた作者であるpatokonさんによると「アメコミの効果音は進化している」とのこと。これからも私たちの想像を超える効果音が現れるかもしれませんね。patokonさんのサークル「FANDOMAIN」はコミックマーケット89に参加予定とのことですよ。

サークル情報

サークル名:FANDOMAIN

Webサイト:http://patokon.com/

ブログ:http://blog.patokon.com(英語版)/http://ameblo.jp/fandomain(日本語版)

Twitter:@patokon

Facebook:https://www.facebook.com/patokon?_rdr=p

Instagram:@patokon

Tumblr:http://patokon.tumblr.com/

参加予定イベント:コミックマーケット89 2015年12月30日 東4ホール、モ-28b

今週のシャッツキステ

司書メイド ミソノ 「ご注文はうさぎですか??」ティッピークッキーを1日限りお取り扱いいたしました。メイド手づくりで、ちょっとずつお顔に個性が出たティッピークッキーでした!
司書メイド ミソノ 夜はそろそろ近付いた冬コミに向けてカタログチェックを。……これはちょっとおすましした写真です。地図は切り離して、右手にフリクションペン、左手に蛍光マーカー(すぐに見つからないときはときどきコピックで)が私の本気スタイルです……!


著者紹介

司書メイド ミソノ 司書メイド ミソノ:秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」でメイドとしてお給仕する傍ら、とある大きな図書館で司書としても働く“司書メイド”。その一方で、こよなく同人誌を愛し、シャッツキステでも「はじめての同人誌づくり」「こだわりの特殊装丁」の展示イベントを開く。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えた辺りで数えるのをやめました」と語る

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/29/news087.jpg 皇后さま、服から靴まで「ロイヤルブルー」 天皇陛下のネクタイとの“おそろいコーデ”
  2. /nl/articles/2503/29/news054.jpg 「全てが完璧」 無印良品の“1990円バッグ”に称賛続出 「やっぱりこれ」「文句なし」「使い勝手抜群」
  3. /nl/articles/2503/28/news058.jpg 「昔はかなりモテた」と話す母→ウソかと思いきや…… 100万再生された“当時の姿”に娘も驚き「なんてこった!!」【海外】
  4. /nl/articles/2503/27/news056.jpg 福袋に入ってた“定価3万円”の高級魚を大事に育てたら…… 「やりやがったな」涙する結果に「すごい」「ほんと感動」
  5. /nl/articles/2503/29/news026.jpg 養子に迎えた娘を溺愛していたお父さん、その26年後には…… まさかの展開に感動の声 「泣いた」「美しすぎる」【米】
  6. /nl/articles/2503/25/news065.jpg パパに抱っこされる娘→30年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に驚き「私もお父さんが恋しくなった」【海外】
  7. /nl/articles/2503/29/news066.jpg 「この値段では考えられない」 ワークマンの新作“1900円アウター”が品切れ続出の反響ぶり 「コスパ良し!」
  8. /nl/articles/2503/29/news067.jpg 「こんな安くていいのか」 ワークマン新作“1500円パンツ”が売り切れラッシュの大人気 「何の文句もない」
  9. /nl/articles/2503/27/news039.jpg 【着物】たんすに眠っていた帯→“斜め上の発想”でリメイク 完成したアイテムに「何て素敵なんでしょ」「挑戦してみます」
  10. /nl/articles/2503/28/news169.jpg “有吉弘行も大ファン”の「伝説の女装愛好家」が死去 亡くなる2日前に「志半ばにして逝きますが燃え尽きる思い」とメッセージ
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  2. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  3. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  4. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  5. ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  6. ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  7. 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. 「ひどすぎ」 東京ディズニーランドで“約100人のドジャースファン”が一斉に“迷惑行為” 「やめてほしい」と物議
  9. 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  10. 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に