就活を機に散髪→どうせならマゲ結ってみるか 一部始終を収録した同人誌にほっこりする:司書メイドの同人誌レビューノート
お相撲さんに見守られる中、床山さんに仕上げてもらったそう。
新年や成人式、そしてこれからは卒業式やお花見で和服姿の人を見る機会も多いですね。和服は、気軽にちょっと着て歩いたりするのもすてきですし、しっかり華やかなのもまた美しい! 和の装いっていいものですよねー……と、のほほんと構えていた私ですが、なにやらすごい本と巡り合いました。
今回紹介する同人誌
「ダンナチョンマゲ計画」 A5 20ページ 表紙カラー 本文モノクロ
著者:ダンナ:遅刻P(ちこくぴー)、ヨメ:櫻井貴流(さくらいたかる)
チョンマゲ姿になるまでの経緯をリポート
表紙に燦然(さんぜん)と輝く、青々とそり上げたさかやきが目にまぶしい! 首から下はごく普通の洋服なのに、首から上だけ江戸時代になってます!「え? なにかしら? 時空がゆがんでいるのかしら?」と思わず目を疑ってしまう組み合わせ。この本は「リアルにチョンマゲを結ってみた」経緯を、写真と文章でリポートした同人誌です。“踊ってみた”“歌ってみた”を動画投稿される時代に“チョンマゲにしてみた”が同人誌で生み出されたとは!
床山さんに頼んで本格的なチョンマゲに
ご本人の写真を見ても分かる通り、もともとは長髪でいらしたもよう。就職活動をするにあたり、髪を切ることになり、「それならば一度チョンマゲにしてみたい」と考えたのがきっかけだそうです。私も髪の長い人とおしゃべりしているときに、「ベリーショートにしてみたい」「ボウズ頭に憧れる」という話題になったことはありましたが……なんとチョンマゲとは、この発想は完全にありませんでした!
ご本人さん(ダンナちゃん)とご家族(ヨメちゃん)は、思い付いた後はぐいぐいと行動し、お相撲さんの髪を結う人(「床山」さんと言うのだとか)に依頼。ざりざりと音が伝わってきそうな頭頂部をそられる写真に目を丸くしてしまいます。しかし、その後はきちんと残りのざんばら髪を梳かされ、びんつけ油をなじませると、マゲもできてさくっとチョンマゲの完成です。お相撲さんのいる横でチョンマゲを結うものだから、みんな興味津々だったとか。そうか、お相撲さんは頭頂部はそっていない形で結っていますものね。そう考えると、ますますレアな髪型ですねぇ。
マゲを結ったその後は
しかし、このチョンマゲ計画、一度はヨメちゃんの「ダンナちゃんの長髪が好きだから」という理由で反対されたのだとか。ああああ! なんてラブラブした理由なのでしょうか。仲の良い様子がこの一言から伺えるというものです。同人誌でも文章はダンナちゃんが担当され、写真はヨメちゃんによるものです。
誌面では、チョンマゲになる前、しているとき、チョンマゲになった後とそれぞれの様子がリポートされているのですが、最後はあえてチョンマゲになった後にスポットを当てたいと思います。
この同人誌はチョンマゲになって完成……ではなく、その姿でお城を見に行ったり、アイスクリーム屋さんに立ち寄ったり、車のトラブルでレッカー車を呼んだりとさまざまな体験をされています。でもそれらは「チョンマゲになったオレを見せつける!」というドヤっとした感じではなく、「髪もすっきりしてうれしいからちょっと遠出してみようか」という、とっても自然な雰囲気なんです。チョンマゲという非日常の姿でありながら、ヨメちゃんとの楽しく過ごす日常の空気、それがほがらかで温かそうな光景なのは、やはりご夫婦の幸せな感情からこの本が生まれたからではないでしょうか。こんなとっぴなコンセプトの本なのに、実のところはラブラブな夫婦の愛の軌跡だったのね! 意外にも、読後感はほんわり照れくさいような気分にさせられる一冊です。
今週のシャッツキステ
著者紹介
関連記事
- 「る」で終わるは序の口? 「しりとりが絶対に強くなる10の方法」でワンランク上の戦いを
今週はサークル「弐人国家」さんの同人誌「しりとりが絶対に強くなる10の方法」をご紹介。 - こんなの待ってた! アメコミの効果音を集めた辞書がマニアックすぎて心くすぐる
今週はサークル「FANDOMAIN」さんの同人誌「アメリカンコミックス効果音辞典 スーパーヒーロー誕生から70年代まで」をご紹介。 - フィンランドで「スイッチ」を買ってきた ニッチすぎる旅行記に同人誌の可能性を感じる
今週はサークル「レトロピリカ」さんの同人誌「Finland TravelII」をご紹介。 - 「助けを求めて走る月」「夏は戦争シーズン」ってどゆこと!? 古代ギリシャの暦を現代風にアレンジしたカレンダーに妄想が止まらない
今回は藤村シシンさんの「2016年古代ギリシャ暦カレンダー」をご紹介。 - 腹が減っては戦はできぬ! 全国の同人イベントを渡り歩いた作者が贈る珠玉のグルメ同人誌
秋葉原のカルチャーカフェ「シャッツキステ」の司書メイドことミソノが、同人誌のディープな魅力を紹介する連載企画。あなたの知らない同人誌の世界がここにあります。 - ファンタジー好きにはたまらない! 一つ一つのポップアップアートに物語を紡ぐ「アトリエココ」の世界
秋葉原のカルチャーカフェ「シャッツキステ」の司書メイドことミソノが、同人誌のディープな魅力を紹介する連載企画。あなたの知らない同人誌の世界がここにあります。 - 日常のあらゆる場面に「プロレス」は潜んでいる『おおむねプロレスの味方です』
秋葉原のカルチャーカフェ「シャッツキステ」の司書メイドことミソノが、同人誌のディープな魅力を紹介する連載企画。同人誌の用語を解説していく「ミソノ流ワンポイント用語解説」も必見。 - 試されている気がする! マニアックなラインアップにチャレンジ魂が燃える『爆裂折紙作品集』
秋葉原のカルチャーカフェ「シャッツキステ」の司書メイドことミソノが、同人誌のディープな魅力を紹介する連載企画。同人誌の用語を解説していく「ミソノ流ワンポイント用語解説」も必見。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
【今日の計算】「2+13×2−6」を計算せよ
-
柴犬が仮設住宅に入ると、布団に隠れた大好きなお姉ちゃんが! 被災した柴犬が見せた最高の笑顔に「こちらまで幸せな気持ちになります」
-
パパがヒゲをそって大ショックな息子の反応が3600万再生 予想外な落ち込みように両親苦笑い【海外】
-
トリンドル玲奈の結婚相手は誰? 2024年に2歳年下俳優と結婚発表、ラブラブ2ショットを公開
-
「人生で一度は見てほしい」「息をのむ美しさ」 この世のものと思えない幻想的な“一本桜”に15万いいねの大反響
-
元パティシエ直伝、スライスチーズを使う激ウマ蒸しパンが209万再生! あまりのおいしさに「秒でなくなった笑」の声も
-
【今日の計算】「101×99」を計算せよ
-
スマホがネットにつながらないと思ったら…… 想定外すぎる落とし物の事例に「こわ!」「こんなん初めて見た」と驚く声上がる
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」