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» 2016年05月19日 10時00分 公開

常に考えているのは「いかに気持ちよく悔しがらせるか」―― 打越鋼太郎×加藤隆生「脱出ゲーム」極限対談【PR】(2/4 ページ)

[ねとらぼ]

互いの作品の魅力とは?

打越:
 加藤さんは覚えていらっしゃらないと思うんですが、「999」のコラボが終わった後、加藤さんにメールを送ったんですよ。

加藤:
 ええっ! 覚えてない(笑)。

打越:
 「僕はリアルでゲームをすることにとても憧れています。今はデジタルのゲームを作っていますが、将来的には日本の街中でゲームができるようにしたいです」みたいな内容で。人と人が触れ合うことによる面白さというのはすごくあると思っていて、それを実現できているリアル脱出ゲームは当時から憧れでしたね。

加藤:
 僕はそのメールに返信しました?

打越:
 ちゃんと「また一緒にやりましょう」みたいな返事が返ってきました(笑)。

加藤:
 ああ、よかった。約束守ってますね(笑)。


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー

打越:
 作り手としてリアル脱出ゲームに関わってみたいという気持ちがあったので、「アイドルは100万回死ぬ」のお話を伺ったときはうれしかったですね。デバッグ公演(本公演前に、問題がないかチェックをするテスト公演)で参加者の反応を見ているだけでもワクワクするんですよ。デジタルのゲームだと、お客さんの反応をリアルタイムで見れることってほとんどありませんから。あと同じ公演でもお客さんによって毎回違うドラマが生まれるのがすごいなと。舞台は同じでも役者が違う演劇みたいなものですから。これはデジタルのゲームではできない、リアルならではの魅力だと思います。

加藤:
 ありがとうございます。でも実はその部分って光と影があって「あまり楽しくない人たちと同じチームになってしまった」とか、「とても優秀な人がチームにいたから、自分は何もせずに終わっちゃった」みたいなこともまれにあるんですよ。でもその影を抱えたとしても光の方が大きいというか、「このテーブルで起こっていることって、俺たちだけの物語だよな」と思ってもらうことはリアル脱出ゲームで最も重要なことの1つだと考えています。リアル脱出ゲームを始めて2カ月目くらいに、その影の部分を受け入れてでも光の部分を広めていこうという決断をしましたね。だから僕としては「毎回違うドラマが生まれる」というのはある意味当たり前のことで、それがなければリアル脱出ゲームではないというくらい根幹の部分だと思っています。

―― 逆に加藤さんから見た打越さんのゲームの魅力とは?

加藤:
 打越さんファンの方には当然のことしか言えないのですが、システムと物語を連動させているところですよね。それってとても大変なことだと思うんです。「現実ならおかしいけど、ゲームなら当たり前」みたいな、ゲームならではのルールを全部物語で吸収しようとして、実際に高いレベルで成功している数少ない人だと思います。システムに対するつじつま合わせに引きずられて物語のクオリティが下がっているかというと、決してそんなことはなくてメチャクチャ面白いですし。

 システムと連動しているからこそ描けることだと思いますが、残酷なシーンをポップに仕上げることができたり、恋愛のシーンをねっとりしすぎないけどキュンとさせてくれたりする部分は特に好きですね。


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー

打越:
 そう言っていただけるのはうれしいです。前提にある「お約束事」を壊していくのが好きなタイプなんですよ。みんなが常識と思っていることこそ疑ってかかりたいというか、そもそも常識ってなんだろうみたいな。作品で問い掛けるだけじゃなくて、人生もそうありたいと思っています。人生とか言っちゃいましたが、そんなに深い意味はありません(笑)。

 だから僕が手掛けた作品は、昔からほとんどそういう物語ですね。別のこともやろうとするんですけど、いろいろ考えていたら結局いつものところに着地しちゃうみたいなこともあります。最近手掛けたアニメの「パンチライン」も最初はもっと普通の作品だったんですが、物語を練っている内に「時間跳躍モノにするのが一番しっくり来る」と思ったので、それをムリに変える必要もないだろうと。

―― そんなお互いの作品から影響を受けた部分はありますか?

打越:
 うろ覚えなんですが、「999」のコラボ公演では、顔の見えない別のチームと封筒でメッセージをやりとりしたんですよ。

加藤:
 そうでしたね。

打越:
 今度発売される「ZERO ESCAPE 刻のジレンマ」では、その部分をパクったというか。

加藤:
 ええーっ!


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー

打越:
 3チームに分かれているんですけど、ガブという犬だけが通気口を通って別のチームのところへ行くことができるので、ガブの首輪にメッセージを入れて意思疎通を図るんです。

加藤:
 ああ、完全にパクりですね(笑)。

打越:
 参考にさせていただきました(笑)。

加藤:
 いや、光栄です。ありがとうございます。僕が打越さんから影響を受けたことですが、「リアルタイムループゲーム」というアイデアが思い浮かんだことには数々のタイムループ作品の影響があると思いますが、中でも打越さんの作品に影響を受けた部分は多いですね。そもそもタイムループ作品というくくりでいいんですか?

打越:
 自分でもひと言で説明するのは難しいですね。

加藤:
 時間と空間の関係性をテーマにされている作品の中で、とても重要な位置を占めるのが打越さんの作品だと思っています。それで思い浮かんだ「アイドルは100万回死ぬ」の構成を打越さんにやってもらえたのはとてもすばらしいことです。まだオフィシャルな話ではないですが、次回作も作りたいですよね。

打越:
 ぜひやりましょう!

―― ではお互いの作品以外で影響を受けた作品を教えてください。

加藤:
 それは何十、何百もあるので、なかなか1つに絞るのは難しいですね。もともと小学生の時に江戸川乱歩の小説などの影響で、少年探偵団というのを結成していたんです。小林少年みたいに事件の謎を解き明かしたくて。でも少年探偵団を作ったことがある人には共通の悩みがあって、事件が全然起こらないんですよ。

打越:
 そうですよね(笑)。

加藤:
 だからそれは自然消滅したのですが「いつか少年探偵団で謎を解くみたいな体験がしたい」という気持ちはずっと持ち続けていて。それで大人になってから、ネット上で話題になっていた「クリムゾン・ルーム」という脱出ゲームで遊んで、1週間後くらいに「リアル脱出ゲーム」をパッと思い付いた感じです。「クリムゾン・ルーム」を遊ぶ前から、京都の町を探索する宝探しゲームみたいなものを何度か作って親戚たちに披露していたので、それと脱出ゲームを組み合わせれば割と簡単に作れそうだなと。


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー

打越:
 すごいなぁ。

加藤:
 それを思い付いた当日くらいに、1カ月後の会場を押さえました。具体的には何も作っていないのに。「多分1カ月の間に作っているだろう、俺は」と思って(笑)。

打越:
 加藤さんの行動力ってすごいですよね。最近でもたくさんのことをやられていますし。そういえば、ゲーム実況もやられているみたいですね。

加藤:
 そうなんですよ! 「THE SWAPPER」というダウンロードゲームを何度か実況したんですが、これが面白くて。クローンをいくつか作って、操作を切り替えてステージをクリアしていくパズルゲームです。

―― デジタルのゲームもお好きとうかがいました。

加藤:
 フリークというほどではないですが遊びます。ただ僕は3D酔いしちゃうので、3Dのゲームは30分くらいしかできないんです。だから自ずとテキスト重視のアドベンチャーゲームが好きになりました。今の作品作りに直接の影響があるのかはちょっと分からないですけど、「街」は名作ですよね。全部の物語が面白いのが凄かったなぁ。「428」「逆転裁判」「御神楽少女探偵団」など、ミステリーや謎解き物がやっぱり好きですね。

打越:
 影響を受けた物はいろいろありますが、パッと思い浮かぶのは僕も「街」ですかね。当時僕はギャルゲーを作っていたんですが、ギャルゲーやアドベンチャーゲームを作っている人たちはほとんど「街」で遊んでました。

加藤:
 へぇ〜、そうなんですね。

打越:
 「街」を遊んで、「これはすごすぎて僕らじゃ作れない。というか作ろうとしない」と思いました。「写真だから簡単なんじゃ?」と思う人もいるかもしれませんが、写真の枚数がとてつもないですし、物語のフローも非常に練られていますし。多人数視点のザッピング物をゲームで実現したのは「街」が初めてだったと思います。僕の作った「極限脱出ADV 善人シボウデス」は「街」をお手本にしている部分があって。いろいろな歴史を行き来してシナリオのロックを解除したり、物語の全貌が明らかになっていったりするところは、「街」のシステムに実は近いです。「街」と違って主人公が1人しかいないので、そう思われることは少ないですが。


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー 「善人シボウデス」は、監禁された9人の男女が施設から脱出するため、命がけの裏切りゲーム“アンビデックスゲーム”に挑戦する脱出&アドベンチャーゲーム

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