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» 2016年05月19日 10時00分 公開

常に考えているのは「いかに気持ちよく悔しがらせるか」―― 打越鋼太郎×加藤隆生「脱出ゲーム」極限対談【PR】(4/4 ページ)

[ねとらぼ]
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ほとんどのユーザーが気付かない膨大なテキストを用意する苦労

―― リアルならではの苦労と、デジタルならではの苦労について教えてください。

加藤:
 リアル脱出ゲームを作って最初にビックリしたのは「可能性が無限」ってことですね。あまり良くない意味で。デジタルだと「どれだけ可能性を広げられるか」が1つの目標だと思うんですが、逆にリアルだと多すぎる可能性をどんどんぶった切っていくのが最初の作業になるんです。注意書きとかが何もなかったら、壁紙まで剥がそうとしますからね。


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー

打越:
 そこまでしようとする人もいるんですね(笑)。

加藤:
 いるんですよ。前に大阪のある劇場で公演中、20年くらい前に使われた機材がどこからか発見されて、オーナーさんも驚いていましたから。それくらい、リアル脱出ゲームクラスタ達の捜査の手は恐ろしいんですよ(笑)。だからそういうことができないように可能性を狭めていくんです。慣れるまではこれが一番大変な作業でしたね。

 それはお客さんのイマジネーションが無限ということなのでとてもすばらしいことではあるんですが、可能性をある程度つみとらないと、ノイズによって難易度が上がってしまうんですよね。最初にそれに気付いたとき、とても不安になりましたよ。「どこから飛んでくるか分からない刃を受け続けなきゃいけないのか」みたいな。可能性が無限な分、こちらが想定していない方法で謎が解かれてしまう場合もあるので、そういうのをいかにつぶしていくのかというのもなかなか大変です。

―― 公演中に想定外の解答が見つかることもあるんですか?

加藤:
 あります、あります。しょっちゅうあります。見つかったら、次の開催時間までに巧みに消してます。そういう部分は演劇と作り方が似ているかもしれません。たくさんリアル脱出ゲームを作ってきましたけど、ミスが1つもない公演はなかなか作れないですね。語弊があるかもしれませんが、未完成のまま世に出すことをさほど恥と思っていないところもあるので。その代わり何か見つかったらすぐに直しますから、同じ公演を繰り返すことでジワジワと完成度が高まっていくんですよ。

 最近はあまりないですが、昔はお客さんの反応が悪かった謎は、公演中でも一から作り直すみたいなムチャもしてました。「999」のコラボ公演の時なんて、最後の謎が日によって違ってる時もありましたよ。「面白くないから変えるか」みたいな。コアなファンの方はそういうドタバタがあるかもしれない公演初日を「この荒削りな感じもまた楽しい」と言ってくれたりもします。

打越:
 僕らの作っているデジタルの脱出ゲームだと、どこかを調べるたびにキャラクターが喋るので、調べた順番や所持しているアイテムと矛盾しないようにキャラクターのせりふを用意しておかなければいけないのがものすごく大変ですね。しかもゲームの発売前に、矛盾がないか全部チェックしておかなければいけないので。前作の「善人シボウデス」では、そのへんも僕が担当していたのですが、今回の「ZERO ESCAPE」ではほかの人に完全に任せました。前作が本当に大変だったから絶対やりたくなかったんですよ。


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー 「極限脱出」シリーズでは、どこかを調べるたびにキャラクターのせりふなどが表示される(写真は「ZERO ESCAPE」)

加藤:
 そんなに大変だったんですか(笑)。

打越:
 順番や状況の組み合わせが膨大にあるので、頭がおかしくなるくらい大変なんです(笑)。3カ月くらいはその作業だけに時間を取られてしまいました。

加藤:
 それは大変ですね……。

打越:
 普通はやらないような特定の条件で出るメッセージって、多分ほとんどの人が見ないんですよ。そういったシステム的な細部にこだわるのももちろん大切なことですが、今回ぼくは物語のほうに注力して、その代わり、ぼくよりもはるかにセンスのあるライターさんに脱出パートのメッセージを考えて頂きました。

加藤:
 そもそもなんで前作までは打越さんがそこも担当していたんですか?

打越:
 キャラクターのセリフを書く必要があるので、自分がやった方がいいだろうと当時は思ったんですよ。あと見てしまうと気になって直したくなってしまうんですよね。誰にも読まれていない激レアメッセージはいっぱい残ってると思います。

加藤:
 いっぱいあるんですか!

打越:
 ありますね。しかも例えば椅子を調べて普通に「椅子です」なんて書いても、書いている僕自身が面白くなくて作業になってしまうので、急にダジャレが入ったりするんです。「椅子に座ってもイイッすか」みたいな(笑)。

加藤:
 アドベンチャーゲームでいろいろ調べていたら、本編とは関係ない長文が出てきたりするのはそういうことだったんですね。

打越:
 そういうことですね。楽しみながら書きたいというライターの習性です。

加藤:
 「ポートピア連続殺人事件」でも「虫眼鏡で太陽を見てはいけないって学校で習ったでしょう」みたいな面白テキストがいっぱい入ってたなぁ。

打越:
 せっかく書いたテキストなので、本当は全部お見せしたいんですが、実際はほとんど見られることがないんですよ。しかもそういう誰も見ないような部分で、会議になってスタッフともめたりすることもあるのでなかなか大変です。

加藤:
 ネタバレOKのファンイベントを開催して、そこで激レアなメッセージとかを紹介するのは面白そうな気がします。ファンはやっぱり、同じゲームを解いた人と話したいですからね。実際にやるとなるといろいろ大変だと思いますが。

打越:
 弊社だと「ダンガンロンパ」でそういうネタバレOKなトークイベントを開催して、盛り上がってましたね。

加藤:
 僕も「ZERO ESCAPE」でそういうイベントがあったらファンとして行きたいなぁ。


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー

―― では最後にお二人の最新作と、今後の展望を聞かせてください。

打越:
 「ZERO ESCAPE 刻のジレンマ」が6月30日に、PlayStation(R) Vita、ニンテンドー3DS、Steamでリリースされます。9人の登場人物が3人ずつ、3つの区画に閉じ込められて、そのうち6人が死ぬと生き残ったメンバーは脱出できるというデスゲームが行われます。そこで繰り広げられるドラマを見たり、脱出ゲームや命がけの選択に挑戦して、閉じ込めた犯人は誰なのかを突きとめるアドベンチャーゲームです。「9時間9人9の扉」「善人シボウデス」と続く「極限脱出」シリーズの完結編ですが、「ZERO ESCAPE 刻のジレンマ」から始めても楽しめるように作りましたので、よろしくお願いします。


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー これまでのシリーズで提示された全ての謎が明かされる完結編。生き残るのは誰だ!?

打越:
 今後の展望としては、「リアルタイムループゲーム」の第2弾はぜひやりたいですね。

加藤:
 もちろんやりましょう!

打越:
 あとは、実現するかは別にして、いろいろ考えていることはあります。ゲームクリエイターとしてやはりVRに興味はありますし。

加藤:
 僕の方もいろいろやっているんですが、本日何度も名前が出てきた「アイドルは100万回死ぬ」は下北沢のナゾビルで開催中です。ナゾビルはまだ何フロアも空いているので、そこでいろいろな公演をやりたいですね。既に発表されている「進撃の巨人」とのコラボ第3弾「巨人に包囲された古城からの脱出」の他にも、デジタルと融合したリアル脱出ゲームをナゾビルで開催予定なので楽しみにしていてください。

 リアル脱出ゲームもどんどん幅を広げていかなければと思っていて、そういう実験的なことをナゾビルではやっていきますので、「アイドルは100万回死ぬ」ともどもよろしくお願いします。下北沢以外でも全国各地でいろいろやっていますので、詳細はリアル脱出ゲームの公式サイトをご覧ください!


打越鋼太郎・加藤隆生インタビュー (2016年4月 ゴールデンウイーク前で大忙しのSCRAPの事務所にて)

提供:スパイク・チュンソフト株式会社

アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2016年6月1日



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