水曜日のカンパネラ、楽曲「ヒカシュー」を「名無しの権兵衛」に改名 バンドのヒカシューから要請を受け

ヒカシュー側は紛らわしさに少しの憤りがあったそうですが、すでに両者は和解しているとのこと。

» 2016年05月10日 14時34分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 ヒップホップユニット「水曜日のカンパネラ」がロックバンド「ヒカシュー」からの要請を受け、2012年に発表した楽曲「ヒカシュー」の曲名を「名無しの権兵衛」に改名しました。同じ名称における誤認混同を避けるため、互いの立場を考えた上で決断したと説明しています。

すでに「ヒカシュー」から改名された「名無しの権兵衛」
ヒカシュー 楽曲の改名を発表する水曜日のカンパネラ公式サイト

 水曜日のカンパネラは2012年からYouTubeで作品発表を開始。2014年公開の「桃太郎」は現時点で再生回数700万回を超える人気で、今年2月に音楽番組「ミュージックステーション」に出演、6月にメジャーデビュー予定と、近年飛躍を見せている音楽グループです。今回改名された楽曲「ヒカシュー」は2012年11月にYouTubeで公開し、2013年発売の1stミニアルバム「クロールと逆上がり」に収録していました。

 ヒカシューは1978年にボーカル・巻上公一さんを中心に結成。初期はニューウェーブロックやテクノポップバンドとして人気を博し、P-MODEL、プラスチックスと並んで「テクノ御三家」と呼ばれるなど80年代テクノブームを盛り上げました。現在は5人で即興性と歌謡の共存をテーマにした“ノンジャンル音楽ユニット”として精力的に活動中で、赤い公園やクウチュウ戦などリスペクトする若手バンドは今なお絶えません。

ヒカシュー 改名について書いたヒカシュー公式ブログ

 巻上さんは5月9日にバンドの公式ブログで、水曜日のカンパネラが曲名に「ヒカシュー」を用いていたことに「すこしばかり憤りを感じていました」と、改名要請の経緯を説明しました。楽曲は音楽的にはバンドと関係がないと判断。しかし類例がほぼ見当たらない特殊な名前を同業者に使われることで、音楽配信サイトの検索などバンド名と楽曲名が紛らわしくなってきており、「ここ最近、かなり気になってきていました」と不満を抱いていたようです。先方の対応や態度によっては使用を許諾する気持ちで、タイトルの変更を求めました。

 水曜日のカンパネラ側は、上記の理由で早急に対応。すでに音楽配信サイトやYouTubeなど、露出していた同楽曲の名称を「ヒカシュー」から「名無しの権兵衛」に変更しています。公式サイトでは「改名にあたり両者の活動そのものには何も影響ございません」と告知しました。

 作曲・編曲を務めるケンモチヒデフミさんは、楽曲に「ヒカシュー」と名付けた理由をTwitterで説明。「もちろんバンド『ヒカシュー』の名も存じておりました」と触れつつも、先に出来上がった歌詞の一節「終わりの始まり」から、子どものころにやったゲーム「伝説のオウガバトル」を連想し、そのボス「ヒカシュー大将軍」からとったと述べています。続けて「結果としてバンド『ヒカシュー』の関係者の皆様、ファンの皆さまを混乱させご迷惑をお掛けすることになってしまいました。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪しました。

 それから半日以上経った10日10時ごろに巻上さんはTwitterで、「皆さんをやきもきさせてしまったようですが、一応和解しています」と、両者に不和はないことを周知しています。

黒木貴啓


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