畑を荒らすイノシシをソーセージにしたみかん農家の笑顔が意味深と話題に 誕生の裏側を聞いてみた

みかん畑を荒らすイノシシ製だからおいしい(ニッコリ)。

» 2016年10月18日 17時30分 公開
[マッハ・キショ松ねとらぼ]

 愛媛県・大三島(おおみしま)のみかんを食い荒らす野生のイノシシを、逆に「健康的でおいしいお肉」として活用した「あらくれポークソーセージ」の通販ページが「みかん農家の笑顔怖すぎ」と話題になっています。イノシシに対して「害獣」「厄介者」と恨み節全開なのに、掲載されている皆さんの写真は実に爽やかな笑顔。なんだろう、このギャップ。


画像 ステキな笑顔が意味深に見えてしまう……

画像

 みかんの名産地として知られている愛媛県今治市の島・大三島には約12年前からイノシシが現れ、みかんが食い荒らされるように。漁船などの目撃情報から、泳いで本州から渡ってきたものとみられています。既に島内で繁殖してしまっており、通常ならば11月15日〜2月15日までとされる狩猟期間では害獣対策が追い付かない状況。期間限定の特別許可を連続的に更新して、ほぼ1年中イノシシの狩猟を行っています。

 このような厳しい現状を逆手に取ったのが「あらくれポークソーセージ」。ぐるなびの通販ページには、関係者の笑顔とともに「大三島みかんをいっぱい食べているイノシシはおいしいです」「みかんを食い荒らしてきた厄介者が(中略)美味しいソーセージになりました」とネガティブなのかポジティブなのか分からないフレーズがずらり。明るい表情の裏側に隠されているであろうイノシシへの苦々しい思いが気になって仕方ないとネットで拡散されました。

 どうしてこのようなインパクトのある通販ページが誕生したのでしょうか。管理を行っている企業・ビジネスアシスト四国に話を伺ったところ、ネット上での販売を開始したのは4年ほど前のこと。写真や文章は「普通に用意した」だけで、別段奇をてらったものではなかったそう。「あらくれポークソーセージ」はその他の通販サイトでも扱われていたり、ふるさと納税のお礼品に採用されていたりと人気がある商品のため、今になってこのような形でネット上で話題になることをむしろ驚いている様子でした。


画像画像 「イノシシが海からやってきた」という変わった経緯があるため、海賊風のデザイン

画像 こんなデカいイノシシが、みかん畑に侵入してくるのか!

 また、製造に関わっているしまなみイノシシ活用隊にも取材。同団体の活動が始まったのは約6年前で、駆除したイノシシの活用や働き手に報酬を支払える仕組みづくりに取り組んできたとのこと。基本的には狩猟免許を取得した農家がワナでイノシシを捕獲し、しまなみイノシシ活用隊が加工、販売する体制をとっています。

 みかんの味を覚えてしまった個体を確実に捕獲するなどして対策をとっているものの、被害報告は絶えません。しかし、そのようにみかんをたくさん食べた結果として、大三島のイノシシは「脂にみかんの風味がある」と評されることも。他の地域にはない特色を持ったイノシシの活用は着実に進められており、現在は東京都内の高級レストランなどに生肉を卸す事業がメインになっているといいます。

 その一方で、しまなみイノシシ活用隊の渡邉秀典代表は「イノシシにみかんを食い荒らされるのは悔しいが、そこを売りにさせてもらっている」と複雑な思いをにじませていました。12年前に突如として現れた害獣と戦い、新たな名産品にまで昇華させた大三島のたくましさ、そして悩ましさを表現したのが、あの不思議な通販ページだったようです。


画像画像 料理に良し、革製品に良しのイノシシ。でも、育てたみかん食べちゃうんですよね……


画像 別製品「みかんシシカレー」のパッケージには、「みかん食堂」にやってきたイノシシがカレーにされる漫画が。こちらもシュールです

※写真提供:ビジネスアシスト四国


マッハ・キショ松

関連キーワード

通信販売 | ビジネス | 料理 | ふるさと納税


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」