「結婚したくない」若者、全体の2割超す 主要因は「経済的困難」と「1人が楽」
小学生まで「人間的なふれあい」の経験が多い人ほど、既婚者が多いとのデータも。
「若者の結婚観・子育て観等に関する調査」を、独立行政法人の国立青少年教育振興機構が発表しました。「結婚したくない」とする未婚者は全体で20.3%。その傾向は特に男性に強く、女性の場合は早婚を望む人と結婚したくない人が増加し、二分化しているといったデータが示されています。
2015年12月に実施された、全国の20〜30代男女4000人を対象としたWebアンケートの結果。結婚願望については、2008年度の調査結果とも比較されています。その結果、結婚したくない男性の割合は7年間で約2倍に増加していることが分かりました。
交際相手のいる人が結婚していない理由としては、「経済的に難しい」が63.8%と最高。なお、年収別での統計では、300万円以上を境にその傾向は弱まっています。
経済面に次ぐ理由は、約50%の「1人が楽である」。この回答は30代前半以降と、高所得者に多く見られ、当てはまる人ほど子育て願望も低いとのデータも出ています。
成人するまでの経験と、結婚観との関連性に関する分析も。その結果、小学生までの自然体験や地域活動など、人間的なふれあいと関連する体験が多いほど、結婚している割合と結婚願望が高くなることが示されました。また、中高生時に異性とのコミュニケーションを面倒に思っていた人ほど、現在は結婚願望が低いようです。
ほかにも、家族観において「生きがい」を重視する人や、近所づきあいをしている人ほど、結婚や子育てに前向きといった結果が出ています。今回の調査は、少子化対策や青少年教育のための、基礎データとして用いられるとのことです。
(沓澤真二)
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