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» 2017年01月03日 21時57分 公開

曲を流して「J-POPの頻出単語」で取り合うかるた「狩歌」 ゲーム性も高いし歌詞の魅力が再発見できる

かるたに歌を融合させたカードゲーム「狩歌(かるうた)」。酒盛りしながらやってみたら楽しすぎたのでその魅力をご紹介。

[黒木 貴啓,ねとらぼ]

 このお正月、家族や友人と「かるた」に興じた人もいるだろう。昨年、「J-POPによく出てくる単語」を取り合うユニークなかるたが発売された。

 その名も「狩歌(かるうた)」。好きなJ-POPソングを流して、「私」「君」「時」「声」「いつも」など、札に書かれた単語が歌詞に登場した瞬間に取るという、かるたに歌を融合させたカードゲームだ。ねとらぼでも以前発売時に紹介した(関連記事)。

狩歌 「狩歌」1セット

 アラサー8人で酒盛りしながら遊んでみたら思いのほか戦略性が高く、人気アーティストの作詞や発音の良さも再発見できるなど、どっぷりハマってしまった。様子を振り返りながらその魅力を紹介しよう。

遊び方

 カードは計100枚。「僕」「あなた」「好き」「人」「今日」「涙」「すぐ」「永遠」「運命」「ありがとう」などなど1枚ずつJ-POPの頻出単語が書かれている。ここから50枚を場に並べて適当に曲を流し、出てきた単語の札へ先に手をつくと自分のものにできる。ゆずの「夏色」だと、「今日」「何」「街」「君」「ひとり」と、Aメロからなかなか忙しい。

狩歌

 カードにはそれぞれ1〜5点の間で点数が書かれている。「君」「あなた」は1点、「永遠」は4点、「運命」は5点……と、よく使われている単語ほど低い点、あまり使われてない単語ほど高い点に設定。ゲームが終わったときに、取った札の合計得点がもっとも高い人が勝ち。

狩歌 点数は1〜5点

 スタンダードルールでは、プレイヤーが親から順番に1曲ずつ好きな曲をかけ、曲が終わるごとに取った札を場に戻して再ゲーム。3曲終わったときの合計得点を競う。ぼくらは8人のなかから交代しながら3〜4人で1曲勝負に挑み、曲はプレイヤー以外の人にかけてもらった。

日本語詞の曲がなんでもゲームになる

 どの曲を選ぶかでゲームの趣向がまったく違う。

 例えば頻出単語の多い曲だと激しい点取合戦。GLAY「HOWEVER」をかけてみたら「今」「ふたり」「出会い」「人」「街」「夢」「時」「あなた」「愛」「永遠」「言葉」「幸せ」「胸」「涙」……もう1番だけで札ワードの嵐。甘いミディアムバラードに反して机を叩く音が連発するハイスコアゲームとなった。

 一方で頻出単語がたった3、4回ほどしか出てこない曲は、数少ない単語に耳をすませるピリピリしたゲームに。ASIAN KUNG-FU GENERATION「リライト」のときは3回しか登場せず、みんなでじっと札を見つめる時間が続く。しびれを切らして「ゴッチ(※作詞したボーカル後藤正文)まだなの!? まだなの!?」と叫ぶシュールな勝負となった。さすがは文学ロックの火付け役、歌詞にクリシェ(常套句)が少ない。

 このように作詞家がストレートに「好き」というのか「月が綺麗ですね」というのか、感情を叙情的に書くのか叙事的に書くのか、タイプによって異なる楽しみがある。

 また曲を知らない人ほど圧倒的に不利というわけではなく、ゲームをひっくり返せるような戦略性も高い

 例えばMr.Children「終わりなき旅」が流れたとき、編集部のたろちんは「これオレ中学のとき腐るほど聞いたわ、もう歌詞全部歌えるわ」と、札をほとんど取っちゃると言わんばかりにばかりに構えていた。しかしAメロで「息」「未来」「願い」「声」「愛」「自分」とどんどん出てくるが、ほかの人に取られる。「ああああ『未来』探していたのに」「そう、『自分』探していたんだよ、わかっていたんだよ!」「んはぁ!」「ああんもうやだ!」と取られるたびに奇声をあげるたろちん。

 そう、読まれる言葉がわかっていても札が見つけられなくては意味がない。曲が流れる前に札の「配置」をある程度覚えておくと、歌詞を多少知らなくてもゲームを有利に進められるようになっている。

 逆にみんながサビを知っているような曲でもさまざまな戦い方ができる。サビの出だしで「恋心」と熱唱する相川七瀬「恋心」では、一発目の「恋」の札にみんなの手が殺到するとわかっていたので、あえて「心」に狙いを定めてみた。「恋」で一斉に取り合いが行われるそばを、するっと「心」に手を伸ばしてゲット。曲調は激しくて切ないけど、心はすがすがしい。

 このほか、「愛」「時」など1点の札は3枚集めると追加10点がもらえたり、取った札の単語がもう一度出てきたときは同じ点を加算できたり(ただし1回まで)と、逆転を狙えるボーナスも設けられている。

狩歌 1点の札を3枚取ると10点加算!

 使い古しの単語がいっぱい出てくるかあまり出ないか、曲そのものが知られているか知られていないか……曲に応じて戦い方も変化。どんな曲でもほかの曲とは違うオリジナリティあふれるゲームになってしまうのが、この狩歌の醍醐味だ。

J-POPを「歌詞の構造」で再評価してしまう

 何度もやっていると、「このアーティスト、意外とクリシェ使っている」「これ名曲なのに歌詞ほとんどクリシェだな!」と、歌詞への分析にも熱が入ってくる。

 さっきの「終わりなき旅」はゲーム中に1、2を争うほど頻出単語が登場した曲だったが、ありきたりな歌詞という印象は受けない。「カンナみたいに命を削ってさ」「生きるためのレシピなんてない」など、独自性が強くて心に響く詞も繰り返し登場するからだろう。

 あまり聴いたことがなかった西野カナ「トリセツ」は、「私」「ありがとう」「ずっと」「答え」「いつも」「少し」「ふたり」「大切」とこれまた激しい札の取り合いになったのだけど、乙女心を取扱説明書になぞらえたオリジナリティがすさまじい。声や発音も良くて非常に歌詞も聴き取りやすく、大ヒットしたのにも強くうなずいてしまった。

 狩歌で遊んでいると、曲にどれほど頻出単語が使われているか必然的に考えるようになる。そこからいかにオリジナリティや共感を生み出す作詞がなされているのか、曲の新たな魅力に気付かされていくのだ。

 ゲーム性も高いほか、J-POPの再評価にもつながる「狩歌」。正月だけでなくオールタイムで楽しめるかるたなので、飲み会のときにでもぜひ。今度は「木綿のハンカチーフ」や「硝子の少年」など、松本隆が作詞した曲しばりでやってみようかなぁ。

 発売元・デザインはXaquinel(@xaquinel)。価格は1セット1944円(税込)、Amazon.co.jp楽天市場、各アナログゲームショップで販売中(取扱店舗)。

黒木貴啓


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