今年で4回目! 「このマンガがすごい!」にランクインしなかったけどすごい! 2017(2/3 ページ)
第3位「ラストゲーム」(天乃忍)
第3位は天乃忍先生のラブコメ「ラストゲーム」(全11巻/白泉社)。今回紹介する10作品の中ではご存知の方が一番多い作品ではないでしょうか。昨年堂々の大団円を迎えました。
「社長の息子で顔も頭も良くて女にも不自由したことない勝ち組」柳尚人は、小学校5年生のとき、突如現れた転校生・九条美琴にテストだけでなく運動でも完敗。最後の手段・社長の息子アピールにも「あなたのお父さんがすごいんであってあなた自身がすごいわけじゃない」とド正論でとどめを刺されます。悔しさから「九条を自分に惚れさせた後、振ってやる」と誓う柳。計画を成功させるため中高大と九条と同じ進路を歩みます。
中学校でも高校でも大学でも九条「以外」にはモテる柳。けれど基本無表情、特に恋愛沙汰に関してはわざとやってるんじゃないかと言いたくなるほど鈍感な「鉄の女」こと九条には全く気持ちが通じず、「大事な友達」のまま10年(!)が過ぎていきました。
「九条に気持ちを自覚させられたらオレの勝ち」。こうして柳と九条のラストゲームが始まります。
それにしても、惚れさせた九条を振ることが目的だったはずが、いつの間にかベタ惚れ、しかも10年も一緒にいて柳の想いに気付かないみこっちゃん(※九条)のどうかしてるっぷりがすごい作品でした。将棋をしようとしてるのに、オセロのコマを出してくるような噛み合わなさから来る、2人のじれったい掛け合いがおもしろく、「人を好きになる」ということが自覚できない、でもよく見ると牛の歩みのように少しずつ九条の中に恋心が芽生えてゆくさまを微笑ましく読ませてもらいました。「鉄の女」ではなくなった中盤以降、恋心に目覚めて少女に退行していくかのような変わりっぷりも見どころ。
これほどハイスペックなのに、九条にだけは変わらずピュアだった柳も微笑ましかったけれど、とにかくヒロイン・九条の天然記念物的存在感にずっとニヤニヤさせられるラブコメでした。
第4位「嵐ノ花 叢ノ歌」(東冬)
第4位は東冬先生の歴史大河浪漫「嵐ノ花 叢ノ歌」(〜6巻、以下続刊/徳間書店)です。
今回「ニュクスの角灯」と本作だけはまだ連載中の作品です。紹介の機を常々うかがっていた作品なのですが、第1巻の発売が2009年、以降年に1冊出るかどうかの刊行ペースで、紹介する前に死んだらこの世に未練を残して地縛霊になりそうなので、とうとうしびれを切らしました。
作品の舞台は日中戦争から第二次世界大戦へと戦火が拡大していく1939年・ハルピン。記憶を失った少年・朱天と、古代中国の神・神農の血を引く少女・真珠血(ジョンジュベル)の出会いをきっかけに、日独の思惑、さらには人類の未来までをも射程に入れた「歴史大河浪漫」の名にふさわしい非常に壮大な作品です。
本作の特徴は、とにかく背景やセリフの端々にこれでもかと詰め込まれた圧倒的な情報量。歴史は言うまでもなく、錬金術、宗教、神話、民俗学などなど異端・オカルトの色彩が強い分野の知識をあちこちから引っ張って来る作品で、例えば「蛇」という一語だけで失楽園からウロボロスから、はたまたDNAの二重らせんまであれこれ妄想がやまない人にとって打ってつけ。これまで自分が蓄えてきた知識を試される、取っ散らかっていた脳内の断片知識が統合されていくめまいのような「脳みそかき回され感」は、普通のマンガではなかなか味わえません。
登場人物や専門用語の多さから、一度流し読んだ程度では全体が把握できないやや上級者向け、ともすると不親切と言われかねないタイプのマンガではありますが、それを理解していく過程で得られるものは非常に多いです。とはいえ、最初に書いたように刊行ペースがゆっくりしているのと、衒学(げんがく)的ながら物語のベースには朱天と真珠血のボーイ・ミーツ・ガールというストーリーとしての分かりやすさがあるので、それを頼りに味わいながら読んでいくと楽しめるのではないでしょうか。
なお最新刊では、物語における謎のキーワードだった機械仕掛けの神「デウス・エクス・マキナ」の正体も判明。いよいよクライマックスです。
第5位「おかか」(まつだこうた)
第5位はまつだこうた先生の「おかか」(全2巻/講談社)。昭和風情あふれる下町に暮らすやんちゃなネコ耳小学生・おかかが起こす夏休みのあれこれを描いた1話完結型コメディです。
ある時は相棒のカブトムシ「爽快脱糞丸」を引っさげ甲虫決闘(デュエル)に励み、またある時は、自転車に乗って追いかけてくるアロハを着た老人「アロハじじい」と対峙し、そしてまたある時は夏休み工作でやらかしてしまう――。そんな子ども時代のノスタルジックな夏休みあるあるをギャグテイストで描いた純粋な娯楽作品。
色気より食い気、金があったらおもちゃと駄菓子な思春期突入前のクソガキたちがギラギラと発散してくる、あのあり余るほどの純粋エネルギーとテンションがコマとセリフの端々から伝わってくるのですが、おもしろいのはこの種のマンガにありがちな「子どもの頃はよかったなあ」「夏休み楽しかったよなあ」というしみじみとした感傷的気分が全くないこと(※褒めてます)。ハイテンションの子どもたちが全力で夏休みをバカバカしく満喫しているのを見ると、「こいつら本当にバカだな!」とニヤニヤするばかりです。
ただ、本作にはバカ以外にもう1点見どころがあります。それは、おかかと大人が交流する回。一緒に住んでいるよしのから「そとっつらが良いのは大人のマナー」と聞かされて、それまで優しく見えた近所のおじさん・おばさんが急に信じられなくなったり(第15話)、年金も納めていないダメ大人の沢村から「せいぜいその労働意欲を大人まで維持することだね」と若い芽を摘むような話を聞かされたり(第17話)、どちらかと言うと大人のわれわれの方が身につまされるようなエピソードが時々スパイスのように挿入されているところ。
いつか終わってしまう夏休みとは言え、主人公のおかか以外にも愛すべきキャラが多く、2巻で終わってしまうには実に惜しい作品でした。「2学期編」とかやってもらってもいいですよ?
第6位「千と万」(関谷あさみ)
第6位は関谷あさみ先生の「千と万」(全3巻/双葉社)です。
「よつばと!」「甘々と稲妻」など、近年男一人の子育てものがマンガ界のちょっとしたトレンドになっているようですが、中学1年生の一人娘・詩万と父・千広の父娘関係を描く本作はこれまで読んだこのジャンル作品の中では最もリアリティが感じられました。
娘に生理が始まった話を第1話に持ってきたというだけで、一筋縄ではいかないことが分かってもらえるでしょう。年頃の娘なのだから、当然父親はウザがられるし、男親ゆえのデリカシーのなさが娘をいらだたせることもある。詩万はすごく可愛いけれど、だからといって、ただ愛でて楽しむ作品でもありません。
ピザの電話注文にドギマギしたり、マニキュアに憧れたりするところなど、詩万にはまだまだ中学1年生らしい幼さを感じますが、千広が娘のことを勝手にブログに書いていたことが本人にバレるエピソード(第8話)では、大人顔負けの大人っぽさを見せていて、世の大人は彼女の気遣いをもうちょっと見習うべきだと思いました。いや、本当に見習うべき。
社主と同じ30代でこのお年頃の娘がいる方はまだ少ないでしょうが、来るべき「その時」に向けて、本作を読んで気持ちの準備をしておいた方が良いかもしれません。
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