映画「ドラえもん」のグッとくるポスターはなぜ生まれた? ストーリーボードポスター誕生の経緯を取材

「10万年後に助けてくれ。」などのキャッチコピーが話題になっていました。

» 2017年03月11日 10時09分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 3月4日公開の映画「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」のイメージボードポスターが2月27日〜3月5日まで新宿地下通路に掲出され、「オシャレすぎる!」「これは見たくなる!」と話題になっていました。なぜ印象的なイラストとキャッチコピーが生まれたのか、東宝・宣伝部を取材しました。


ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 映画「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」のティーザーポスター

東宝・宣伝部に聞いた映画「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」イメージポスター誕生秘話

 話題になっていたのは「10万年後に助けてくれ。」「リングは、ひとつ。救いたい星は、ふたつ。」などの印象的なコピーとともに、海に沈むリングや離れ離れになるのび太とドラえもん、凍りついた地球などが描かれたポスター6枚。


ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 話題となったキャッチコピー「10万年後に助けてくれ。」

ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 「リングは、ひとつ。救いたい星は、ふたつ。」

 これまでの映画「ドラえもん」シリーズのポスターとは一線を画したデザインに、掲示直後から「今年の映画ドラえもんのポスターはヤバイ。秀作過ぎる」「目についたドラえもん映画の中で一番のセンスだわ」とSNSでも大きな話題を呼んでいました。このポスターはいかにして誕生したのか――、東宝・担当者に聞きました。

――ポスターを公開してからの反響はいかがですか

東宝非常に好評をいただいているようで、ほっとしています。

――イメージボードポスターはどのように作られていったのでしょうか

東宝ポスターのデザインは高橋敦史監督の中にあるイメージをコンセプトに、イラストレーターの丹地陽子さんとヒョーゴノスケさんにデザインしていただいたイメージボードがベースになっています。イメージボードは本来、監督の持っている映画のイメージをスタッフ間で共有するためのものですが、今回はそれをポスター用にアレンジしたものになっています。


ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 「時を超えるのが、友情だろ。」

――複数のポスターが制作された経緯を教えてください

東宝2016年の夏にティーザーポスターを作ることになり、複数のイメージボードの中から「氷山を見上げているシーン」をメーンにすると決めました。ティーザーは決定したものの「ほかのイメージボードもどうにか世に出せないか」と、プロデューサーや、デザイナーの浜辺明弘さんとも話していました。そんな中、新宿地下通路に大きな広告を出すことになり、既出のティーザーポスターと本ポスターを含めて8連ビジュアルとして展開させることになりました。

――シンプルながら引き込まれるデザインのポスター6枚ですが、異なるデザインを「6種類」作ったというのには何か意味があるのでしょうか

東宝50枚以上あるイメージボードの中から、ポスターとして成立するものを浜辺さんから10枚程度ご提案いただき、その上でさらに映画のキーとなる場面として6枚に厳選しました。それを元にあらためて丹地さんとヒョーゴノスケさんにポスター用に仕上げていただきました。

――イラストを丹地陽子さんとヒョーゴノスケさんにお願いした経緯を教えてください

東宝イメージボードを作成するにあたり、高橋監督が以前一緒にお仕事をしたことのあるイラストレーター・丹地さんにお願いをしたようです。そして脚本を読んだ丹地さんから「ヒョーゴノスケさんのイラストのテイストが合いそうだ」とのご提案があり、お声がけさせていただきました。

――キャッチコピーはどなたが考えられたのでしょうか

東宝ティーザーポスターのコピーは、デザイナー浜辺さんの会社、WATCHで考えていただきました。その他のものは、コピーライターの福部明浩さんに手掛けていただいています。


ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 「本当の友だちと、ニセモノの友だち。何が違うんだろう。」

――お子さま向けというよりは、大人へのメッセージ性を感じさせるポスターになっていると思うのですが、やはり大人の方にも見ていただきたい作品というメッセージが込められているのでしょうか

東宝そうですね。「ドラえもん」を子どもたちだけの作品にしておくのはもったいないと思いますし、子ども時代にドラえもんを好きだった方が当時の気持ちを思い出すような、大人も心をひかれるポスターになっていればいいなと思います。もし、このポスターを見て、久々に映画館にドラえもんを見に行ってくださった方がいらっしゃったらとてもうれしいです。

――最後に映画の見どころを教えてください

東宝今回はドラえもんとのび太の友情が特に感じられる映画になっていると思います。そして「のび太の恐竜」(1980年公開)が公開された当時、恐竜が隕石で絶滅したというのが真説ではなかったように地球は昔、丸々凍っていたことがあるという“スノーボールアース仮説”を元に展開する物語は、子どもはもちろん、大人もワクワクできる、まさに原点回帰ともいえる作品になっていると思います。


ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 「7億年前にあったことは、明日あっても不思議じゃないんだ。全地球凍結(スノーボールアース)。」


 現在全国の映画館で上映中の映画「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」は、ひみつ道具「氷細工ごて」で遊園地を作っていたのび太たちが、氷漬けになっている不思議な腕輪を見つけて――という物語。地球凍結の危機に直面したドラえもんたちの活躍に注目です。


ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 「氷は、透明なタイムマシンなんだ。」

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2017

(Kikka)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. /nl/articles/2412/03/news179.jpg 「口座や住居が……」 坂口杏里、SNSで“重要個人情報を垂れ流し” 「かなりまずい状態」「大丈夫じゃなさそう」心配の声
  3. /nl/articles/2412/03/news184.jpg 部屋中に“まさかの原因”で「虫が大量発生」 松井珠理奈「寝るのも怖い」と自宅で大パニック ファンから対処法募る
  4. /nl/articles/2412/04/news067.jpg 「価格崩壊ヤバい」 セカストで2150円で買った“破格の掘り出し物”に「やっす……」「こういう事あるんすね」
  5. /nl/articles/2412/04/news110.jpg ニトリの“3990円デスク”が在宅ワークにぴったり 収納力抜群のコンパクト仕様に「サスガ、お値段以上」
  6. /nl/articles/2412/01/news031.jpg 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  7. /nl/articles/2412/03/news188.jpg 「どういう神経してるの」 有名音楽評論家、過去の“万引き”を告白…… 「盗んだレコードで評論とは」批判殺到
  8. /nl/articles/2412/04/news084.jpg 大谷翔平、“仲間たちとのショット”に反響 幸せそうな表情に「これはすごい!」 妻・真美子さんとの“家族ショット”も
  9. /nl/articles/2412/03/news187.jpg ホロライブ・天音かなた、実母が“警察が動く犯罪に巻き込まれていた”ことを明かし視聴者騒然 「泣きながら電話かかってきた」
  10. /nl/articles/2412/04/news197.jpg 辻希美の高2長女・希空のデビューについて杉浦太陽が語り涙…… 赤ちゃん時代の姿や秘蔵エピソード明かす「そういう世界に入る気ない、と言われていた」
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」