大阪から最短30分で行ける廃線ハイキング 「福知山線廃線敷」が最高だった

ちょっとした冒険気分が味わえます。

» 2017年04月01日 08時00分 公開
[エンジンねとらぼ]

 長かった冬もようやく終わり、いよいよ春がやってきました。「どこかハイキングへ行きたいな、でもどこがいいかな?」と悩んでいたときに知ったのが「福知山線廃線敷」なるスポット。


福知山線廃線敷 こんなトンネルにも入れる

 なんと、昔電車が走っていた川沿いの道をそのままハイキングすることができるのです。鉄橋を渡ったり、トンネルなどにも入ることができてしまいます。しかも、大阪駅から電車で最短30分という驚異的な近さ。

 これは身近かつ面白そうだと、早速お昼のカップヌードル(カレー味)と懐中電灯をリュックに入れ、出発しました。


福知山線廃線敷 好物のカレー味

JR生瀬駅より目的地へ

 ハイキングの出発点は、兵庫県西宮市にあるJR生瀬(なませ)駅。平日だというのに、ナップサックを背負った方がちらほらと見受けられます。


福知山線廃線敷 コンビニがないので要注意

 廃線まではここから徒歩7〜8分。少々歩きますが、一定間隔で標識が設けられているので迷いません。


福知山線廃線敷 案内に従おう

 そうして到着したのが、福知山線廃線敷(別名:福知山線廃線跡、武田尾廃線跡)。ここはもともとJR武田尾駅につながる線路だったのですが、さまざまな事情から1986年に廃線。それ以来「廃線を歩ける秘密の観光スポット」としてハイカーや廃墟マニアが多数訪れるようになったのです。

 JR側は一時期立ち入り禁止措置もとりましたが、開放を求める声に押され、2016年5月に本格的な整備を開始。そして同年11月、誰でも入れるハイキングコースとなりました


福知山線廃線敷 入口の注意事項を必ずチェック

福知山線廃線敷 こんな感じのルート。今回はJR生瀬駅からJR武田尾駅までを歩きます(画像は西宮市のサイトより)

トンネルに入り、鉄橋を渡る

 この場所の魅力のひとつは、なんといっても廃線をお手軽に歩けること。例えば足元を見てみると、線路に使われていた枕木が残っています。


福知山線廃線敷 この上を電車が走っていた

 また、周囲を見回せば、駅として使われていたころの遺構が。これは廃墟マニアでなくとも興味が沸いてきますね。


福知山線廃線敷 すっかりさび付いた看板

福知山線廃線敷 まだ土台は残っている

 さらに、鉄橋を渡ることもできます。整備前は端しか歩けなかったのですが、今は堂々と中央を渡ることが可能に。風に揺られながら激しく流れる武庫川の上を歩くのはちょっぴりスリリングですが、滅多にできない体験ですよ。


福知山線廃線敷 真下からは激流の音が

 滅多にできない体験といえば、忘れてはいけないのがトンネルくぐり。この廃線には6つのトンネルが存在しています。


福知山線廃線敷 トンネルは全部で6つ

 自動車のそれとは違って、中は電気が一切なく真っ暗。ひとたび足を踏み入れれば、距離感が失われてしまいます。懐中電灯の心許ない光だけを頼りに歩き続けていると、気分はあたかも暗い海の底を歩いているかのよう。足音と水音だけが響きわたる空間を、ひょっとするとこのままさまよい続けるのではないかと、不思議な気分になってしまいます。


福知山線廃線敷 懐中電灯は必ず持っていくようにしましょう

 その分、出口の光が見えたときは、達成感ひとしお。ものすごい大冒険をしたような感覚が味わえます。この怖さにもよく似た面白さ、ぜひ体感していただきたいですね。


福知山線廃線敷 出口の光が眩しい

武田尾の大自然を楽しみながらカップヌードルを

 そして、もうひとつのみどころがその風景。中山連山と武庫川に面したこの廃線は景色も見応えがたっぷり。


福知山線廃線敷 そびえたつ連山

福知山線廃線敷 川のところどころに巨岩が

 廃墟マニアだけでなく、ハイカーにも人気の高い理由はこれです。秋には紅葉一色の眺めを、春には一面の桜を楽しむことができます。3月末に私が訪れたとき、まだ桜は開花していませんでしたが、既につぼみが開きかけている状態でした。4月の上旬から中旬が見所的にベストです。おいしい空気を存分に楽しんでいただくことができるでしょう。

 さて、福知山廃線での風景をオカズに、ランチと行きましょう。


福知山線廃線敷 醤油に白だし、みりん、ごまだれで味付け

 献立は、カップヌードル(カレー味)に加え、自家製の焼おにぎり。いずれも簡単なものばかりですが、外で食べるとより一層おいしくなります。


福知山線廃線敷 青空とカレーヌードル

 みごとな眺めを前によく焼けたおにぎりを頬張り、スパイスの効いた麺をすする。ささやかながらも味のあるぜいたく。これもまた、ハイキングの楽しみですよね。


電車ですぐ行ける大自然と廃墟

 以上、福知山線廃線敷を楽しんできました。出発点となるJR生瀬駅やJR武田尾駅へはJR宝塚駅からそれぞれ5分、10分程度、JR大阪駅からでも30分ほどと非常に近いです。都会からこれだけ近くて大自然や廃墟が楽しめるスポットはなかなかありません。

 この記事をお読みのあなたも、休日を利用してこの場所へハイキングに行ってみませんか? その際、お弁当と懐中電灯の用意を忘れないようにしましょう。


エンジン


関連キーワード

電車 | マニア | 人気 | 観光地


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/15/news078.jpg 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  2. /nl/articles/2501/14/news049.jpg ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  3. /nl/articles/2501/15/news074.jpg 賞味期限「2年前」のゼリーを販売か…… 人気スーパーが謝罪「深くお詫び」 回収に協力呼びかけ
  4. /nl/articles/2501/11/news076.jpg 真田広之の俳優息子、母・手塚理美と“超大物司会者”に対面 豪華ショットに「ご立派な息子さん」「似てる雰囲気」【注目の“二世タレント”】
  5. /nl/articles/2501/14/news135.jpg ディズニーランド、新イベント前に「強制退園」対応が話題 「これくらい厳しい方がいい」などさまざまな意見
  6. /nl/articles/2501/13/news021.jpg 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  7. /nl/articles/2501/13/news025.jpg 道に落ちていそうな黒い石ころ→磨いたら…… まさかの“正体”が158万再生「超すごい」「砂利に似ているのに」【海外】
  8. /nl/articles/2501/15/news113.jpg 「幸子のコートばかり着ています」 音無美紀子、“大好きな妹”の一周忌に故人の孫と参列 受験前の成長した姿に「賢い子ばかり」「何より嬉しいでしょう」
  9. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  10. /nl/articles/2501/14/news141.jpg 浜崎あゆみ、子ども引き連れた韓国旅行が“最っ幸”でしかない 豪華ホテルの“すごい広い”テラスでママの顔「鬼ごっこ出来て良かった」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  2. 「大根は全部冷凍してください」 “多くの人が知らない”画期的な保存方法に「これから躊躇なく買えます」「これで腐らせずに済む」
  3. 浜崎あゆみ、息子2人チラリの朝食風景を公開 食卓に並ぶ“国民的キャラクター”のメニューが意外
  4. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  5. 中2長女“書店で好きなだけ本を買う権”を行使した結果…… “驚愕のレシート”が1300万表示「大物になるぞ!!」「これやってみよう」
  6. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”の家族に反響 ジュノンボーイの幼少期が香取慎吾似?【コンテスト特集2024】
  7. 大好きなお母さんが他界し、実家でひとり暮らしする猫 その日常に「涙が溢れてくる……」「温かい気持ちになりました」
  8. 「やばすぎ」 ブックオフに10万円で売られていた“衝撃の商品”に仰天 「これもう文化財」「お宝すぎる」 投稿者に発見時の気持ちを聞いた
  9. 「こんなおばあちゃんになりたい」 1人暮らしの93歳が作る“かんたん夕食”がすごい! 「憧れます」「見習わないといけませんね」
  10. 【今日の難読漢字】「碑」←何と読む?
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」