やしろあずきの調査―― 中二病って本当に中学2年生で発症するの? 現役中学教師に聞いてみた!(前編)(3/4 ページ)

» 2017年05月13日 12時00分 公開
[やしろあずきねとらぼ]

中二病の「種類」とは!?


やしろあずきの調査

「中二病の種類……ちなみにどんな感じなんですか?」



やしろあずきの調査

背伸び型、不良型、孤立型、真性型の4つです」



やしろあずきの調査

「ほう」



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「1つずつ説明しますね。まず背伸び型。これはまあ周りの人間のことを小さく見てしまうというか、特に理由もないのに自分が世の中の全てを知った気になってしまう症例です



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「ううん、身に覚えがあるぞ」



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「周りの子たちに比べて自分はもっと上をいっている、大人の世界に足を踏み入れてるんだと主張したくなっちゃう。ある日急激に自分の中で世界が広がりを見せ、自分はこんな小さな鳥籠(中学校)の中で飛んでいるべきじゃないって思っちゃう感じ」



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義務教育なんだからおとなしく飛んでいてくれ



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「症状としては、突然新聞を学校に持ってきて読み始めたり、突然政治の話を会話に絡めてくるようになったり、全く意味が分からないのに朝のニュースの日経平均株価とかを見ながら『う〜ん、なるほど……』とか言ったり」



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「全然大人になれてないのに大人になった自分アピールをして空回りしちゃうやつですね……なるほど、これが背伸び型」



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「あと突然全ての英語が筆記体になったりします」



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はい、僕ですね



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「次に不良型。これはアレです、ただのヤンキーですね」



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「ヤンキーって中二病なんですか」



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「いや、だってよく考えてみてくださいよ。全然格好よくないのにいきなり見せつけるようにタバコ吸い出したり、自転車のハンドルをひん曲げてバイクみたいにして乗り回したり……中二病でしょ? それ」



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確かにめちゃくちゃ中二病だ!!!!! なんだ、怖いと思ってたアイツもアイツも実は中二病だったんだ……なんかかわいく思えてきちゃったな……」



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「結局、周りと違う自分を演出したいって行為自体が中二病だと思うんです。不良型の子の場合はその演出の方法がちょっと暴力とか、非行行為に寄っちゃってる感じかな」



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「なるほど〜〜〜ピザ屋のバイク盗んで逮捕されたH君も行き過ぎた中二病だったわけか……」



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それは犯罪者です



やしろあずきの調査 よく考えれば中二病だよね

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「では次に3番目の孤立型。これは背伸び型が結構ひねくれちゃった感じのタイプで、自分は他とは違う、こんなくだらない人間たち(クラスメイト)と付き合ってる暇はないって考えから、回りの子たちと距離を置くような行動や立ち振る舞いをしちゃう子ですね」



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「あ! いたいたそういう奴! 普通によく遊んで面白い奴だったのに、ある日を境に突然クールな感じのキャラになって何を言っても苦笑するし、返事が『あ?』とか『ははッ……』とかになってすげー絡みづらくなったな……」



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「それは典型的な孤立型の症状ですね。クラスメイトに対して『しょうがないから子どもに構ってやってる』感を執拗(しつよう)に出してくるんですよね。気怠い感じで周りをあしらいつつ生活してても、そこに何かしらの魅力があるから何かと人は集まってくる。ラノベの主人公にでもなった気なんじゃないでしょうか。でも現実はただの根暗に見えちゃうので文字通りクラスメイトから孤立して終わるんですけど……」



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「先生結構辛辣(しんらつ)ですね」



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「さて、最後は真性型。これはなんというか、今まで説明してきたようなよくよく考えれば中二病って感じではなく、ネットでいう中二病そのままって感じの子ですね」



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「……と、言うと……?」



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「例えば、自分は他の人と違う力を持っているだとか、神の生まれ変わりだとか、特殊能力が使える闇の結社の人間だとか……そう思っているだけならいいですし、思っているだけであれば結構な子がそうだと思います。ただ真性型の子はその設定を思いっきり表に出しちゃうというか」



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「……つまり、自分が堕天使の生まれ変わりだとか信じちゃって……実際になんか……鎖とかジャラジャラつけた服を着て街中をドヤ顔で闊歩(かっぽ)しちゃったりとかそういう……?」



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「ああ、そうですね。そういうことです……まあ、そこまでする子ってなかなかいないと思うんですが……」



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「そうですか……」



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「これまで紹介したタイプの子は、心の底では『本当の自分』が分かってるって子が多いんですよね。それは三者面談とかで話していれば顕著に分かるんですけど……ただ、真性型の子は……やしろさんの言葉を借りると、本当に自分は堕天使の生まれ変わりだって信じちゃってるような子が多い、妄想の強さが現実を侵食してしまっているんですよね。一番手がつけられない子にこのタイプが多いです」



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「…………」



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「どうしました?」



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「……いえ、大丈夫です……古傷がちょっと……でもよく分かりました! 確かに、中学時代のクラスメイトを思い返しても、どれかのタイプに何かしら当てはまっている所があった気がします!」



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