なぜクイズプレイヤーは2015年から誤答するようになったのか? またはクイズとテクノロジーのいとも奇妙なる蜜月(3/3 ページ)
それでもクイズはカルタではなかった
とはいいつつ、先にも触れた僕の著書においては、僕はこのムーヴメントの先っちょに位置しており、それゆえに「このままでは無味乾燥な、既出問題の奪い合いとしてクイズが枯れ果ててしまうのではないか」と危惧していた。既出問題を極めるところまでほぼ極め、新しく作られたものもどんどん吸収し既出化していってしまう状況に、未来の限定性を感じたのである。
しかしそれから2年、今の僕はその心配をしていない。
クイズを始めてしばらくの人はよく「クイズは、よく出る問題をいかに押せるかというカルタのようなゲームだ」と例えることがあるし、2年前の僕も「どでかいスケールでのカルタになってしまい、しかもそのどでかいスケールをカバーできる人が増えていく」ことを懸念していた。
でも、僕がこの2年で得た結論は「クイズはカルタではなかった」ということであり、「誤答が増えたのはカルタ的スピードアップの結果ではなく、戦術的進化の過程にすぎない」というプラスの知見であった。
なぜ、ポジティブな見方を得たのか。
それは、「世代の入れ替わり」と「問題の創造性の広がり」ゆえであった。
ガチンコクイズをスカイプで毎晩繰り広げ、情報を共有しまくっていた世代も徐々に学生ではなくなっていった。日夜研究に励み、それをサークルに伝えることはできなくなっていったのだ。
そして、強い世代が去ったあとに強い世代が綿々と続くことは稀(まれ)である。1つの強さを皆で目指した反動として、クイズ界にも多様化の波が押し寄せているように感じる。ゆるく楽しみたい、新しい形式も試してみたいなどなど、ガチンコ研究ムーブメントが一段落したことで、戦術は残ったが問題を極めすぎることはなくなったのだ。
また、多くの人間が「更に新しい知識を加えて問題を作ろう」と挑んだ。過去に出たことがある答えや皆が知っている単語でも、新しい情報を見つけてきて問題文に入れ込み、新しさを加える。これにより、研究を更に越えていくのだ。
速さを追い求める研究の鈍化と、問題のクリエイティビティが重なり、僕が懸念していた「行きすぎてしまうこと」は現在起こっていない。
僕はこれを見て、あらためてクイズの奥深さ、可能性を感じた。僕達がやっていたことは既存のパイを奪い合うだけの浅いゲームではない。限定性のない、知識と技術の勝負なのだ、と。
クイズを離れても、とかく「間違える」ことはマイナスイメージだ。「恥の文化」たる日本においては特に間違ったことを言うのは恥ずかしいからチャレンジしたくない、ということがよくあるし、テレビクイズでも「いかに恥ずかしがらずにボタンを押せるか」が勝負の分かれ目だったりする。
しかし、現状のクイズの最先端戦術はその壁を超えたところまで来た。ある種の確率的ゲームとして「間違える可能性すら推進力にして進む」のだ。むやみやたらに押すのではなく、自分の鍛錬を信じて常に勝負をかける、積極的姿勢の現れである。挑戦した上でのポジティブな間違いだ。
2015年、クイズ界に誤答が増えました。いえいえ、素晴らしいことなのです。
今後、さらなる新戦略の誕生と、それにより一層クイズの奥深さが照らし出されることに、激しく期待。
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データ協力
三木智隆、福塚清嵩
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