「うなれ俺のハンドスピナー!」 ハンドスピナーを題材にしたバトルアニメ風動画が血湧き肉躍るクオリティー
無駄にハイクオリティーな映像。
くるくる回るだけなのに妙に中毒性があり、世界中を虜にしている玩具、ハンドスピナー(関連記事)。人気ホビーともなれば通常は漫画化やアニメ化といったメディアミックスが期待できますが、残念ながらハンドスピナーはハイパーヨーヨーほど競技性が高いわけでも、ミニ四駆ほど改造の自由度が高いわけでもありません。そんな地味すぎる題材を海外の作家集団「Corridor」が完璧に映像化してくれました。動画はYouTubeで無料公開中。
「アニメ ハンドスピナーズ(ANIME FIDGET SPINNERS)」と題された同作は、日本のホビー系アニメへのオマージュが満載。実写作品であるにもかかわらずタイトルに「アニメ」と付けている時点でただならぬこだわりを感じます。
動画では、怪しい裏路地に集まったストリート・ギャング風の男たちがハンドスピナーを駆使した闇のゲームを繰り広げます。「俺のスタイリッシュ・ムーブを見せてやるぜ!」と掛け声を発し、手に持ったハンドスピナーをスタイリッシュに高速回転させる男。人差し指の上に器用にスピナーを乗せて、なぜかヘアスプレーを頭に吹きかける謎のスタイリッシュアピールをさく裂させます。どこからともなく審判が現れると、「分速500回転!」とスピナーの回転速度をジャッジ。どうやら回転速度を競う競技のようで、500回転という数値に観客も沸き立ちます。
ところが不敵な笑みを崩さないのが相対するもう片方の男。ビシっとスピナーを回転させると、足元からは怪しい黒煙のエフェクトが立ち込めます。よく分からないけどすさまじい暗黒パワー……! すかさず審判から「分速1000回転!」のジャッジが下ります。ヘアスプレー男は「ば、ばかなっ!」と同様を隠しきれません。すると人差し指に乗っていたハンドスピナーがぐらり。バランスを崩し、利き手の指を4本吹き飛ばしてしまいました。さすが闇のゲーム、一瞬の油断が命取りです。
賞金100ドル(約1万1200円)を賭けた闇のゲームもいよいよ決勝。暗黒パワーの男の前に、赤い帽子をかぶった本作の主人公が満を持して登場します。そして唐突に始まる回想シーン。「そう、全ては2年前、事故で脚が動かなくなってしまった弟のため……」。どうやら主人公は賞金100ドルで弟の脚を直してあげるのが目的のようです。良心的な医療費ですね。
そんな絶対に負けるわけにはいかないバトルですが、暗黒パワーの力は絶対的。普通にスピンしていては勝てそうもありません。勝つためには集中しなければ……主人公の緊張が極限まで高まったとき、ふたたび弟の交通事故の瞬間がフラッシュバック。この瞬間、主人公は弟を轢(ひ)いたのが、ハンドスピナーを回して脇見運転していた暗黒パワーの男だったことを思い出します。「ククク……ついに気付いたようだな」「お、お前が犯人だったのか!」まさかの熱い展開です。
相手の暗黒パワーに通常のハンドスピナーでは太刀打ちできない。ここで主人公は、かつてハンドスピナー博士に託された禁断のハンドスピナーを取り出します。強大な力を秘めた危険すぎるハンドスピナーのため、博士からは破壊を命じられていましたが、その禁を破り、サイコ・クリスタル・パワーを開放していきます。「弟よ、こいつをお前に捧げるぜ!」ヌンチャクのようにハンドスピナーを振り回し、超高速回転させていく主人公。
日本語主題歌をBGMに、審判が「計測不能です!」と絶叫。ハンドスピナーから炎の龍が飛び出し、相手を吹き飛ばしてしまいました。CG演出の無駄なこだわりがすごい。
動画を制作したCorridorはSam GorskiとNiko Pueringerの2人を中心としたユニット。過去にも野球アニメへのオマージュ満載な野球動画や、映画「ジョン・ヴィック」風のガンアクションを玩具の銃「ナーフ」で再現した動画などで話題を呼びました。動画のストーリーはどれもおバカですが、映像のクオリティーは一級品。YouTubeでは「アニメ ハンドスピナーズ」のCG制作過程を収めたメイキング動画も公開されています。
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ますます回したくなる。
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