他界した猫が生き返って歌い踊る “天国帰りの猫”の音楽家「むぎ(猫)」は、異色なのに優しい (1/2)
着ぐるみのような猫のアーティストがフジロックに出演し、大評判に。謎の魅力を取材してきた。
他界したペットの猫が、現世に生き返って歌って踊っている。そんな異色なプロフィールのミュージシャン(?)が、先日行われた音楽フェス「フジロックフェスティバル2017」に出演し、やたらと評判を呼んでいる。
その名も「むぎ(猫)」。見た目は猫の着ぐるみっぽいけど、これは飼い主が手作りしてくれた“新しい体”。音楽に合わせて歌い、楽器も演奏する、“天国帰りの猫”なのだという。沖縄県うるま市を拠点に活動している。
ツッコミどころしかないが、現場からは「泣いちゃった」「エモい」と感動の声があがっている。フジロックに出ていた小沢健二やビョークなど名だたるアーティストを差し置き「ベストアクトだった」「今年一番の収穫」と評価する人すらいる。どうなってんだ。
ちょうど下北沢でライブがあったので鑑賞。むぎ(猫)と、活動をサポートしている飼い主・ゆうさくちゃんを取材してきた。それにしても、むぎとゆうさくちゃん、雰囲気がやたらと似ているな。
演奏、MC……いい意味で期待を裏切る天国帰りの猫
下北沢のライブハウスに現れた大きな猫は、登場曲に合わせて何やらステップを踏み、ゆっくり両手を掲げ、不思議なダンスを始めた。
「むぎ(猫)といいます。最初のはビョークちゃんの踊りです。昨日フジロックフェスティバルに出演したんですが、ただ演奏するだけでなく、ちゃんと他の出演者のライブも吸収してここに来ました!」
あ、普通にしゃべるんだ。見た目とのギャップ、さらにビョークという世界的カリスマアーティストのダンスを猫がマネしてみせたシュールさに、会場は笑いと動揺に包まれる。
1曲目の「どんなふうに」ではイントロから巧みな木琴さばきを見せ、場内から歓声が。跳ねるようなドラムとピアノに体を左右に揺らしながら、むぎの柔らかい歌声に耳を傾ける。見てくれだけではない良質な音楽に、観客もみんなにこやかにハマっていた。
ジャンルも幅広く、引き出しも多い。音頭調の「アガってく音頭」では地球の“温度があがっていく”現実を皮肉りながら、祭りばやしのようにスティックでタムをたたく。テクノ調の「履いてくノロジー」ではデバイスが進化していく忙しさを歌い、ロボットダンスと高速の木琴テクを披露。猫離れした芸達者ぶりに興奮しながらも、どの楽曲にも猫らしい要素が盛り込まれており、むぎ独特のライブにどんどん引き込まれていく。
曲が終わった後も肩で息をしながら「暑いですね……」「はぁはぁしていて心配するかもしれないけど、これが普通です」と、愛嬌たっぷりのMCに笑い声も絶えない。機材から曲を流すときも、その大きな指だと他のボタンに当たってしまうから、バチの後ろを使って慎重にクリックする。無言の数秒を、観客みんなでほほえましく見守る。多少の人間臭さや失敗も気にしない、ほっこりゆるーいやりとりが、猫ならではだ。
最後の「天国かもしれない」ではゆったりしたレゲエ調の音楽に乗せ、「僕はここにいるよずっとそばにいるよ きっとここは天国」と、天国帰りならではの気持ちをひたむきに歌う。終演後、「最高だった」「やばかった……」と感動に浸る声があちこちから聞こえた。
ビジュアルがただ猫というだけではない、ライブパフォーマンス、音楽の良さ。それらを含めた「天国帰りの猫」にしか出せない世界観に、みんなほっこり癒やされているようだった。フジロックに出演したのは最終日となる3日目の夜と、参加者が疲労感たっぷりの頃合い……こんな優しいライブに触れたのだったら、泣いてしまった気持ちも大きくうなずける。
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